韓国語の歌を歌うコツ。発音とリズムのきほん
「好きな韓国の歌を、ちゃんと韓国語で歌ってみたい」 「カタカナで読みがなをふって歌っているけれど、なんだか本物っぽく聞こえない」
韓国の歌が好きで、韓国語で歌ってみたいと思う方は、お子様から大人の方までたくさんいると思います。でも、いざ歌ってみると、ことばがリズムにのらなかったり、発音がよくわからなかったりして、こまることもありますよね。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、韓国語の歌を歌うときの発音とリズムのきほんを、単語の例をつかってお話しします。韓国語を習ったことがない方でもわかるように、なるべくやさしいことばでまとめました。
韓国語は、日本語とにているところも多いことばです。いくつかのポイントをおさえると、ぐっと歌いやすくなります。
韓国語の歌は、日本語の歌とどこがちがう?
「終わりの音」があることば
日本語は、「さ」「く」「ら」のように、ほとんどの音が母音(あ・い・う・え・お)で終わります。いっぽう韓国語には、音のさいごに子音がつくことばがたくさんあります。
この、音のさいごにつく子音を「パッチム」といいます。韓国語らしく聞こえるかどうかは、このパッチムの発音がとても大切です。
1つの文字が、1つのかたまり
韓国語の文字(ハングル)は、子音と母音、そしてパッチムを組み合わせて、1つのかたまりにしています。
たとえば、「愛」という意味の사랑(サラン)は、사(サ)と랑(ラン)の2つのかたまりでできています。カタカナで書くと「サ・ラ・ン」の3つに見えますが、韓国語では2つです。
このちがいは、歌のリズムにも大きく関わってきます。あとでくわしくお話しします。
カタカナだけでは、表しきれない音がある
韓国語には、日本語にない音がいくつかあります。カタカナの読みがなは、はじめのうちはとても便利です。でも、カタカナだけにたよると、日本語のような発音になりやすくなります。
読みがなは「手がかり」として使いながら、実際の歌の音をよく聞いて、まねしていくことが大切です。
母音の発音のきほん
「オ」が2つある
韓国語には、日本語の「オ」ににた音が2つあります。
- ㅗ(オ)……くちびるを、まるくすぼめて出す「オ」
- ㅓ(オ)……口をたてに少し大きくあけて、くちびるをまるめずに出す「オ」
ㅓは、「ア」の口の形に近いまま「オ」と言うようなイメージです。日本語の「オ」より、少しこもったひびきになります。
「ウ」も2つある
「ウ」ににた音も2つあります。
- ㅜ(ウ)……くちびるを、まるく前につき出して出す「ウ」
- ㅡ(ウ)……くちびるを横に引いて、「イ」の口の形のまま出す「ウ」
たとえば、「空」という意味の하늘(ハヌル)の「ヌ」は、くちびるを横に引いて出すㅡの音です。
歌で母音をのばすとき
歌では、ことばの母音を長くのばすことがよくあります。のばしているあいだに、口の形がかわらないように気をつけましょう。
「オ」や「ウ」をのばすときは、どちらの音なのかをたしかめてから歌うと、ことばがはっきり伝わりやすくなります。
パッチム(終わりの音)の発音のきほん
「ン」が3しゅるいある
日本語では、どれも「ン」と書く音が、韓国語では3つに分かれています。
- ㄴ……舌の先を、上の前歯のうらにつけて終わる。例:산(サン、山)
- ㅁ……くちびるをとじて終わる。例:꿈(クム、夢)
- ㅇ……舌のおくを上にあげて、鼻にひびかせて終わる。例:사랑(サラン、愛)
とくに、くちびるをとじるㅁは、歌のときにわすれやすい音です。꿈(クム)を「クン」と歌わないように、さいごにくちびるをしっかりとじてみてください。
つまるような終わりの音
韓国語には、日本語の小さい「っ」ににた、つまるような終わりの音もあります。
- ㅂ……くちびるをとじて止める。例:밥(パプ、ごはん)
- ㄱ……舌のおくを上あごのおくにつけて止める。例:책(チェク、本)
- ㄷなど……舌の先を上の歯のうらにつけて止める。例:곧(コッ、すぐに)
どれも、さいごの音をはっきり「プ」「ク」と言いきるのではなく、口の形をつくって止めるだけ、というのがポイントです。「パプ」と書いても、「プ」の「ウ」はほとんど聞こえません。
ㄹ(ル)のパッチム
하늘(ハヌル)のように、さいごにㄹがつくときは、舌の先を上あごに軽くつけて終わります。「ル」と、はっきり「ウ」まで言わないのがコツです。
音がつながるきまり
パッチムのあとに母音がくると、音がつながる
韓国語では、パッチムのあとに母音ではじまる音がくると、パッチムがつぎの音にうつって、つながって聞こえます。
- 음악(音楽)……「ウム・アク」ではなく「ウマク」のように聞こえる
- 마음이(心が)……「マウム・イ」ではなく「マウミ」のように聞こえる
歌詞の文字を一つずつ読むと、実際の歌とちがって聞こえるのは、このためです。歌の音をよく聞いて、つながり方をたしかめてみてください。
音がかわって聞こえることもある
ほかにも、となりの音のえいきょうで、文字とはちがう音に聞こえるきまりがいくつかあります。はじめから全部おぼえなくてもだいじょうぶです。「文字と音がちがうところがある」と知っておくだけでも、耳で聞いてまねしやすくなります。
子音の強さと息のつかい方
3つの強さがある
韓国語の子音には、同じような音でも、息の出し方がちがうものがあります。
- 가(カ)……ふつうの音。ことばのはじめでは、やわらかい「カ」に近い
- 카(カ)……息を強く出す「カ」
- 까(ッカ)……のどをきゅっとしめて、息をあまり出さない「カ」
歌では、この息の強さのちがいが、ことばのひびきや、リズムのきれ味にもつながります。はじめは聞き分けがむずかしいかもしれませんが、歌の音をよく聞いて、少しずつまねしてみてください。
息を強く出す音で、のどにむりをさせない
息を強く出す音を、つよく意識しすぎると、のどに力が入りやすくなります。体の力をぬいて、息だけを前に出すようなイメージで歌ってみてください。
リズムにことばをのせるコツ
1つの音に、1つのかたまり
日本語の歌では、多くの場合、1つの音に「さ」「く」のような1つの音がのります。韓国語の歌では、1つの音に、사랑の「랑(ラン)」のような、パッチムまでふくめた1つのかたまりがのることが多いです。
そのため、カタカナで「ラ・ン」と2つに分けて歌うと、リズムがずれてしまいます。1つの音の中で、「ラ」をのばして、さいごに「ン」の口の形にもっていくようなイメージで歌ってみてください。
速い曲は、ゆっくりから
テンポの速い曲は、ことばがおいつかなくなりがちです。はじめは、ゆっくりのテンポで、ことばとリズムを合わせる練習をしましょう。
メトロノームや、再生の速さをかえられるアプリなどをつかうと、少しずつ速くしていけます。
韓国語の歌の練習のすすめ方
1 歌をくりかえし聞く
まずは、歌いたい歌をくりかえし聞いて、ことばのひびきになれましょう。歌詞を見ながら、どこでパッチムがあるか、どこで音がつながっているかを、耳でたしかめます。
2 歌詞を、声に出して読む
メロディをつけずに、歌詞をゆっくり声に出して読んでみましょう。パッチムの口の形や、母音のちがいに気をつけながら読みます。
読みがなをふるときは、「ㅁ」のところに印をつけるなど、自分なりの工夫をしておくと、歌うときに思い出しやすくなります。
3 リズムに合わせて読む
つぎに、歌のリズムに合わせて、ことばだけを読んでみます。1つの音に、どのかたまりがのるのかを、手びょうしをしながらたしかめると、わかりやすくなります。
4 ゆっくり歌って、録音する
ゆっくりのテンポで歌ってみて、スマホで録音しましょう。もとの歌と聞きくらべると、「ここはㅁをわすれている」「ここは音がつながっていない」など、自分では気づかなかったところが見えてきます。
外国語の歌詞をおぼえるコツは、こちらの記事にもまとめています。外国語の歌詞を暗譜するコツ。イタリア語・ドイツ語の歌をおぼえる方法
5 少しずつ、もとのテンポに近づける
ことばが口になじんできたら、少しずつテンポを上げていきます。いきなり全部をもとの速さで歌おうとせず、むずかしいところだけをくりかえし練習するのもおすすめです。
お子様が韓国語の歌を歌うとき
韓国の歌が好きなお子様も多いと思います。お子様が歌うときは、発音を正しくすることよりも、まずは楽しく歌うことを大切にしてあげてください。
- まちがいを、すぐになおそうとしない
- 声をはりあげて歌いつづけないよう、ときどき休む
- 高すぎる歌は、キーを下げて歌う
ダンスをしながら歌うときは、息がきれやすく、のどにも力が入りやすくなります。のどの痛みやかすれがつづくときは、むりをさせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
まとめ
- 韓国語には、音のさいごにつく子音「パッチム」がある
- 「オ」と「ウ」は、それぞれ2しゅるい。口の形のちがいに気をつける
- 「ン」は3しゅるい。とくに、くちびるをとじるㅁをわすれないように
- パッチムのあとに母音がくると、音がつながって聞こえる
- 子音には、息の強さがちがう3つの音がある
- 歌では、1つの音に、パッチムまでふくめた1つのかたまりがのることが多い
- 聞く → 読む → リズムで読む → ゆっくり歌って録音、の順で練習する
英語の歌の発音やリズムについては、こちらの記事でお話ししています。外国語の歌に共通するところもあるので、あわせて読んでみてください。洋楽を上手に歌うコツ。英語の発音・リズム・ことばのつながり
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