お子様が「教室に行きたくない」と言ったら。理由の見つけ方と、休む・つづける・やめるの考え方
「今日は、教室に行きたくない」
レッスンの日の朝や、出かける前になって、お子様がこう言い出すことがあります。歌が好きで通いはじめたはずなのに、とおどろくお父様・お母様もいらっしゃると思います。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、習い事に行きたくないとお子様が言ったときに、お父様・お母様ができることをまとめます。ここでは、練習や発表会の話ではなく、歌の教室に「行くこと」にしぼってお話しします。行きたくない理由の見つけ方と、休む・つづける・やめるの考え方を、いっしょに見ていきましょう。
「行きたくない」は、お子様からの大切なサインです。すぐに「行きなさい」「じゃあやめよう」と決めず、まずはその理由を知るところからはじめてみてください。
「行きたくない」と言われたときに、まずすること
その場で答えを出さない
出かける前に「行きたくない」と言われると、時間もなくて、あせってしまいますよね。でも、その場で強く言い聞かせたり、すぐに休むと決めたりすると、あとで気持ちを整理しにくくなります。
まずは「そうか、行きたくないんだね」と、お子様のことばをそのまま受けとめてあげてください。気持ちを受けとめてもらえると、お子様は少し落ちつきます。
「今日だけ」なのか「ずっと」なのかを見る
- その日だけ、急に言い出した
- ここしばらく、レッスンの日になると言う
- 前から、何となく行くのをしぶっていた
その日だけなら、体調や気分、その日のできごとが関係しているのかもしれません。何回も続くなら、教室に行くこと自体に、何か気になることがあるのかもしれません。
行きたくない理由の見つけ方
理由を、いくつかに分けて考える
お子様が教室に行きたくない理由は、いろいろあります。大きく分けると、次のようなものが考えられます。
- 体や気持ちの調子:つかれている、ねむい、体調がよくない
- 教室までのこと:移動がたいへん、ほかにやりたいことがある
- 教室の中のこと:先生やお友だちとの関係、レッスンの内容
- 歌への気持ち:歌うことへの興味がうすれてきた
どれにあてはまるかによって、考え方がかわってきます。
体や気持ちの調子
園や学校でつかれていたり、ねむかったりすると、教室に行く元気が出ないことがあります。レッスンの前に、家でゆっくりする時間がとれているかを見なおしてみてください。
体調がわるいときは、無理をせずに休むことも大切です。のどの痛みやかすれが続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
教室までのこと
教室に行くまでのことが、理由になっていることもあります。
- 教室までの道のりが長くて、つかれる
- 見たいテレビや、あそびたいことと時間が重なる
- お友だちとあそぶ約束と重なる
- 前の予定から急いで移動しなければならない
この場合は、歌の教室そのものではなく、時間や移動の負担を見なおすだけで、気持ちがかわることもあります。曜日や時間をかえる、オンラインのレッスンをためしてみる、という方法もあります。
教室の中のこと
- 先生の言い方が気になる
- グループレッスンで、お友だちとうまくいかない
- レッスンの内容がむずかしくて、ついていけない
- 前に注意されたことが、心にのこっている
教室の中で何かあったときは、お子様がすぐに話してくれないこともあります。「教室で楽しいことは何かな」「ちょっといやだなと思うことはある?」と、楽しいことと、いやなことの両方を聞いてみると、話しやすくなることがあります。
歌への気持ち
成長とともに、興味がほかにうつることもあります。歌うことは好きでも、教室でのレッスンにはあまり気がのらない、というお子様もいます。
この場合は、歌そのものをきらいになったのか、教室の形が合わなくなったのかを分けて考えてみると、次の一歩が見えやすくなります。
話を聞くときのコツ
責めないで聞く
「なんで行きたくないの」と強く聞くと、お子様はしかられていると感じてしまいます。「行きたくない気持ちになったのは、どうしてかな」と、気持ちによりそう聞き方をしてみてください。
話しやすい時間をえらぶ
出かける前のばたばたした時間より、夜のゆったりした時間や、いっしょに歩いているときのほうが、話しやすいお子様もいます。
すぐに解決しようとしない
理由がわかっても、すぐに「じゃあこうしよう」と決めなくてもだいじょうぶです。お子様が話してくれたことに「教えてくれてありがとう」と伝えるだけでも、お子様は安心します。
休む・つづける・やめるの考え方
休むという選択
体調や気持ちがつかれているときは、休むことも大切な選択です。休むことは、にげることではありません。少し休んで元気が出れば、また教室に行けるようになることもあります。
レッスンを休むときの連絡のしかたや、ふりかえのたしかめ方は、こちらの記事にまとめています。歌のレッスンを休むとき。習い事を休む連絡の例文と、振替のたしかめ方
ただ、休んだ日はテレビやゲームの時間にするのではなく、ゆっくり体を休めたり、おうちで好きな歌を聞いたりする時間にすると、次のレッスンに気持ちを向けやすくなります。
つづけるという選択
理由がはっきりしていて、工夫できそうなときは、つづける方向で考えてみるのもよいと思います。
- 教室に行ったあとのお楽しみを用意する
- 先生に、お子様のようすを相談する
- レッスンの時間や曜日をかえる
- 行く前に、好きな歌をいっしょに歌って気分を上げる
「行く前はいやがるけれど、行ってしまえば楽しそうにしている」というお子様もいます。その場合は、教室に行くまでの気持ちの切りかえを手伝ってあげると、通いやすくなることがあります。
やめるという選択
いろいろ工夫しても、教室に行くことがお子様にとって大きな負担になっているときは、やめることも考えてよいと思います。
やめるかどうかを考えるときは、次のようなことを家族で話し合ってみてください。
- お子様は、歌うこと自体は好きか
- ほかの教室や、ちがう形のレッスンなら行けそうか
- お子様の体や心に、負担が出ていないか
- お子様自身は、どうしたいと思っているか
やめたいときの考え方や、先生への伝え方は、こちらの記事でくわしくまとめています。歌の教室をやめたい・かえたいと思ったとき。考えることと、先生への伝え方
教室に行く前の時間を、おだやかにする工夫
「行きたくない」は、出かける前のあわただしい時間に出てくることが多いものです。教室に行く前の時間をすごしやすくするだけで、お子様の気持ちがかわることもあります。
出かける準備は、早めにすませる
レッスンバッグや楽譜、水とうなどは、前の日のうちにいっしょに用意しておくと安心です。出かける直前に「早くして」と急がせることが少なくなり、お子様もお父様・お母様も、落ちついて家を出やすくなります。
行く前の流れを決めておく
- おやつを食べてから出かける
- 玄関で、好きな歌を少しだけ歌う
- 教室までの道で、しりとりをする
毎回同じ流れにしておくと、お子様は「次は教室に行く時間だ」と気持ちを切りかえやすくなります。
教室のあとの楽しみを話す
「帰りに、あの公園によってみようか」「夕ごはんは、好きなメニューにしようね」など、教室のあとの小さな楽しみを話しておくのもひとつの方法です。ごほうびでつるのではなく、教室の日を楽しい日にするための工夫と考えるとよいと思います。
行けた日は、そのことをみとめる
しぶっていても、教室に行けた日は「行けたね」と、そのことをみとめてあげてください。レッスンの内容より、行けたこと自体をみとめてもらえると、お子様の自信につながります。
お父様・お母様の気持ちも大切に
「せっかく通いはじめたのに」「月謝がもったいない」と感じることもあると思います。そう思うのは、お子様のことを大切に考えているからこそです。
でも、お父様・お母様だけでがんばりすぎなくてもだいじょうぶです。先生に相談したり、家族で話し合ったりしながら、お子様にとって、そしておうちの方にとっても、むりのない形をさがしてみてください。
教室に行かなくても、歌はつづけられる
教室に行くことがむずかしくなっても、歌を楽しむ方法はたくさんあります。
- おうちで好きな歌をいっしょに歌う
- 歌の動画を見ながら、まねして歌う
- 家族の前で、小さな発表会をする
- しばらくしてから、また教室をのぞいてみる
教室はあくまでも、歌を楽しむための場所のひとつです。お子様が「歌うのが好き」という気持ちを持ちつづけられることが、いちばん大切だと思います。
まとめ
- 「行きたくない」と言われたら、その場で答えを出さず、まず受けとめる
- その日だけなのか、何回も続いているのかを見る
- 理由は、体や気持ちの調子、教室までのこと、教室の中のこと、歌への気持ちに分けて考える
- 責めずに、話しやすい時間に聞いてみる
- 休む・つづける・やめるは、お子様のようすを見ながら家族で考える
- 教室に行かなくても、歌を楽しむ方法はある
教室に通うのがむずかしい時期でも、おうちで歌う楽しさは大切にしたいものです。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られるので、教室を休んでいるときでも、おうちで撮った動画で参加できます。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、歌うことをもう一度楽しむきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ