ハスキーボイスとは?かすれた声の魅力と、のどを守るための注意
「ハスキーボイスって、かっこいいな。わたしも出してみたい」 「自分の声は少しかすれていて、ハスキーと言われるけれど、これでいいのかな」
ハスキーボイスは、歌の世界で「味のある声」「色っぽい声」として、あこがれる人の多い声です。いっぽうで、かすれた声には、のどのつかれが関係していることもあり、気をつけたいこともあります。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、ハスキーボイスとはどんな声なのか、その魅力、歌の表現としての出し方の考え方、そして、のどを守るための注意をまとめました。
はじめにお伝えしておきたいのは、ハスキーボイスにあこがれて、わざとのどを痛めるようなことは、ぜったいにしないでほしいということです。この記事では、のどを大切にしながら、表現としてのハスキーな声とつきあう方法を、お話ししていきます。
ハスキーボイスとは?
息がまじった、少しかすれたひびきの声
ハスキーボイスとは、声に息がまじって、少しざらっとした、かすれたようなひびきのある声のことをいいます。「しゃがれた声」「かすれ声」とにた意味でつかわれることもありますが、歌の世界では、魅力のある声として使われることが多いことばです。
すんだ、つるんとした声とはちがい、声に「ざらつき」や「くもり」があるのが特ちょうです。そのざらつきが、聞く人の心にひっかかり、印象にのこりやすくなります。
ハスキーな声には、いくつかのタイプがある
ハスキーな声には、大きく分けて、つぎのようなものがあります。
- 生まれつき、声に少し息がまじりやすい人の声
- 歌い方の工夫で、ハスキーなひびきを表現している声
- のどのつかれや、かぜなどで、一時的にかすれている声
はじめの2つは、その人の声の個性や、表現のひとつです。でも、さいごのように、のどのつかれや体調でかすれている場合は、ハスキーボイスとはちがい、のどを休ませる必要があります。
大人の話し声や歌声が、かすれたり出にくくなったりするときのことは、こちらの記事でくわしく書いています。大人の声がかすれる・出にくいとき|話し声と歌声の見直し方
ハスキーボイスの魅力
気持ちが伝わりやすい
ハスキーな声は、せつなさや、やさしさ、さびしさなど、気持ちをこめた歌で、とくに魅力を発揮します。声に少し息がまじることで、ささやくように語りかけるふんいきが出て、聞く人の心にしみこむように伝わることがあります。
大人っぽく、味のある声
ハスキーボイスは、大人っぽく、落ち着いた印象をあたえます。ジャズやブルース、しっとりしたバラードなどでは、ハスキーな声のよさがよく生きます。
自分だけの個性になる
生まれつき少しハスキーな声の人は、それを「かすれていていやだな」と感じているかもしれません。でも、歌の世界では、その声はほかの人にはない、大切な個性になります。すんだ声だけが、よい声ではありません。
表現としてのハスキーな声の考え方
「のどをこする」のではなく「息をまぜる」
ハスキーな声を出したいとき、いちばん大切なのは、のどをこすったり、しめつけたりしないことです。のどをガラガラとこするような出し方は、のどを傷める原因になりかねません。
表現としてのハスキーなひびきは、声に「息を少しまぜる」ことで近づけることができます。ふだんの声に、ため息のような息を少しだけまぜて歌ってみる、というイメージです。
ため息から声にしてみる
まず、「はぁー」とやさしくため息をついてみてください。そのため息に、少しずつ声をまぜていきます。「はぁー」が「はあー」と、声と息がまざった音になったら、その感じをおぼえておきましょう。
このときに、のどがいがいがしたり、こすれる感じがしたりしたら、すぐにやめてください。らくに、やわらかく出せる範囲でためすことが大切です。
歌の一部だけで使う
ハスキーなひびきは、歌の最初から最後までずっと使うより、気持ちをこめたいところだけに、少し使うほうが効果的です。
- 歌いはじめの、しずかなところ
- フレーズの終わりの、ことばをそっとおくところ
- せつない気持ちをこめたいことば
ずっと息をまぜて歌うと、息がつづかなくなったり、のどがかわいたりしやすくなります。ここぞというところで使うと、歌にメリハリも生まれます。
息の多いやさしい声のつかい方は、こちらの記事でもまとめています。ウィスパーボイスの出し方。息の多いやさしい声のつかい方と、のどを守る注意
声量はおさえめに
ハスキーなひびきを出すときは、大きな声を出そうとしないことも大切です。息をまぜた声で、むりに大きな声を出そうとすると、のどに力が入りやすくなります。マイクがあるときは、マイクに声をひろってもらうつもりで、やさしく歌いましょう。
わざとのどを痛めないための注意
ここからは、とても大切なお話です。ハスキーボイスにあこがれるあまり、のどを痛めてしまう方もいます。つぎのようなことは、ぜったいにしないでください。
やってはいけないこと
- 声をからすために、大声でさけびつづける
- のどをガラガラとこするような声を、長く出しつづける
- かぜやのどの痛みがあるときに、むりに歌う
- 「かすれているほうがかっこいいから」と、のどの不調を放っておく
- のどが痛いのに、休まずに練習を続ける
声をからすような出し方を続けると、のどに負担がかかり、思うように声が出なくなることもあると言われています。かっこいい声を手に入れるつもりが、歌いたい歌を歌えなくなってしまっては、とても残念です。
こんなときは休んで、お医者さんに
- のどの痛みが続く
- かすれた声が、しばらくたってももどらない
- 声を出すと、のどにひっかかる感じがする
- 高い声や、小さな声が出にくくなった
- いつもの声と、あきらかにちがう
こんなときは、歌の練習を休み、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。とくに、「前はすんだ声だったのに、最近かすれるようになった」という場合は、ハスキーボイスではなく、のどのつかれかもしれません。
のどをいたわる毎日の工夫
- こまめに水をのんで、のどをうるおす
- 部屋がかわいているときは、かしつ器などで湿度をたもつ
- 長い時間、続けて歌わない
- 練習のあとは、声を休める時間をとる
- よくねむる
ハスキーな声で歌いたい方ほど、のどのケアを大切にしてください。
ハスキーな声が合う歌と、合わない歌
ハスキーなひびきは、どんな歌にも合うわけではありません。歌に合わせて、つかうかどうかを考えることも大切です。
ハスキーなひびきが生きやすい歌
- しっとりしたバラード
- ジャズやブルースのような、大人っぽい歌
- 語りかけるような、しずかな歌
- せつない気持ちを歌う歌
すんだ声のほうが合いやすい歌
- 童謡や、明るく元気な歌
- 合唱で、みんなの声をそろえたい歌
- 声楽の歌のように、まっすぐなひびきを大切にする歌
合唱では、ひとりだけ息の多い声で歌うと、まわりの声と合いにくくなることがあります。場面に合わせて、すんだ声とハスキーなひびきを、つかい分けられるとよいですね。
お子様がハスキーボイスにあこがれたら
お子様が、好きな歌の影響で「かすれた声で歌いたい」と言うこともあるかもしれません。お子様には、のどをこするような出し方は、とくにさけてあげたいところです。
お父様・お母様は、「のどを大切にしながら、やさしく歌おうね」と声をかけ、大きな声でさけぶような歌い方をしていないか、見守ってあげてください。お子様の声がかすれる日が続くときは、早めにお医者さんに相談すると安心です。
生まれつきハスキーな声の方へ
生まれつき少しハスキーな声で、それがなやみになっている方もいると思います。でも、その声は、すてきな個性です。
- しっとりした歌や、語りかけるような歌をえらぶ
- 息がつづくよう、息つぎの場所を決めておく
- のどのケアを、ふだんから大切にする
- 歌の先生に、自分の声に合う曲を相談する
ただし、生まれつきだと思っていても、のどの状態が関係していることもあります。気になるときは、一度お医者さんに見てもらうと安心です。
まとめ
- ハスキーボイスとは、息がまじって、少しかすれたようなひびきのある声
- 気持ちが伝わりやすく、大人っぽく、個性のある声として魅力がある
- 表現として出すときは、のどをこすらず、声に息を少しまぜるイメージで
- 歌の一部だけで使い、声量はおさえめにする
- 声をからすような出し方は、ぜったいにしない
- 痛みやかすれが続くときは、練習を休み、耳鼻科などのお医者さんに相談する
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