ひとりカラオケで歌の練習をする。時間のつかい方と、録音のすすめ
「家だと大きな声を出せないから、思いきり歌える場所がほしい」 「ひとりでカラオケに行ってみたいけれど、ただ歌うだけで終わってしまいそう」
歌の練習をしたい大人の方にとって、ひとりカラオケは、とてもつかいやすい練習場所です。まわりに気をつかわず、好きな曲を好きなだけ歌えるのは、うれしいですよね。
わたしは、息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールに出てきました。そのなかで感じたのは、「なんとなく歌う」のと「目的をもって歌う」のとでは、同じ1時間でも、身につくことが大きくちがうということです。
この記事では、ひとりカラオケを歌の練習にいかすための、時間のつかい方と、録音のすすめをまとめます。お店の料金やしくみはお店によってちがうので、行く前にそれぞれのお店でたしかめてくださいね。
ひとりカラオケが練習に向いている理由
大きな声を、気がねなく出せる
家やマンションでは、近所や家族に気をつかって、小さな声でしか歌えないことが多いと思います。カラオケの個室なら、ふだんの歌う声で練習できます。本番に近い声の大きさで歌えるのは、大きなよさです。
伴奏に合わせて歌える
カラオケには、たくさんの曲の伴奏が入っています。曲によっては、キー(音の高さ)やテンポ(速さ)をかえられることもあります。自分に合った高さで練習できるのは、ひとり練習ではありがたいことです。
人の目を気にしなくてよい
友だちといっしょだと、同じところを何度もくりかえしたり、うまくいかない部分を練習したりするのは、少し気がひけますよね。ひとりなら、何度失敗しても、だれにも気をつかう必要はありません。
行く前にしておきたい準備
「今日練習すること」を1つか2つ決める
ひとりカラオケでいちばん大切なのは、行く前に目的を決めておくことです。
- サビの高いところを、らくに出せるようにしたい
- 息つぎの場所を決めて、1曲を歌いきりたい
- 発表会の曲を、通して3回歌いたい
- 新しい曲を、歌詞を見ずに歌えるようにしたい
目的は、1回に1つか2つでじゅうぶんです。たくさん決めすぎると、どれも中途半端になりやすいです。
歌う曲をしぼっておく
その日に歌う曲を、3〜5曲くらいにしぼっておくと、時間をむだなくつかえます。曲えらびのコツは、こちらの記事にまとめています。カラオケで歌う曲のえらび方。自分の声に合う曲の見つけ方
持っていくと便利なもの
- 水(のどをうるおすため。常温のものがおすすめ)
- 歌詞を書いた紙やメモ(息つぎの印などを書きこむため)
- 録音できるスマホ
- イヤホン(録音を聞きかえすため)
- のどあめなど、自分がつかいなれているもの
お店によっては、飲みものの持ちこみに決まりがあることもあります。行く前にたしかめておきましょう。
1時間のつかい方の例
時間は、自分のつごうに合わせてかえてかまいません。ここでは、1時間で練習する場合の一つの例をしょうかいします。
はじめの10分 体と声の準備
部屋に入ったら、いきなり大きな声で歌い出すのではなく、体と声をほぐす時間をとりましょう。
- 肩をまわす、首をゆっくりかたむける
- 大きく息をすって、ゆっくりはく
- 口をとじて「んー」とハミングする
- 低い音から、少しずつ高い音へ声を出していく
この準備をするだけで、のどへの負担がへり、声も出しやすくなります。
つぎの10分 軽めの曲で声をならす
まずは、らくに歌える、なじみのある曲を1〜2曲歌います。声がまだかたいうちに、むずかしい曲を歌うと、のどがつかれやすくなります。
まんなかの30分 目的の練習
いちばん時間をかけたいのが、ここです。行く前に決めた目的にそって練習します。
- 苦手な部分だけを、くりかえし歌う
- キーを少し下げて歌ってから、もとの高さで歌ってみる
- テンポを少しおそくして、ことばをていねいに歌う
- 1曲通して歌い、録音する
同じ曲を何度も歌うのは、少しあきるかもしれません。でも、上達のためには、この「くりかえし」がいちばん力になります。
さいごの10分 録音を聞いて、メモをのこす
録音した歌を聞いて、気づいたことをメモしておきます。そして、さいごに好きな曲を1曲、楽しんで歌って終わりにすると、「また来たい」という気持ちで帰れます。
2時間以上のときは、休けいを入れる
2時間、3時間と長く練習するときは、とちゅうで休けいをとりましょう。
- 30分から40分ごとに、5分くらい声を休める
- 水を少しずつのむ
- 休けい中に、録音を聞きかえす
長い時間、休まずに歌いつづけると、のどがつかれてしまいます。「まだ歌える」と思うくらいで、少し休むのがちょうどよいです。
録音のすすめ
歌っている自分と、聞こえている声はちがう
歌っているとき、自分に聞こえている声は、まわりの人が聞いている声と少しちがいます。そのため、自分ではうまく歌えたつもりでも、録音を聞くと「あれ?」と思うことがよくあります。
録音した自分の声を聞いて、おどろく方はとても多いです。くわしくは、こちらの記事にまとめています。録音した自分の声がへんに聞こえるのはなぜ?自分の声とのつきあい方
録音のしかた
スマホの録音機能をつかえば、かんたんに録音できます。
- スマホは、口から少しはなれた場所に置く
- スピーカーのすぐ近くは、伴奏の音が大きくなりすぎるのでさける
- はじめに少しだけためしにとって、音の大きさをたしかめる
伴奏と歌の声のバランスがわかりやすい場所を、何度かためして見つけてみてください。
聞きかえすときのポイント
録音を聞くときは、一度に全部を直そうとしないことが大切です。
- 音の高さがずれているところはないか
- ことばがはっきり聞こえるか
- 息つぎで、歌がとぎれていないか
- 声の大きさに、強弱がついているか
この中から、1回の練習で1つだけ、気になるところをえらびます。そして、そこを意識して、もう一度歌って録音します。前の録音とくらべると、変化に気づきやすくなります。
録音を日づけごとにのこす
録音は、消さずに日づけをつけてのこしておくのがおすすめです。1か月前、3か月前の録音と聞きくらべると、自分では気づかなかった成長がわかることがあります。「前より声がまっすぐ出ている」と感じられると、練習をつづける力になります。
採点機能とのつきあい方
カラオケには、歌を点数であらわす機能がついていることがあります。音の高さやリズムが合っているかの目安になるので、練習にいかすこともできます。
ただ、点数がすべてではありません。点数が高くても、気持ちが伝わりにくい歌もあれば、点数がそれほど高くなくても、心にひびく歌もあります。点数は「練習の目安の一つ」として、気楽につきあうのがよいと思います。
のどを守るために気をつけたいこと
大きな声を出しつづけない
カラオケでは、マイクやスピーカーがあるので、むりに大きな声を出さなくても、声はしっかり聞こえます。マイクの音量を少し上げて、のどにやさしい声で歌いましょう。
かわいた空気に気をつける
カラオケの部屋は、空調で空気がかわきやすいことがあります。こまめに水をのんで、のどをうるおしてください。
痛みやかすれがあるときは休む
歌っているとちゅうで、のどに痛みを感じたら、その日は練習をやめましょう。歌い終わったあと、かすれや痛みが何日もつづくときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
ひとりカラオケと、教室のレッスンを組み合わせる
ひとりカラオケは、自由に練習できる、とてもよい場所です。ただ、自分だけでは、声の出し方のくせや、まちがったやり方に気づきにくいこともあります。
先生に見てもらうレッスンと、ひとりカラオケでの練習を組み合わせると、
- レッスンで習ったことを、カラオケでくりかえし練習できる
- カラオケで気になったことを、つぎのレッスンで先生に聞ける
- 録音を先生に聞いてもらい、アドバイスをもらえる
というように、おたがいのよさをいかせます。
まとめ
- ひとりカラオケは、大きな声で、伴奏に合わせて、気がねなく練習できる場所
- 行く前に「今日練習すること」を1つか2つ決めておく
- 1時間なら、準備10分、ならし10分、目的の練習30分、ふりかえり10分が一つの目安
- 長く歌うときは、30〜40分ごとに休けいを入れる
- 録音して聞きかえし、1回に1つだけ直すところをえらぶ
- 録音は日づけごとにのこして、成長を聞きくらべる
- のどの痛みやかすれがつづくときは、お医者さんに相談する
ひとりでの練習になれてきたら、先生に見てもらうレッスンもぜひ考えてみてください。近くの教室や、オンラインで受けられる教室は、こちらからさがせます。歌の教室さがしまた、練習した歌をだれかに聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリもおすすめです。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、ひとり練習の成果をたしかめる、よいきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ