ハモリの練習。ハモれるようになるコツと、家でできる練習
「ハモろうとすると、どうしてもメロディにつられてしまう」 「合唱で、ちがうパートを歌うのがむずかしい」
ハモリは、歌の中でも「むずかしそう」と思われやすいものの一つです。でも、ふたりの声がきれいに重なったときの気持ちよさは、ひとりで歌うときとはまたちがう楽しさがあります。
わたしは、息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールに出てきました。ソロだけでなく、ふたりで歌うデュエットや、合唱の部の歌も、たくさん聞いてきました。声がぴたりと重なった瞬間は、会場の空気がふっとかわるように感じます。
ハモリは、生まれつきの力だけで決まるものではなく、練習で少しずつなれていくことが多いものです。この記事では、ハモリのしくみと、つられないためのコツ、家でできる練習のすすめ方をまとめました。
ハモリってどんなこと?
ちがう高さの声を、同時に重ねること
ハモリは、「ハーモニー」からきたことばです。ひとりがメロディ(主旋律)を歌い、もうひとりが、ちがう高さの音を同時に歌って、声を重ねることをいいます。
よくあるハモリには、次のようなものがあります。
- メロディより、少し上の音を歌う(上ハモ)
- メロディより、少し下の音を歌う(下ハモ)
合唱では、ソプラノやアルトなど、パートに分かれて、それぞれちがう音を歌います。これも、ハモリの一つです。
3度のハモリがよくつかわれる
ハモリでよくつかわれるのが、メロディから「3つとなり」の音です。たとえば、メロディが「ド」なら、上ハモは「ミ」、下ハモは「ラ」になることが多いです。
むずかしく考えなくてだいじょうぶです。「メロディと少しはなれた音を、いっしょに歌う」くらいのイメージでかまいません。ただし、曲によってハモリの音はかわるので、楽譜や先生の指示にしたがうのがいちばんです。
ハモれないときに多い理由
メロディのほうが耳に入りやすい
ふだん、わたしたちが聞いている歌は、ほとんどがメロディです。そのため、となりでメロディが聞こえると、自然とそちらにつられてしまいます。これは、多くの人に起こることです。
自分のパートが、まだ体に入っていない
ハモリのパートを、なんとなくしかおぼえていないと、メロディが聞こえた瞬間に、わからなくなってしまいます。ハモるためには、まず自分のパートを、ひとりでしっかり歌えることが大切です。
音程がまだ安定していない
ひとつの音を、まっすぐ同じ高さでのばすのがむずかしいと、ハモリもゆれやすくなります。音程になやみがあるときは、こちらの記事もあわせて読んでみてください。子どもの歌の音程が合わないとき。おうちでできるやさしい練習
相手の声を聞く余裕がない
自分のパートを歌うことでせいいっぱいだと、相手の声を聞くことができません。ハモリは「自分の声」と「相手の声」の両方を聞いて、はじめてととのっていきます。
家でできるハモリの練習
ステップ1 メロディをしっかりおぼえる
まずは、ハモる曲のメロディを、しっかり歌えるようにしましょう。メロディがわかっていると、「自分のハモリが、メロディとどうちがうのか」がわかりやすくなります。
ステップ2 ハモリのパートだけを、ひとりで歌う
次に、ハモリのパートだけを練習します。メロディは聞かずに、ハモリだけを何度も歌って、体におぼえさせます。
- ピアノやキーボードで、ハモリの音をひきながら歌う
- ハモリのパートだけの音源があれば、それに合わせて歌う
- ゆっくりのテンポからはじめる
ここで大切なのは、「ハモリだけで、ひとつの歌として歌える」ようになることです。
ステップ3 ひとつの音で、重ねる練習をする
いきなり曲でハモろうとすると、むずかしく感じます。まずは、ひとつの音だけで重ねる練習をしてみましょう。
- 家族のだれかが「ドー」と長くのばす
- その声を聞きながら、自分は「ミー」と長くのばす
- ふたりの声がまざって、ひとつのひびきになる感じを聞く
はじめは、つられて同じ音になってしまうかもしれません。そのときは、いちど声をとめて、自分の音をたしかめてから、もう一度はじめましょう。
ひとりで練習するときは、ピアノでひとつの音をのばしながら、ちがう音を歌ってみる方法もあります。
ステップ4 かんたんな曲で、ゆっくり重ねる
ひとつの音で重ねられるようになったら、短くてかんたんな曲で練習してみましょう。童謡やわらべうたのように、メロディがシンプルな曲がおすすめです。
- テンポはゆっくり
- まずは、1フレーズだけ
- できたら、2フレーズ、3フレーズとのばしていく
ステップ5 輪唱であそぶ
輪唱は、同じメロディを、少しずつずらして歌う歌い方です。「かえるの合唱」のような歌が有名です。同じメロディなので、ハモリよりとり組みやすく、「ちがうところを歌っている人がいても、自分のパートをつづける」練習になります。
お子様と家族で楽しめるので、ハモリの入り口として、とてもおすすめです。
ステップ6 録音して、自分と重ねる
スマホのアプリの中には、自分の声を録音して、その上に重ねて録音できるものがあります。
- まず、メロディを録音する
- それを流しながら、ハモリを歌って録音する
- ふたつを重ねて聞いてみる
ひとりでもハモリの練習ができ、どこでずれているのかも聞きとりやすくなります。
つられないためのコツ
片方の耳を、かるくふさいでみる
はじめのうちは、片方の耳を手でかるくふさぐと、自分の声が聞こえやすくなり、つられにくくなることがあります。なれてきたら、手をはなして、相手の声も聞きながら歌ってみましょう。
はじめは、少しはなれて歌う
相手との距離が近いと、相手の声が大きく聞こえて、つられやすくなります。はじめは少しはなれて立ち、なれてきたら近づいてみるのもよい方法です。
「ぶつかる」のではなく「重なる」と考える
ハモリは、相手の声に勝つことではありません。おたがいの声が重なって、ひとつのひびきになることが目的です。自分の声を大きくしすぎず、相手の声とのバランスを聞きながら歌ってみてください。
声の大きさは、メロディより少しひかえめに
ハモリは、メロディをささえる役目のことが多いです。メロディより少しだけひかえめな声で歌うと、ふたりの声がなじみやすくなります。
お子様といっしょにハモリを楽しむには
小さなお子様にとって、ちがう音を同時に歌うのは、とてもむずかしいことです。むりにハモらせようとせず、まずは歌のあそびとして楽しむことを大切にしてください。
- 輪唱で、おいかけっこのように歌う
- お父様・お母様がハモリを歌い、お子様はメロディを歌う
- 「いまの声、きれいにまざったね」とことばにして伝える
お子様がメロディを歌い、大人がハモリを歌うと、お子様は自分の歌がすてきにかざられたように感じて、うれしくなることが多いです。そのうちに、ハモリのひびきにも耳がなれていきます。
合唱にきょうみがあるお子様には、こちらの記事もおすすめです。子どもの合唱団・合唱コンクールのこと。合唱で身につく力と、はじめ方
大人の方がハモリを練習するときは
大人の方は、カラオケや合唱、バンドなどで、ハモリを歌いたいという方も多いと思います。
- 好きな曲のハモリを、まずは音源でよく聞く
- ハモリのパートだけを、何度も口ずさむ
- 友だちや家族と、1フレーズだけ合わせてみる
ハモリをもっとしっかり学びたいときは、合唱団や、ボイトレの教室で習う方法もあります。先生といっしょに歌うと、自分の音がずれたときに、すぐに気づかせてもらえます。近くの教室は、こちらからさがせます。歌の教室さがし
練習で気をつけたいこと
ハモリの練習は、同じところを何度もくりかえすことが多く、気づかないうちに長い時間歌ってしまうことがあります。のどがつかれたと感じたら、休みましょう。
- 1回の練習は、短めにする
- 水を少しずつのむ
- 大きな声を出しつづけない
のどのいたみやかすれが何日も続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
まとめ
- ハモリは、ちがう高さの声を同時に重ねること
- つられるのは、多くの人に起こること。練習でなれていくことが多い
- まずはメロディ、次にハモリのパートだけを、ひとりで歌えるようにする
- ひとつの音で重ねる、輪唱であそぶ、録音で重ねるなど、段階をふんで練習する
- 片方の耳をふさぐ、少しはなれて歌うと、つられにくくなることがある
- お子様とは、むりをせず歌あそびとして楽しむ
- のどのいたみやかすれが続くときは、お医者さんに相談する
声がきれいに重なったときのよろこびは、ハモリならではのものです。家族や友だちと練習した歌を、だれかに聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリものぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、練習の成果をふりかえるきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ