ゴスペルをはじめたい。初心者でも楽しめる歌い方と、参加のしかた
「ゴスペルって、楽しそう。でも、初心者でもついていけるのかな」 「ゴスペルを習ってみたいけれど、どこで、どうやってはじめればいいのか、わからない」
テレビや映画で、大ぜいの人が手をたたきながら、声を合わせて歌うすがたを見て、ゴスペルにあこがれる方は多いと思います。体ぜんたいで歌う、あの明るいふんいきは、見ているだけでも元気が出ますよね。
わたしは、息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールに出てきました。いろいろな歌にふれてきて感じるのは、歌は、ジャンルによって楽しみ方がずいぶんちがうということです。ゴスペルは、その中でも「みんなで歌うよろこび」をとくに感じやすい歌だと思います。
この記事では、ゴスペル初心者の方に向けて、ゴスペルのかんたんな成り立ち、歌い方のコツ、そしてゴスペルを習う場所や参加のしかたを、やさしくお話しします。
ゴスペルとは?かんたんな成り立ち
もとは教会で歌われてきた歌
ゴスペルは、アメリカのアフリカ系の人たちの教会で歌われてきた音楽が、もとになっています。それより前には「霊歌(スピリチュアル)」とよばれる歌があり、つらいくらしの中で、なかまと声を合わせて歌いつがれてきました。たとえば「Swing Low, Sweet Chariot」は、古い霊歌として知られています。
そうした歌が、時代とともにリズムや楽器の音をとり入れて、いまのゴスペルの形になっていきました。
いまは、いろいろな人が楽しんでいる
もとは教会の歌ですが、いまの日本では、音楽として楽しむ人もたくさんいます。信じている宗教に関係なく参加できる教室やクワイア(合唱のグループ)も多くあります。
ただ、グループによって考え方はさまざまです。教会の活動として歌っているところもあれば、音楽を楽しむことが中心のところもあります。気になる方は、参加する前にたずねておくと安心です。
ゴスペルが初心者に向いている理由
楽譜が読めなくても、耳で覚えられることが多い
ゴスペルは、もともと口づたえで歌いつがれてきた歌です。そのため、いまでも先生が歌ってみせて、それをまねして覚えるやり方をしている教室が多いです。楽譜を読むのがにがてな方でも、はじめやすいと思います。
大ぜいで歌うので、声が目立ちにくい
ひとりで歌うのははずかしい、という方もいますよね。ゴスペルは、何人もの人がいっしょに歌うので、自分の声だけが聞こえることは、あまりありません。まわりの声にささえられながら、少しずつ声を出していけます。
上手さよりも「気持ち」が大事にされる
ゴスペルでは、きれいな声で正しく歌うことよりも、心から楽しんで歌うことが大事にされることが多いです。体をゆらしたり、手をたたいたり、笑顔で歌ったり。その自由さが、初心者の方にとって入りやすいところです。
ゴスペルの歌い方のコツ
体をゆらして、リズムを感じる
ゴスペルは、体でリズムを感じることがとても大切です。立ったまま、右・左と足をふみかえるように体をゆらしてみましょう。体が動くと、ふしぎと声も前に出やすくなります。
はじめは、まわりの人の動きをまねするだけで、じゅうぶんです。
手拍子は「2拍目と4拍目」
ゴスペルの手拍子は、「1、2、3、4」と数えたときの、2と4でたたくことが多いです。「いち、パン、さん、パン」というイメージです。
日本の歌では1と3でたたくことが多いので、はじめはとまどうかもしれません。でも、なれてくると、はずむようなノリが体に入ってきます。リズムをとる練習は、こちらの記事も参考にしてみてください。リズム感をよくする歌の練習。子どもも大人もできる手拍子・メトロノーム練習
コール&レスポンスを楽しむ
ゴスペルには、リードの人が歌ったフレーズに、みんなが答えるように歌う「コール&レスポンス」という形がよく出てきます。
- リードが歌う
- みんなが同じことば、または決まったことばで答える
- これをくりかえして、少しずつもり上がっていく
答える部分は、短くてくりかえしが多いので、初心者の方でもすぐに歌えるようになります。
口を大きく、ことばをはっきり
英語の歌も多いので、ことばに自信がない方もいると思います。はじめは、ことばの意味やこまかい発音より、口を大きく開けて、はっきり歌うことを大事にしてみましょう。先生がカタカナで読み方を教えてくれる教室もあります。
大きな声を出しすぎない
ゴスペルは、力強く歌うイメージがありますよね。でも、のどに力を入れてさけぶように歌うと、のどがつかれてしまいます。
- おなかのまわりから息をおくるイメージで歌う
- 声が出にくい日は、少し小さめの声でいい
- のどがいたくなったら、その日は休む
痛みやかすれが何日も続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
ゴスペルのパートについて
3つのパートに分かれることが多い
ゴスペルのクワイアでは、声の高さによって、3つくらいのパートに分かれることが多いです。
- ソプラノ(高い声)
- アルト(まん中の声)
- テナー(低めの声。男性が入ることが多い)
グループによって分け方はちがいます。自分がどのパートか分からなくても、先生が声を聞いて決めてくれることが多いので、安心してください。
ハモる楽しさ
ちがう高さの声が重なると、ひとりでは出せない、ゆたかなひびきが生まれます。これがゴスペルの大きな楽しみのひとつです。はじめは自分のパートを覚えるだけでせいいっぱいかもしれませんが、なれてくると、まわりの声との重なりを感じられるようになります。
ゴスペルを習う場所と参加のしかた
ゴスペルの教室・スクール
歌の教室の中には、ゴスペルのクラスを開いているところがあります。決まった曜日に通うグループレッスンの形が多く、発声から教えてくれることもあります。
地域のクワイア・サークル
地域の人たちが集まって活動しているクワイアやサークルもあります。公民館などで練習していることが多く、教室よりも気軽に参加できるところもあります。
教会のクワイア
教会の中には、ゴスペルのクワイアがあるところもあります。教会の活動として歌っていることが多いので、参加するときは、どんな集まりなのかをたずねておくとよいでしょう。
ワークショップ・1日体験
いきなり通うのが不安な方には、1日だけのワークショップや体験会もおすすめです。数時間で1曲を覚えて歌う、という形が多く、ゴスペルのふんいきを知るのにぴったりです。
参加する前に、たしかめておきたいこと
聞いておきたいこと
- 初心者でも参加できるか
- 楽譜を読む必要があるか
- 月に何回、どのくらいの時間の練習か
- 発表会やイベントに出る機会はあるか
- 衣装やイベントの費用はどうなっているか
- 宗教の活動とのかかわりはあるか
回数や費用は、教室やグループによってちがいます。わからないことは、えんりょせずに聞いてみましょう。
見学や体験でたしかめたいこと
- ふんいきが自分に合っているか
- 先生の教え方がわかりやすいか
- 初心者へのフォローがあるか
- 続けて通えそうな場所と時間か
その日のうちに決めなくても、だいじょうぶです。いくつか見学してから決める方も多いです。
家でできるゴスペルの練習
好きなゴスペルをたくさん聞く
まずは、いろいろなゴスペルを聞いてみましょう。ゆったりした歌、はずむような歌など、ゴスペルにもいろいろなふんいきがあります。聞きながら、2拍目と4拍目で手をたたいてみるのもよい練習になります。
習った歌を、小さめの声でくりかえす
教室で習った歌は、家で小さめの声でくりかえしてみましょう。大きな声が出しにくいときは、ハミングでメロディーをたどるだけでもかまいません。
録音して聞いてみる
練習のときにスマホで録音して、あとで聞いてみると、リズムがずれているところや、ことばが聞きとりにくいところに気づきやすくなります。
まとめ
- ゴスペルは、教会で歌われてきた歌がもとになった音楽。いまは宗教に関係なく楽しむ人も多い
- 耳で覚える教え方が多く、楽譜が読めなくても、はじめやすい
- 体をゆらす、2拍目と4拍目の手拍子、コール&レスポンスがポイント
- のどに力を入れすぎず、痛みやかすれが続くときはお医者さんに相談する
- 教室、地域のクワイア、教会、ワークショップなど、参加のしかたはいろいろ
- 参加する前に、回数や費用、活動の内容をたしかめておく
ゴスペルは、上手さよりも、みんなで声を合わせる楽しさを大切にできる歌です。まずは、通いやすい教室やクワイアをさがして、見学や体験に行ってみてください。歌の教室さがし大人の方が合唱をはじめるときのポイントは、こちらの記事にもまとめています。大人の合唱団・コーラスのはじめ方|見学のしかた、パートの決まり方、長くつづけるコツまた、歌ってきた成果をだれかに聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリものぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由なので、ゴスペルでも出られます。講評とデジタル賞状がとどくので、自分の歌のよいところを知るきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ