子どもの習い事の方針が夫婦でちがうとき。歌の習い事を話し合うコツ
「歌を習わせたいけれど、パートナーは乗り気ではない」 「コンクールに出したいわたしと、楽しく歌えればいいという相手で、話がかみ合わない」
子どもの習い事について、夫婦で意見が違うこともあります。どちらもお子様のことを考えているからこそ、意見がぶつかってしまうこともあります。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、子どもの習い事の方針が夫婦でちがうときに、歌の習い事を例にして、どう話し合っていけばよいかを考えます。どちらかが正しくて、どちらかがまちがっている、という話ではありません。おたがいの考えを大切にしながら、お子様にとってよい形をさがすためのヒントをまとめました。
習い事で夫婦の意見が違うのは、しぜんなこと
それぞれが育ってきた環境がちがう
お父様とお母様は、それぞれちがう家で、ちがう経験をしながら育ってきました。
- 習い事をたくさんして、よかったと感じている
- 習い事をさせられて、つらかった思い出がある
- 音楽にふれる機会が身近にあった
- 音楽より、運動や勉強を大切にする家だった
こうした経験は、「習い事はこうあるべき」という考えに、しぜんとつながっていきます。意見がちがうのは、どちらかが子どものことを考えていないからではなく、見てきたものがちがうから、ということもあります。
どちらも、お子様の幸せを願っている
「習わせたい」という気持ちも、「まだ早い」「むりにさせたくない」という気持ちも、根っこにはお子様への思いがあります。話し合いのはじめに、このことをおたがいに確かめておくと、言い合いになりにくくなります。
歌の習い事で、夫婦の意見がわかれやすいところ
歌の習い事では、たとえばこんなところで方針がわかれることがあります。
習うかどうか、いつから始めるか
「本人が歌が好きなら習わせたい」という考えと、「もう少し大きくなってから」「ほかの習い事を優先したい」という考えがぶつかることがあります。
どこまで本格的にするか
- 楽しく歌えればじゅうぶん
- 発表会には出てみたい
- コンクールにも挑戦させたい
- 将来、音楽の道も考えたい
どこを目指すかによって、教室えらびや練習のしかたもかわってきます。ここで考えがずれていると、あとから「そこまでするとは思わなかった」となりやすいところです。
費用と時間
月謝のほかにも、発表会やコンクールの参加費、衣装、移動のための費用がかかることがあります。また、送りむかえや練習の付きそいなど、家族の時間もつかいます。どこまでかけられるかは、ご家庭によってちがいます。
費用のことでなやむときは、こちらの記事もあわせて読んでみてください。歌の習い事の費用をおさえる工夫。声楽やボイトレを、むりなくつづけるための考え方
ほかの習い事や勉強とのバランス
すでにほかの習い事をしているときや、勉強の時間を大切にしたいときは、歌の習い事をどう組みこむかで意見がわかれることがあります。かけもちの考え方は、こちらにまとめています。歌とほかの習い事のかけもち。小学生が無理なくつづけるスケジュールの考え方
話し合いの前にしておきたいこと
自分の考えを、理由といっしょに整理する
「なんとなく習わせたい」「なんとなく反対」のままだと、話し合いがすすみにくくなります。話す前に、自分の考えと、その理由を書き出してみてください。
- なぜ習わせたいのか(または、なぜ迷っているのか)
- いちばん心配なことは何か
- ゆずれることと、ゆずれないことは何か
書き出してみると、自分でも気づいていなかった本当の心配が見えてくることがあります。
相手の考えを、まず聞く
話し合いでは、自分の考えを伝える前に、相手の考えを聞くことから始めると、おだやかにすすみやすくなります。
「どうして、そう思うの?」と、理由をたずねてみてください。反対の理由が「お金が心配」なのか、「子どもがつかれないか心配」なのかで、話し合うことはかわってきます。
話すタイミングをえらぶ
つかれているときや、いそがしい時間に大事な話をすると、つい言い方がきつくなってしまいます。お子様がねたあとなど、おたがいに落ちついて話せる時間をえらびましょう。
夫婦で歌の習い事を話し合うコツ
お子様の気持ちを、話のまん中におく
夫婦の意見がちがうときこそ、お子様がどう思っているかを大切にしたいところです。
- 歌うことが好きか
- 習ってみたいと言っているか
- いまの毎日に、つかれていないか
お子様の気持ちを聞いてから話し合うと、「わたしの考え」と「あなたの考え」のぶつかり合いではなく、「この子にとってどうか」という話にしやすくなります。ただし、お子様に「お父さんとお母さん、どっちの考えがいい?」と選ばせるのはさけましょう。お子様が板ばさみになってしまうことがあります。
いっしょに体験レッスンに行ってみる
ことばだけで話し合っていても、イメージがずれたままのことがあります。できれば、お父様・お母様のふたりで体験レッスンや教室の見学に行ってみてください。
先生の教え方や、お子様が楽しそうに歌うすがたを、同じ目で見ることで、話し合いがすすむこともあります。近くの教室は、こちらからさがせます。歌の教室さがし
「お試しの期間」をきめる
どうしても意見がまとまらないときは、まず、しばらく続けてみて、そのあとでもう一度話し合う、という方法もあります。
- いつ、もう一度話し合うかを、さいしょにきめておく
- そのときに、お子様のようすをいっしょにふりかえる
- 続けるか、やめるか、形をかえるかを、そこで考える
はじめから「ずっと続ける」ときめなくてもよいと思えると、反対していた側も受け入れやすくなることがあります。
役わりをわける
送りむかえ、練習の付きそい、先生との連絡など、歌の習い事にはいろいろな役わりがあります。どちらかひとりに負担がかたよると、不満がたまりやすくなります。
「送りむかえはわたし、発表会の日の予定はあなた」のように、できることをわけておくと、ふたりで習い事を支えている気持ちになりやすくなります。
お子様の前で言い争わない
方針のちがいを、お子様の前で強く言い合うのはさけたいところです。お子様は「自分のせいでけんかしている」と感じてしまうことがあります。
話し合いはおとなどうしで行い、きまったことを、ふたりからお子様に伝えるようにすると、お子様も安心しやすくなります。
話し合いで使いやすいことば
意見がちがうときは、ことばのえらび方ひとつで、話し合いのふんいきがかわります。
使いやすいことばの例 - 「あなたは、どこがいちばん気になる?」 - 「その心配は、たしかにそうだね」 - 「わたしは、こういう理由で習わせたいと思っている」 - 「まずは、この子のようすを見てからきめようか」
さけたいことばの例 - 「あなたは、子どものことをわかっていない」 - 「どうせ、反対するんでしょう」 - 「わたしがきめるから、口を出さないで」
相手の考えを否定するのではなく、「あなたはそう思うんだね」と、いったん受けとめることが大切です。そのうえで、自分の考えを「わたしは」から始めて伝えると、責めているように聞こえにくくなります。
話がまとまらない日は、むりに結論を出さない
一度の話し合いで、きめなくてもかまいません。「今日はここまでにして、またつづきを話そう」と区切ることも、大切な話し合いの方法です。時間をおくことで、おたがいの考えが少しやわらぐこともあります。
意見がまとまったあとも、ときどき見直す
習い事の方針は、一度きめたら終わりではありません。お子様の成長や、ご家庭の状況によって、合う形はかわっていきます。
- お子様が「もっと歌いたい」と言いはじめた
- 学校がいそがしくなってきた
- コンクールに出てみたいと言いはじめた
- 歌うことが、少し負担になっているようだ
こうした変化があったときは、また夫婦で話し合ってみてください。お子様が「やめたい」と言ったときの向き合い方は、こちらの記事にまとめています。「歌をやめたい」と言われたら。すぐに答えを出さない、親の向き合い方
まとめ
- 習い事で夫婦の意見が違うのは、育ってきた環境がちがうからということもある
- どちらの考えも、お子様への思いから出ている
- 歌の習い事では、習うかどうか、どこまで本格的にするか、費用と時間などで意見がわかれやすい
- 話し合いの前に、自分の考えと理由を整理し、相手の考えをまず聞く
- お子様の気持ちを話のまん中におき、選ばせることはさける
- いっしょに体験に行く、お試しの期間をきめる、役わりをわける
- きめたあとも、お子様のようすを見て、ときどき見直す
夫婦でお子様の歌を見守るなかで、ふたりでいっしょに応援できる目標があると、話し合いのきっかけになることもあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ