歌の練習でイヤホン・ヘッドホンを使うコツ。音量・片耳・録音との組み合わせ方
「夜は大きな音が出せないから、イヤホンで伴奏を聞きながら歌の練習をしている」 「ヘッドホンをして歌うと、なんだか音がずれている気がする」
歌の練習でイヤホンやヘッドホンを使う方は、とても多いと思います。家族やとなりの部屋を気にせずに伴奏が聞けるので、とても便利な道具です。ただ、使い方によっては、自分の声が聞こえにくくなったり、耳がつかれたりすることもあります。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、歌の練習でイヤホン・ヘッドホンを使うときのコツと、気をつけたいことをまとめました。音量のこと、片耳だけ外して歌う方法、録音との組み合わせ方、お子様が使うときの注意まで、順番にお話しします。
歌の練習でイヤホン・ヘッドホンを使うよいところ
まわりを気にせず伴奏が聞ける
いちばんのよいところは、伴奏の音を外に出さずにすむことです。夜や早朝、家族がねている時間でも、伴奏を聞きながら練習ができます。
声そのものは外に出ますが、伴奏の音がないだけでも、まわりへの気づかいはかなりへります。家で声を出すときの工夫は、こちらの記事にもまとめています。歌の練習の防音、アパートでもできる工夫。お部屋の中でできることと、防音グッズの考え方
細かい音まで聞きとりやすい
イヤホンやヘッドホンで聞くと、スピーカーで聞くより、伴奏の細かい音が聞きとりやすくなります。
- 前奏の終わり方や、歌いはじめのきっかけ
- 伴奏のリズムのきざみ
- 声のうしろでなっている和音の動き
こうした音をよく聞いておくと、歌いはじめがそろいやすくなったり、リズムがくずれにくくなったりします。
集中しやすい
耳をおおうと、まわりの音が入りにくくなるので、歌に気持ちを向けやすくなります。短い時間で集中して練習したいときにも向いています。
イヤホンをして歌うと、音がずれやすいのはなぜ?
自分の声が聞こえにくくなる
両耳をしっかりふさぐと、伴奏は大きく聞こえるのに、自分の声は小さく聞こえます。すると、声が聞こえないぶん、思ったより大きな声を出してしまったり、音の高さがずれていることに気づきにくくなったりします。
カラオケでマイクの音が聞こえにくいと歌いにくいのと、少しにています。歌は「自分の声を聞きながら、高さを合わせていく」ものなので、自分の声が聞こえる工夫が大切です。
声が体の中でこもって聞こえる
耳をふさぐと、自分の声が頭の中にこもったように聞こえることがあります。ふだんの聞こえ方とちがうので、「今日は声が出ていない」と感じて、のどに力が入ってしまう方もいます。
伴奏とのタイミングが少しずれることがある
コードのないイヤホンなどでは、使う道具によって、音がとどくのがほんの少しおくれることがあるといわれています。ふだん音楽を聞くだけなら気にならなくても、伴奏に合わせて歌うときには、「なんとなくリズムが合わない」と感じることがあります。気になるときは、コードでつなぐタイプをためしてみるのも1つの方法です。
片耳だけ外して歌うコツ
片方は伴奏、片方は自分の声
いちばんかんたんな工夫は、イヤホンを片耳だけ外して歌うことです。片方の耳で伴奏を聞き、もう片方の耳で自分の声を聞きます。
- 伴奏は、外していないほうの耳で聞く
- 自分の声は、外したほうの耳で聞く
- 伴奏の音量は、自分の声とつり合うくらいにする
こうすると、伴奏に合わせながら、自分の声の高さもたしかめやすくなります。
ヘッドホンなら、片側を少しずらす
ヘッドホンの場合は、片側だけ耳から少しずらしてかけます。耳の上や、うしろのほうにずらすと、自分の声が聞こえやすくなります。
手で耳のうしろをかこむのもおすすめ
外したほうの耳のうしろに、手のひらを軽くあてて、耳をかこむようにしてみてください。自分の声がよく返ってきて、高さを聞きとりやすくなります。音程に自信がない方は、ぜひためしてみてください。
左右をときどき入れかえる
いつも同じ耳で伴奏を聞いていると、片方の耳ばかりつかれることがあります。1曲ごとや、10分ごとなど、ときどき左右を入れかえると、耳への負担をへらしやすくなります。
音量の考え方と、耳を守るための注意
音量はひかえめに
歌の練習では、伴奏をくり返し聞きます。そのため、ふだん音楽を聞くときよりも、耳を使う時間が長くなりがちです。
- 伴奏の音量は、ひかえめにする
- 「少し小さいかな」と思うくらいからはじめる
- まわりの人の話し声が、少し聞こえるくらいを目安にする
音が大きいほうが歌いやすく感じることもありますが、大きな音で長く聞きつづけるのは、耳にとってよくないといわれています。
時間を決めて、耳を休ませる
長い時間つけっぱなしにせず、ときどき外して耳を休ませましょう。
- 20分から30分ごとに、一度外す
- 外しているあいだは、伴奏なしで歌ってみる
- 水をのんで、のども休める
伴奏なしで歌うと、自分の声だけに集中できるので、練習としてもよい時間になります。
耳に違和感があったら
イヤホンやヘッドホンを使ったあとに、耳がつまった感じがする、キーンという音が続く、聞こえにくいと感じるときは、使うのをやめて耳を休ませてください。違和感が続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
清潔にたもつ
耳に直接ふれる道具なので、ときどきふいて、清潔にしておきましょう。家族で使い回すときは、とくに気をつけたいところです。
録音との組み合わせ方
イヤホンで伴奏、スマホで声を録音
イヤホンで伴奏を聞きながら歌い、その声だけをスマホなどで録音する方法があります。あとで聞き返すと、伴奏と合わせていたときには気づかなかったことが見えてきます。
- 音の高さがずれているところ
- 息つぎで声がとぎれているところ
- ことばが聞きとりにくいところ
ただ、この方法だと、録音には自分の声しか入りません。リズムが合っていたかどうかは、わかりにくいことがあります。
片耳を外して、伴奏ごと録音する
伴奏と声のバランスも聞きたいときは、伴奏をスピーカーから小さく流して、声といっしょに録音してみましょう。夜でなければ、こちらのほうが本番に近い形で聞き返せます。
聞き返すときこそイヤホン・ヘッドホン
録音を聞き返すときは、イヤホンやヘッドホンがとても役に立ちます。小さな音のゆれや、息の音まで聞きとりやすくなります。録音した声のチェックのしかたは、こちらの記事にくわしくまとめています。自分の歌は上手い?録音でできるセルフ診断のしかたとチェック項目
練習の流れの例
- 伴奏をイヤホンで聞いて、メロディーを頭に入れる
- 片耳を外して、伴奏に合わせて歌う
- イヤホンを外して、伴奏なしで歌ってみる
- 声を録音して、イヤホンで聞き返す
- 気になったところだけ、もう一度歌う
このように、イヤホンを「つける時間」と「外す時間」を分けると、耳も休まり、練習のめりはりもつきます。
お子様がイヤホン・ヘッドホンで練習するとき
音量はお父様・お母様がたしかめる
お子様は、音が大きくても、自分では気づかないことがあります。はじめはお父様・お母様が音量をたしかめて、ひかえめにしてあげてください。
長い時間つけっぱなしにしない
お子様の練習は、短い時間で区切るのがおすすめです。「1曲歌ったら外す」など、わかりやすい約束にすると守りやすくなります。
ときどき、声を聞いてあげる
イヤホンをしていると、お子様は自分の声の大きさがわかりにくくなります。思ったより大きな声を出していたり、のどに力が入っていたりすることもあります。ときどきそばで聞いて、「いまの声、やさしくてよかったね」などと声をかけてあげてください。
のどのようすにも気をつける
声が聞こえにくいぶん、がんばって声を出しすぎてしまうことがあります。声がかれる、のどが痛いと言うときは、練習をお休みしましょう。続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
イヤホン・ヘッドホンを使う練習で、よくあるなやみ
外すと歌えなくなる
イヤホンで伴奏を大きく聞くことになれると、外したときに歌いにくく感じることがあります。本番では、ステージのスピーカーやピアノの音を聞いて歌います。ときどきはスピーカーから伴奏を流して、耳をふさがずに歌う練習もしておきましょう。
録音を聞くと、思っていた声とちがう
イヤホンをしているときに聞こえる声と、録音した声は、かなりちがって聞こえます。これは多くの人が感じることなので、心配しなくてだいじょうぶです。録音の声を「外の人に聞こえている声」と考えて、少しずつなれていきましょう。
まとめ
- イヤホン・ヘッドホンは、伴奏を外に出さずに練習できる便利な道具
- 両耳をふさぐと自分の声が聞こえにくく、音がずれやすくなる
- 片耳だけ外す、ヘッドホンを少しずらすと、自分の声を聞きながら歌える
- 音量はひかえめにして、20分から30分ごとに耳を休ませる
- 耳に違和感があればやめて、続くときはお医者さんに相談する
- 録音とくみ合わせて、聞き返すときにもイヤホンを使う
- お子様が使うときは、音量と時間をお父様・お母様が見守る
イヤホン・ヘッドホンは、上手に使えば、家での練習の心強い味方になります。耳とのどを大切にしながら、少しずつ練習を重ねていきましょう。家での練習の成果をだれかに聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリもぜひのぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、つぎの練習の目標も見つけやすくなると思います。こどもの歌声グランプリ