中学生男子のボイトレ。声変わりの時期に知っておきたい、歌と発声のコツ
「急に高い声が出なくなった」 「歌っていると、声がひっくりかえってしまう」 「合唱で、どのパートを歌えばいいのかわからない」
中学生の男子は、声がとても大きくかわる時期をむかえます。小学生のころは高い声で気持ちよく歌えていたのに、ある日から思うように声が出なくなって、とまどっている人もいるかもしれません。
わたしの息子は、いま小学生です。まだ声変わりはしていませんが、息子といっしょに出てきたコンクールや教室では、声変わりの時期にさしかかった年上のお友だちが、なやんでいる姿を近くで見てきました。そのたびに、声がかわる時期は、本人にとってとても大きなできごとなのだと感じてきました。
この記事では、声変わりの時期をむかえた中学生男子のみなさんに向けて、歌と発声で気をつけたいことをまとめます。お父様・お母様にも、読んでいただけたらうれしいです。
声変わりで、何がおきているの?
声変わりは、体が大人になっていくとちゅうでおきる、自然な変化です。のどの中で声をつくっているところが大きくなって、声が低くなっていきます。
声変わりの時期には、こんなことがおきやすいです。
- 高い声が、急に出にくくなる
- 声がかすれたり、ひっくりかえったりする
- 話し声が、日によってちがう
- 歌うと、すぐにのどがつかれる
- 自分の声に、なじめない気がする
声変わりが始まる時期や、どれくらいつづくかは、人によってちがいます。早い人もいれば、ゆっくりの人もいます。友だちとくらべて、あせる必要はありません。
声変わりについては、こちらの記事でもくわしく書いています。声がわりの時期の男の子と歌。続けていい?気をつけたいこと
高い声が出ないときは、どうすればいい?
むりに出そうとしない
声変わりの時期に、いちばん気をつけたいのは、出にくい高い声を、むりに出しつづけないことです。
前は出ていた音だからと、力をこめて出そうとすると、のどに大きな負担がかかります。高い声が出にくいときは、「いまはそういう時期なんだ」と受けとめて、出しやすい高さで歌いましょう。
「らくに出る高さ」を知る
まずは、自分がいま、らくに出せる高さをさがしてみましょう。
- ふだん話している声の高さで、好きな歌を口ずさむ
- 「らくに出る」「少し苦しい」と感じるところをメモする
- その日によってかわることも、知っておく
声変わりの時期は、日によって出せる高さがかわることもあります。きのうは出たのに、きょうは出ない。そんな日があっても、気にしなくてだいじょうぶです。
声がかすれる、ひっくりかえるとき
声がひっくりかえるのは、低い声と高い声の切りかわりが、まだ安定していないからです。はずかしいと思うかもしれませんが、声変わりの時期には、よくあることです。
- 大きな声を出しすぎない
- 声がかすれている日は、歌う量をへらす
- ハミングなど、やさしい声で練習する
- こまめに水をのむ
声のかすれが長くつづく、のどのいたみがある、話すのもつらいといったときは、がまんしないで耳鼻科で相談してください。のどの状態を見てもらうと、安心して歌をつづけられます。
合唱のパートはどうする?
中学校では、合唱コンクールや音楽の授業で、パートに分かれて歌うことが多いと思います。声変わりの時期は、どのパートを歌えばいいのか、まよう人もいるかもしれません。
| 声のようす | 考えられること |
|---|---|
| まだ高い声がらくに出る | 高いパートを歌えることもある |
| 声がかわりはじめて、高い声が出にくい | 低めのパートが合うこともある |
| 声がとても安定しない | 先生に相談して、出しやすい音で歌う |
パートは、自分ひとりで決めずに、音楽の先生に相談するのがいちばんです。声変わりの時期の生徒を、たくさん見てきている先生も多いと思います。「高い声が出にくくなった」と、正直に伝えてみてください。
合唱では、まわりの声を聞きながら歌うことで、自分の声をむりにはり上げずにすむこともあります。
好きな歌は、キーを下げて歌っていい
好きなアーティストの歌を歌いたいのに、原曲のキーが高すぎて歌えない。声変わりの時期には、よくあるなやみです。
そんなときは、キーを下げて歌ってみましょう。
- カラオケのキー変更で、自分に合う高さにする
- 1オクターブ下で歌ってみる
- 練習用の音源を、キーをかえて用意する
キーを下げることは、まったくはずかしいことではありません。自分の声に合った高さで歌うほうが、声もよくひびき、気持ちをこめて歌えます。
声変わりが落ちついてくると、新しい自分の声で歌える歌が、どんどんふえていきます。低い声には、低い声にしか出せない、すてきなひびきがあります。
のどを休めることも、練習のひとつ
のどを休めるコツ
- 歌ったあとは、しばらく話す量もへらす
- 部活で大きな声を出した日は、歌の練習をひかえめにする
- よくねむる
- 部屋がかわきすぎないようにする
- 冷たすぎない水を、こまめにのむ
運動部で、かけ声をたくさん出している人は、のどがつかれやすいこともあります。歌の練習と部活の両方をがんばっている人は、とくにのどを休める日をつくりましょう。
やさしい発声練習
声変わりの時期でも、むりのない練習ならつづけられます。
- 口をとじて「んー」とハミングする
- くちびるを「ぶるぶる」とふるわせながら、声を出す
- 細く長く、「すー」と息をはく
- 話す声の高さで、ゆっくり歌う
息を止めたり、力んだりせず、らくにつづけられる長さでおこないましょう。どの練習も、のどがいたいときや、くらっとしたときはお休みしてください。
ボイトレを習うなら
声変わりの時期に、ボイトレを習ってみたいと思う人もいるかもしれません。習うときは、声変わりのことをわかってくれる先生をえらぶと安心です。
- 声変わりについて、相談できる先生か
- むりに高い声を出させないか
- その日の声に合わせて、練習をかえてくれるか
- 好きな歌を歌いたい気持ちを、大切にしてくれるか
中学生のボイトレ全体については、こちらの記事にまとめています。中学生のボイトレ。歌を習う前に知っておきたい、声変わり・部活・好きな歌とのつきあい方
よくある質問
声変わりの時期は、歌うのをやめたほうがいい?
かならずしも、やめる必要はありません。らくに出せる高さで、短い時間歌うぶんには、楽しくつづけられることも多いです。ただし、のどがいたいときや、声がかすれているときはお休みしてください。
声変わりが終わったら、また高い声は出る?
声変わりのあとは、声の高さそのものがかわるので、小学生のころと同じ高さにもどるわけではありません。でも、練習をつづけるうちに、新しい声で出せる高さが少しずつ安定してくることもあります。あせらず、いまの声と長くつきあっていきましょう。
友だちより声変わりがおそいのが気になる
声変わりの時期は、人によって大きくちがいます。早い、おそいで、歌の上手さが決まるわけではありません。気になるときは、学校の先生や、かかりつけのお医者さんに聞いてみると安心です。
お父様・お母様へ
声変わりの時期の男の子は、自分の声に自信をなくしやすいものです。家族からの何気ないひとことが、心にのこることもあります。
- 声がかわったことを、からかわない
- 「へんな声」と言わない
- 歌うのをやめたいと言っても、責めない
- かすれやいたみが長くつづくときは、耳鼻科につれていく
声変わりは、いつか落ちつきます。そのときに「また歌いたい」と思えるように、あたたかく見守っていただけたらと思います。
まとめ
- 声変わりは、体が大人になるとちゅうの自然な変化
- 高い声は、むりに出さない。らくに出る高さで歌う
- 声がひっくりかえるのは、よくあること。はずかしくない
- 合唱のパートは、音楽の先生に相談する
- 好きな歌は、キーを下げて歌っていい
- のどを休めることも、大切な練習のひとつ
- かすれやいたみが長くつづくときは、耳鼻科で相談する
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