カンツォーネを歌ってみたい。カンツォーネとは?明るいイタリアの歌の歌い方と楽しみ方
「カンツォーネって、よく聞くけれど、どんな歌のことなの?」 「明るいイタリアの歌を、気持ちよく歌ってみたい」
カンツォーネは、太陽の光のように明るく、のびやかな歌が多いことで知られています。声楽を習っている方はもちろん、歌が好きな大人の方にも、ファンの多いジャンルです。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、カンツォーネとはどんな歌なのかをやさしく説明したうえで、カンツォーネの歌い方のコツや、イタリア語の歌を歌うときのポイント、はじめての方の楽しみ方をまとめました。
カンツォーネとは?
イタリア語で「歌」という意味
カンツォーネは、イタリア語で「歌」という意味のことばです。イタリアでは、歌全体を広くさすことばとして使われています。
日本で「カンツォーネ」というときは、多くの場合、次のような歌をさしています。
- ナポリの町で生まれ、歌いつがれてきた「ナポリ民謡(カンツォーネ・ナポレターナ)」
- イタリアで親しまれてきた、ポピュラーな歌
- 声楽の発表会などで歌われる、イタリアの明るい歌
とくに、ナポリの歌は、日本でもむかしから親しまれてきました。
よく知られている古い歌
カンツォーネの中でも、世界中で歌われている古い歌があります。
たとえば、ディ・カープアが作曲した「オー・ソレ・ミオ」は、カンツォーネの代表のように言われることが多い歌です。イタリア語で「わたしの太陽」という意味の題名で、明るくのびやかなメロディが特ちょうです。
また、エルネスト・デ・クルティスが作曲した「帰れソレントへ」も、よく知られたナポリの歌です。海辺の町を思いうかべるような、少しせつなさのあるメロディが魅力です。
どちらも、テノール歌手が歌う姿を思いうかべる方も多いと思いますが、女性が歌うことも多く、キーをかえて楽しまれています。
声楽の「イタリア歌曲」とのちがい
声楽を習っていると、「イタリア歌曲」ということばも聞くと思います。イタリア歌曲は、声楽のレッスンでよく使われる、古い時代の歌や、芸術的な歌をさすことが多いです。
カンツォーネは、それにくらべて、町の人たちが口ずさんできたような、親しみやすい歌が多いといわれます。ただ、はっきりと線が引かれているわけではなく、声楽の発表会でカンツォーネが歌われることもよくあります。
カンツォーネの歌い方のコツ
明るい表情で、声を前に
カンツォーネの魅力は、なんといっても、その明るさです。歌うときは、表情も明るくしてみましょう。
- 口角を少し上げる
- 目を少し大きくひらき、遠くを見るようにする
- ほおを軽く持ち上げるイメージをもつ
表情が明るくなると、声のひびきも明るくなりやすいです。声を、顔の前のほうへ、まっすぐ届けるようなイメージで歌ってみてください。
メロディを、大きくなめらかにつなぐ
カンツォーネは、長くのびやかなフレーズが多い歌です。ことばをひとつずつ区切るのではなく、メロディを1本の線のように、なめらかにつないで歌うことが大切です。
- 息つぎの場所を、先に決めておく
- 1つのフレーズを、ひと息で歌うつもりで
- 音がかわるところでも、声がとぎれないようにつなぐ
息が続かないときは、むりをせず、息つぎの場所をふやしてもかまいません。
のばす音は、しっかりひびかせる
カンツォーネには、気持ちよく長くのばす音がよく出てきます。のばす音では、声がほそくならないように、おなかのまわりで息をささえるイメージをもちましょう。
ただし、力を入れすぎると、のどがかたくなってしまいます。体は楽にしたまま、息の流れを止めないことが大切です。
気持ちを、少し大げさに
カンツォーネは、うれしさ、恋しさ、ふるさとを思う気持ちなど、気持ちをたっぷり表す歌が多いです。日本の歌よりも、少しだけ大げさに表すくらいが、ちょうどよいこともあります。
- 盛り上がるところでは、声を大きく、のびやかに
- しずかなところでは、声をやさしく、ささやくように
- テンポを少しゆったりさせたり、元にもどしたりする
強弱や速さの変化をつけると、歌がいきいきと聞こえてきます。
イタリア語の歌を歌うときのポイント
イタリア語は、母音がはっきり
イタリア語は、日本語と同じように、母音(あ・い・う・え・お)がはっきりしたことばです。そのため、日本人にとって歌いやすい外国語だといわれることもあります。
- 母音を、明るくはっきり出す
- 「a」「i」「u」「e」「o」の5つの音を、ていねいに
- ことばのおわりの母音も、しっかり歌う
二重の子音と、巻き舌
イタリア語には、同じ子音が2つ続くことばがあります。そのときは、ほんの少し「つまる」ように発音すると、イタリア語らしく聞こえます。
また、「r」の音は、舌を軽くふるわせる巻き舌で発音することが多いです。巻き舌がむずかしいときは、むりをせず、舌の先を軽く上あごにあてる「ら」の音からはじめても、だいじょうぶです。
イタリア語の発音のきほんは、こちらの記事でくわしくまとめています。イタリア歌曲の発音のきほん。声楽をならう子ども・大人のために
意味を知ってから歌う
外国語の歌は、音だけでおぼえてしまうこともあります。でも、どんな意味の歌なのかを知ってから歌うと、表情や声の出し方が、ぐっとかわってきます。
- 訳詞を読んで、物語や気持ちを知る
- 大切なことばの意味に、印をつける
- 「だれに向かって歌っているのか」を考える
イタリア語の歌詞をおぼえるコツは、こちらの記事も参考にしてみてください。外国語の歌詞を暗譜するコツ。イタリア語・ドイツ語の歌をおぼえる方法
日本語の訳詞で歌うのもあり
カンツォーネには、日本語の歌詞がつけられた歌もあります。はじめは日本語で、メロディや気持ちになれてから、イタリア語にちょうせんするのもよい方法です。
はじめての方のカンツォーネの楽しみ方
まずは、たくさん聞いてみる
カンツォーネを歌う前に、いろいろな歌い手の歌を聞いてみましょう。同じ歌でも、男性と女性、声楽家とポップスの歌い手とで、歌い方がずいぶんちがいます。
自分の声に近い歌い手や、「こんなふうに歌いたい」と思える歌い方を見つけると、練習のめあてができます。
自分に合ったキーで歌う
カンツォーネには、高い音が出てくる歌も多いです。原曲のキーにこだわらず、自分が気持ちよく歌える高さにかえて歌いましょう。楽譜や伴奏音源には、高い声用・低い声用など、いくつかのキーが用意されていることもあります。
先生に習って、声の土台をつくる
カンツォーネは、ひとりで楽しむこともできますが、のびやかな声を出すには、息のささえや、ひびきのつくり方を身につけることが大切です。声楽の教室や、カンツォーネを教えている教室で習うと、むりのない声の出し方を教えてもらえます。
1曲をしあげるまでの流れ
カンツォーネを1曲しあげるときは、次のような流れですすめると、むりなく練習できます。
- 曲をくり返し聞いて、メロディをおぼえる
- イタリア語の歌詞を、ゆっくり声に出して読む
- 「ラ」や「ルー」で、メロディだけを歌う
- ことばをつけて、ゆっくりのテンポで歌う
- 録音して聞き、気になるところだけをくり返す
いきなり全部を歌おうとせず、1つずつ順番にすすめていくのがコツです。
発表の場をもつ
練習した歌を、だれかに聞いてもらう場があると、練習のはげみになります。教室の発表会や、家族の前での小さな発表など、自分に合った場をさがしてみましょう。明るいカンツォーネは、聞く人を笑顔にしてくれる歌なので、歌う側も、きっと楽しい気持ちになれると思います。
歌うときに気をつけたいこと
大きな声を出しすぎない
明るい歌だからといって、大きな声を出しつづけると、のどがつかれてしまいます。
- 歌う前に、体をほぐして、軽く発声する
- 高い音は、むりに押し出さない
- のどがつかれたら、その日はおしまいにする
痛みやかすれが何日も続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
まとめ
- カンツォーネとは、イタリア語で「歌」のこと。日本ではナポリの歌などをさすことが多い
- 明るい表情で、声を前に届けるように歌う
- メロディを大きく、なめらかにつなぐ
- イタリア語は母音をはっきり。意味を知ってから歌う
- 自分に合ったキーで、むりなく歌う
- のどの痛みやかすれが続くときは、お医者さんに相談する
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