ボサノバの歌い方のコツ。ささやくような声と、ゆれるリズムの楽しみ方
「カフェで流れているような、おしゃれなボサノバを歌ってみたい」 「ボサノバの歌い方のコツを知りたいけれど、何からはじめたらいいのかわからない」
ボサノバは、力をぬいた、ささやくような歌い方が特ちょうの音楽です。大きな声を出さなくても楽しめるので、「声量に自信がない」という方にも、親しみやすいジャンルだと思います。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、ボサノバの歌い方にしぼって、そのコツをお話しします。やわらかい声の出し方、ボサノバらしいリズムの感じ方、外国語の歌を歌うときに気をつけたいこと、そして、のどに無理をさせない練習の仕方までをまとめました。
ボサノバってどんな音楽?
ブラジルで生まれた、しずかな音楽
ボサノバは、ブラジルで生まれた音楽です。ポルトガル語で「新しい感じ」「新しい流れ」といった意味をもつことばだといわれています。
ボサノバには、こんな特ちょうがあります。
- ささやくような、力をぬいた歌い方
- ギターが刻む、ゆれるような独特のリズム
- おだやかで、少しせつない雰囲気のメロディ
- しずかな部屋でも楽しめる、ひかえめな音の大きさ
はなやかに声をはり上げる歌とは、ちょうど反対のような音楽です。
「がんばらない」ことが、いちばんのコツ
ボサノバでは、声を大きくしたり、ビブラート(声をゆらすこと)をたくさんつけたりすることは、あまりありません。どちらかというと、話すように、ため息のように、さらりと歌うのがボサノバらしさです。
ですから、ボサノバの歌い方のコツをひとことでいうなら、「がんばらないこと」かもしれません。
ささやくような声の出し方
息と声を、まぜるように出す
ボサノバのやわらかい声は、息を少し多めにまぜた声で歌うことが多いです。
- 「はぁ」と、あたたかい息をはいてみる
- そのまま、息に少しだけ声をのせて「はぁー」と出してみる
- 声のりんかくが、ふんわりやわらかくなる感じをおぼえる
ただし、息をまぜすぎると、声がすぐに息切れしたり、のどがかわいたりします。息は「少しだけ多め」くらいから、ためしてみるのがおすすめです。
息の多いやさしい声の出し方は、こちらの記事でもくわしくまとめています。ウィスパーボイスの出し方。息の多いやさしい声のつかい方と、のどを守る注意
声の大きさは、となりの人に話すくらい
ボサノバは、すぐとなりにいる人に話しかけるくらいの声の大きさで歌うと、ちょうどよい雰囲気になりやすいです。
人前で歌うときや、まわりの音が大きいときは、声を大きくするより、マイクを使うほうが、ボサノバらしさを守りやすくなります。
のどではなく、口の中をひろく
小さな声で歌おうとすると、のどがしまってしまうことがあります。あくびをする前のように、口の中を少しひろくするイメージをもつと、小さな声でもやわらかくひびきやすくなります。
- 肩や首の力をぬく
- あごを下げすぎず、自然にゆるめる
- 口角を少しだけ上げて、おだやかな表情で歌う
声をゆらしすぎない
ボサノバでは、のばす音も、まっすぐ、すっと消えていくように歌うことが多いです。語尾をのばしすぎず、ろうそくの火がしずかに消えるようなイメージで終えてみてください。
ボサノバらしいリズムの感じ方
ギターのリズムを、たくさん聞く
ボサノバの魅力の1つは、ギターが刻む、ゆれるようなリズムです。低い音と、和音の音が、少しずれながら重なっていくような、独特のノリがあります。
歌う前に、ボサノバのギターの音を、たくさん聞いてみましょう。
- 手で、ひざを軽くたたきながら聞く
- 低い音が鳴るところと、和音が鳴るところを聞き分けてみる
- 体を小さく、左右にゆらしながら聞く
頭で数えるより、体でゆれを感じることが大切です。
歌は、リズムに「ゆったり乗る」
ボサノバでは、歌が、ギターのリズムにぴったり合わさるだけではなく、少し前に出たり、少しおくれたりすることがあります。それが、ボサノバのゆったりした雰囲気をつくっています。
はじめのうちは、まず拍に合わせて歌えるようにしましょう。なれてきたら、ことばを少しだけ後ろにずらして、のんびり歌ってみると、ボサノバらしさが出てきます。
テンポは、ゆっくりからはじめる
ボサノバは、ゆったり聞こえても、ことばの数が多い曲もあります。はじめは、ゆっくりのテンポで練習しましょう。
- 歌詞をリズムに合わせて、声に出して読む
- 手びょうしをしながら、メロディを「ルー」で歌う
- ゆっくりのテンポで、歌詞をつけて歌う
- なれたら、少しずつ元のテンポに近づける
外国語の歌を歌うときのコツ
ポルトガル語の、やわらかい音
ボサノバは、ポルトガル語で歌われる曲が多いです。ポルトガル語には、鼻にかかるようなやわらかい音や、ことばのおわりがふわっと消えるような音があり、それがボサノバの雰囲気によく合っています。
はじめは、すべてを正しく発音しようとしなくても、だいじょうぶです。
- 音源をよく聞き、まねをして口に出す
- 歌詞にカタカナでふりがなをつけて、読みやすくする
- 意味をしらべて、どんな気持ちの歌なのかを知っておく
日本語の歌詞で歌ってもよい
日本語の歌詞がついたボサノバや、日本語で作られたボサノバ風の歌もあります。外国語がむずかしく感じるときは、まず日本語で、ボサノバらしい声とリズムをおぼえるのもおすすめです。
日本語で歌うときも、ことばをはっきり言いすぎず、少しやわらかく、つなげるように歌うと、ボサノバらしい雰囲気になります。
ボサノバの楽しみ方
ギターといっしょに
ボサノバは、ギターと歌の組み合わせがとても似合う音楽です。自分で弾きながら歌うのもすてきですし、ギターを弾ける人と2人で合わせるのも楽しいと思います。
ギターの音も、声と同じように、ひかえめに。声とギターが、同じくらいの大きさでとけ合うのが理想です。
カラオケや音源に合わせて
楽器が弾けなくても、カラオケや伴奏の音源に合わせて歌えます。ボサノバの曲は、キーが低めで、ゆったりした曲も多いので、はじめての方でも歌いやすいことが多いです。
ジャズとのつながりも楽しむ
ボサノバは、ジャズとも深いつながりがあります。ジャズの歌の中でも、ボサノバのリズムで歌われる曲はたくさんあります。ボサノバになれてきたら、ジャズボーカルの世界をのぞいてみるのも楽しいと思います。ジャズボーカル初心者のはじめ方。リズムの感じ方と、スタンダードの楽しみ方
おうちでできる、かんたんな練習
「ハミング」で、やわらかい声をつくる
口をとじて「んー」とハミングをすると、のどに力が入りにくく、やわらかい声の感覚をつかみやすくなります。ハミングのまま曲のメロディをなぞり、そのあと口をひらいて「ルー」で歌ってみましょう。
「ことばだけ」をリズムにのせる
メロディをつけずに、歌詞をリズムに合わせて、ささやくように読んでみます。ボサノバのゆれるリズムに、ことばがどうのるのかがわかりやすくなります。
録音して、声の大きさをたしかめる
スマホで録音して聞いてみると、思ったより声が大きかったり、息の音が多すぎたりすることに気づけます。「となりの人に話すくらいの声」になっているか、たしかめてみてください。
1日10分くらいの短い練習でも、続けることで、少しずつボサノバらしい声になれていきます。
歌うときに気をつけたいこと
息の多い声は、のどがかわきやすい
ささやくような声は、息をたくさん使うので、のどがかわきやすくなります。
- 練習中は、こまめに水をのむ
- 部屋がかわいているときは、加湿器を使う
- 長い時間、ささやき声だけで歌いつづけない
ときどき、ふつうの話し声に近い声でも歌ってみると、のどのバランスをたもちやすくなります。
小さな声でも、無理をしない
小さな声だから、のどにやさしいとはかぎりません。のどをしめつけて小さくしていると、かえってつかれることがあります。歌ったあとに、のどがヒリヒリしたり、声がかすれたりするときは、休むようにしましょう。
痛みやかすれが何日も続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
まとめ
- ボサノバの歌い方のコツは、力をぬいて「がんばらない」こと
- 息を少し多めにまぜて、となりの人に話すくらいの声で歌う
- のどではなく、口の中をひろくするイメージで
- ギターのゆれるリズムを、体で感じて、ゆったり乗る
- 外国語の歌は、音源をまねして、意味を知ってから歌う
- のどがかわきやすいので、水分と休けいを大切に
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