練習・発声のコツ

ボサノバの歌い方のコツ。ささやくような声と、ゆれるリズムの楽しみ方

更新日:2026年11月7日 ・ 書いた人:うみ

「カフェで流れているような、おしゃれなボサノバを歌ってみたい」 「ボサノバの歌い方のコツを知りたいけれど、何からはじめたらいいのかわからない」

ボサノバは、力をぬいた、ささやくような歌い方が特ちょうの音楽です。大きな声を出さなくても楽しめるので、「声量に自信がない」という方にも、親しみやすいジャンルだと思います。

わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。

この記事では、ボサノバの歌い方にしぼって、そのコツをお話しします。やわらかい声の出し方、ボサノバらしいリズムの感じ方、外国語の歌を歌うときに気をつけたいこと、そして、のどに無理をさせない練習の仕方までをまとめました。

ボサノバってどんな音楽?

ブラジルで生まれた、しずかな音楽

ボサノバは、ブラジルで生まれた音楽です。ポルトガル語で「新しい感じ」「新しい流れ」といった意味をもつことばだといわれています。

ボサノバには、こんな特ちょうがあります。

  • ささやくような、力をぬいた歌い方
  • ギターが刻む、ゆれるような独特のリズム
  • おだやかで、少しせつない雰囲気のメロディ
  • しずかな部屋でも楽しめる、ひかえめな音の大きさ

はなやかに声をはり上げる歌とは、ちょうど反対のような音楽です。

「がんばらない」ことが、いちばんのコツ

ボサノバでは、声を大きくしたり、ビブラート(声をゆらすこと)をたくさんつけたりすることは、あまりありません。どちらかというと、話すように、ため息のように、さらりと歌うのがボサノバらしさです。

ですから、ボサノバの歌い方のコツをひとことでいうなら、「がんばらないこと」かもしれません。

ささやくような声の出し方

息と声を、まぜるように出す

ボサノバのやわらかい声は、息を少し多めにまぜた声で歌うことが多いです。

  • 「はぁ」と、あたたかい息をはいてみる
  • そのまま、息に少しだけ声をのせて「はぁー」と出してみる
  • 声のりんかくが、ふんわりやわらかくなる感じをおぼえる

ただし、息をまぜすぎると、声がすぐに息切れしたり、のどがかわいたりします。息は「少しだけ多め」くらいから、ためしてみるのがおすすめです。

息の多いやさしい声の出し方は、こちらの記事でもくわしくまとめています。ウィスパーボイスの出し方。息の多いやさしい声のつかい方と、のどを守る注意

声の大きさは、となりの人に話すくらい

ボサノバは、すぐとなりにいる人に話しかけるくらいの声の大きさで歌うと、ちょうどよい雰囲気になりやすいです。

人前で歌うときや、まわりの音が大きいときは、声を大きくするより、マイクを使うほうが、ボサノバらしさを守りやすくなります。

のどではなく、口の中をひろく

小さな声で歌おうとすると、のどがしまってしまうことがあります。あくびをする前のように、口の中を少しひろくするイメージをもつと、小さな声でもやわらかくひびきやすくなります。

  • 肩や首の力をぬく
  • あごを下げすぎず、自然にゆるめる
  • 口角を少しだけ上げて、おだやかな表情で歌う

声をゆらしすぎない

ボサノバでは、のばす音も、まっすぐ、すっと消えていくように歌うことが多いです。語尾をのばしすぎず、ろうそくの火がしずかに消えるようなイメージで終えてみてください。

ボサノバらしいリズムの感じ方

ギターのリズムを、たくさん聞く

ボサノバの魅力の1つは、ギターが刻む、ゆれるようなリズムです。低い音と、和音の音が、少しずれながら重なっていくような、独特のノリがあります。

歌う前に、ボサノバのギターの音を、たくさん聞いてみましょう。

  • 手で、ひざを軽くたたきながら聞く
  • 低い音が鳴るところと、和音が鳴るところを聞き分けてみる
  • 体を小さく、左右にゆらしながら聞く

頭で数えるより、体でゆれを感じることが大切です。

歌は、リズムに「ゆったり乗る」

ボサノバでは、歌が、ギターのリズムにぴったり合わさるだけではなく、少し前に出たり、少しおくれたりすることがあります。それが、ボサノバのゆったりした雰囲気をつくっています。

はじめのうちは、まず拍に合わせて歌えるようにしましょう。なれてきたら、ことばを少しだけ後ろにずらして、のんびり歌ってみると、ボサノバらしさが出てきます。

テンポは、ゆっくりからはじめる

ボサノバは、ゆったり聞こえても、ことばの数が多い曲もあります。はじめは、ゆっくりのテンポで練習しましょう。

  • 歌詞をリズムに合わせて、声に出して読む
  • 手びょうしをしながら、メロディを「ルー」で歌う
  • ゆっくりのテンポで、歌詞をつけて歌う
  • なれたら、少しずつ元のテンポに近づける

外国語の歌を歌うときのコツ

ポルトガル語の、やわらかい音

ボサノバは、ポルトガル語で歌われる曲が多いです。ポルトガル語には、鼻にかかるようなやわらかい音や、ことばのおわりがふわっと消えるような音があり、それがボサノバの雰囲気によく合っています。

はじめは、すべてを正しく発音しようとしなくても、だいじょうぶです。

  • 音源をよく聞き、まねをして口に出す
  • 歌詞にカタカナでふりがなをつけて、読みやすくする
  • 意味をしらべて、どんな気持ちの歌なのかを知っておく

日本語の歌詞で歌ってもよい

日本語の歌詞がついたボサノバや、日本語で作られたボサノバ風の歌もあります。外国語がむずかしく感じるときは、まず日本語で、ボサノバらしい声とリズムをおぼえるのもおすすめです。

日本語で歌うときも、ことばをはっきり言いすぎず、少しやわらかく、つなげるように歌うと、ボサノバらしい雰囲気になります。

ボサノバの楽しみ方

ギターといっしょに

ボサノバは、ギターと歌の組み合わせがとても似合う音楽です。自分で弾きながら歌うのもすてきですし、ギターを弾ける人と2人で合わせるのも楽しいと思います。

ギターの音も、声と同じように、ひかえめに。声とギターが、同じくらいの大きさでとけ合うのが理想です。

カラオケや音源に合わせて

楽器が弾けなくても、カラオケや伴奏の音源に合わせて歌えます。ボサノバの曲は、キーが低めで、ゆったりした曲も多いので、はじめての方でも歌いやすいことが多いです。

ジャズとのつながりも楽しむ

ボサノバは、ジャズとも深いつながりがあります。ジャズの歌の中でも、ボサノバのリズムで歌われる曲はたくさんあります。ボサノバになれてきたら、ジャズボーカルの世界をのぞいてみるのも楽しいと思います。ジャズボーカル初心者のはじめ方。リズムの感じ方と、スタンダードの楽しみ方

おうちでできる、かんたんな練習

「ハミング」で、やわらかい声をつくる

口をとじて「んー」とハミングをすると、のどに力が入りにくく、やわらかい声の感覚をつかみやすくなります。ハミングのまま曲のメロディをなぞり、そのあと口をひらいて「ルー」で歌ってみましょう。

「ことばだけ」をリズムにのせる

メロディをつけずに、歌詞をリズムに合わせて、ささやくように読んでみます。ボサノバのゆれるリズムに、ことばがどうのるのかがわかりやすくなります。

録音して、声の大きさをたしかめる

スマホで録音して聞いてみると、思ったより声が大きかったり、息の音が多すぎたりすることに気づけます。「となりの人に話すくらいの声」になっているか、たしかめてみてください。

1日10分くらいの短い練習でも、続けることで、少しずつボサノバらしい声になれていきます。

歌うときに気をつけたいこと

息の多い声は、のどがかわきやすい

ささやくような声は、息をたくさん使うので、のどがかわきやすくなります。

  • 練習中は、こまめに水をのむ
  • 部屋がかわいているときは、加湿器を使う
  • 長い時間、ささやき声だけで歌いつづけない

ときどき、ふつうの話し声に近い声でも歌ってみると、のどのバランスをたもちやすくなります。

小さな声でも、無理をしない

小さな声だから、のどにやさしいとはかぎりません。のどをしめつけて小さくしていると、かえってつかれることがあります。歌ったあとに、のどがヒリヒリしたり、声がかすれたりするときは、休むようにしましょう。

痛みやかすれが何日も続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。

まとめ

  • ボサノバの歌い方のコツは、力をぬいて「がんばらない」こと
  • 息を少し多めにまぜて、となりの人に話すくらいの声で歌う
  • のどではなく、口の中をひろくするイメージで
  • ギターのゆれるリズムを、体で感じて、ゆったり乗る
  • 外国語の歌は、音源をまねして、意味を知ってから歌う
  • のどがかわきやすいので、水分と休けいを大切に

ボサノバの声やリズムを、だれかにみてもらいたくなったら、ポップスやジャズを教えている歌の教室をさがしてみるのもよいと思います。歌の教室さがし練習した歌を聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリものぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、自分の歌のよいところを知るきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ

おとな

つぎの一歩を さがす

あわせて読みたい