歌うと唾がたまるときは?よだれが気になる方へ、気にしすぎない考え方とちょっとした工夫
「歌っていると、口の中に唾がたまって歌いにくい」 「歌うとよだれが出そうで、人前で歌うのがはずかしい」
歌の練習をしていると、こんななやみを感じることがあります。ほかの人にはなかなか相談しにくいことなので、ひとりで気にしている方も多いかもしれません。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、歌うと唾がたまるときの考え方と、ちょっとした工夫についてお話しします。はじめにお伝えしたいのは、歌っていて唾がたまるのは、めずらしいことではない、ということです。気にしすぎず、上手につきあっていく方法を、いっしょに見ていきましょう。
歌うと唾がたまるのはなぜ?
口をたくさん動かすと、唾が出やすい
歌うときは、話すときより口を大きく開けたり、舌やくちびるをよく動かしたりします。口のまわりがよく動くと、唾が出やすくなると言われています。
つまり、歌っていて唾がたまるのは、口をしっかり動かして歌えている、ということでもあります。
口を開けている時間が長い
歌では、声をのばしている間、口を開けたままになることが多いですよね。口を開けている間は、唾をのみこむタイミングがなかなかありません。そのため、少しずつ口の中にたまっていくように感じることがあります。
舌の位置や口の形のくせ
舌が口の中で下がりすぎていたり、口の中がせまくなっていたりすると、唾が前のほうにたまりやすく感じることがあります。ただ、これは人によってちがうので、気になるときは、習っている先生に見てもらうのがおすすめです。
緊張しているとき、していないとき
本番で緊張すると口が乾く方もいれば、反対に、唾が多く感じる方もいます。体の反応は人それぞれです。どちらでも、おかしいことではありません。
まずは「気にしすぎない」ことが大切
唾がたまるのは、多くの人に起こること
歌が上手な人でも、歌っていて唾がたまることはあります。プロの歌い手さんも、上手にのみこみながら歌っています。「自分だけがおかしい」と思わなくてだいじょうぶです。
気にしすぎると、体がかたくなる
唾のことばかり気になってしまうと、口を大きく開けるのがこわくなったり、のどに力が入ったりします。そうすると、かえって声が出しにくくなってしまいます。
「たまったら、のみこめばいい」くらいの、気楽な気持ちでいることが、いちばんの工夫かもしれません。
お客様は、あまり気にしていない
自分では気になっていても、聞いている人は、歌声や表情を見ていることがほとんどです。少し唾をのみこむ動きがあっても、気づかれないことが多いものです。
練習のときにできる工夫
唾をのみこむ場所を決めておく
曲の中で、息つぎをするところや、前奏・間奏のところで、「ここで唾をのみこむ」と決めておくと、安心して歌えます。楽譜や歌詞のコピーに、小さなしるしをつけておくのもよい方法です。
唾をのみこむのは、息を吸う前がおすすめです。のみこんでから息を吸うと、次のフレーズを落ちついて歌いはじめやすくなります。
声を出さない「口の体操」で、なれておく
歌う前に、口をとじたまま、舌でほおの内がわをぐるりとなぞったり、舌を上あごにつけたりして、口の中を動かしておくのもよい方法です。口を動かすことになれてくると、歌っているときの唾の出かたも、自分でつかみやすくなります。
舌の力をぬく
舌に力が入っていると、唾をのみこみにくくなったり、口の中が動かしにくくなったりします。歌う前に、舌の先を下の歯のうらに軽くつけて、舌全体がやわらかくなるイメージを持ってみてください。
口の開け方を見直す
口を横に引きすぎていたり、あごに力が入っていたりすると、口のはしから唾がこぼれそうに感じることがあります。鏡を見ながら、あごの力をぬいて、たてに自然に口を開ける練習をしてみてください。
口の形が気になる方は、ことばをはっきり言う練習もあわせてやってみると、口の動かし方がわかりやすくなります。滑舌の練習については、こちらの記事にまとめています。歌の滑舌をよくする練習。ことばがはっきり伝わる歌い方
録画して、見え方をたしかめる
スマホで歌っている姿を録画して、見てみるのもおすすめです。自分が思っているほど、唾をのみこむ動きは目立たないことに気づく方も多いです。気になるところがあれば、そこだけ口の開け方をかえてみるなど、工夫するきっかけになります。
本番でできる工夫
歌いはじめる前に、一度のみこむ
ステージに立って、前奏が始まる前やおじぎのあとに、一度唾をのみこんでおくと、口の中がすっきりします。歌いはじめの声も出しやすくなります。
間奏で、口をとじて落ちつく
間奏があるときは、口をとじて、唾をのみこんでから、次の歌い出しにそなえましょう。口をとじて待つ姿は、落ちついて見えるので、見ている方にもよい印象になります。
ハンカチは、出番の前に
よだれが気になる方は、出番の前に、ハンカチで口のまわりをそっとおさえておくと安心です。ステージの上で口をふくのは、むずかしいことが多いので、控室や舞台そでで、ととのえておきましょう。
唾がたまっても、歌い続ける
本番で唾がたまってきても、あわてなくてだいじょうぶです。息つぎのところで、さっとのみこめば、続けて歌えます。のみこむタイミングがないときは、次の息つぎまで、そのまま歌い続けてかまいません。
唾をのみこむときの体のつかい方
首を前につき出さない
唾をのみこむとき、首を前につき出したり、あごを大きく引いたりすると、のどに力が入りやすくなります。立ち方や顔の向きはそのままで、口の中だけでしずかにのみこむイメージを持ってみてください。
のみこんだら、ひと呼吸おく
唾をのみこんだあと、すぐに急いで息を吸うと、のどがかたくなったり、むせたりすることがあります。のみこんだら、体の力をふっとゆるめて、ひと呼吸おいてから息を吸うと、落ちついて次のことばに入りやすくなります。
むせそうなときは、むりをしない
練習中に唾が気管に入りそうになって、むせてしまうこともあります。そんなときは、むりに歌い続けず、いったん止まって、落ちついてから歌いなおしましょう。練習なら、止まってもまったく問題ありません。
お子様の唾やよだれが気になるとき
小さなお子様は、とくに気にしなくてよい
小さなお子様は、口のまわりの力がまだ育っている途中なので、歌っていて、よだれが出ることもあります。それは成長の中で、よくあることです。
お父様・お母様が「よだれが出てるよ」と何度も言うと、お子様が歌うことをはずかしく感じてしまうことがあります。歌っている間は、楽しく歌えていることを、たくさんほめてあげてください。
歌い終わってから、そっと伝える
どうしても気になるときは、歌い終わったあとに、「歌う前に、ごっくんしてみようか」と、やさしく伝えてみてください。きびしく直そうとせず、「こうするといいかもね」くらいの言い方がおすすめです。
先生に相談してみる
歌のレッスンに通っているお子様なら、先生に相談してみるのもよいと思います。口の開け方や舌の位置など、そのお子様に合ったアドバイスをもらえることがあります。
気になることが続くときは
お医者さんに相談する目安
歌っているときだけでなく、ふだんから唾が多すぎて困る、のみこみにくい、のどに痛みや違和感が続く、というときは、むりをせず、耳鼻科や歯医者さんなどのお医者さんに相談してください。
この記事は、体の病気について説明するものではありません。気になることがあるときは、ひとりで決めずに、お医者さんや先生に聞いてみてください。
まとめ
- 歌うと唾がたまるのは、口をよく動かしている証で、多くの人に起こること
- 気にしすぎると、体やのどがかたくなるので、「たまったら、のみこめばいい」と気楽に
- 練習では、唾をのみこむ場所を決め、舌やあごの力をぬく
- 録画すると、思ったほど目立たないことに気づきやすい
- 本番では、歌いはじめる前や間奏で一度のみこみ、口のまわりは出番前にととのえる
- 小さなお子様のよだれは、成長の中でよくあること。歌っている間はほめてあげる
- ふだんから気になることが続くときは、お医者さんに相談する
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