声楽・ボイトレの単発レッスンのつかい方。本番前や、先生をさがすときに
「毎月の教室に通うのはむずかしいけれど、1回だけ、だれかに歌を見てもらいたい」 「コンクールの前に、ちがう先生の意見も聞いてみたい」
そんなときに考えたいのが、声楽やボイトレの単発レッスンです。月ごとの決まった回数ではなく、1回ずつ申しこんで受けるレッスンのことで、「スポットレッスン」とよばれることもあります。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。歌の練習は、ふだんの先生とこつこつ続けることがいちばんの土台です。そのうえで、ときどき単発のレッスンを組み合わせると、自分では気づきにくいことに目がむきやすくなります。
この記事では、声楽の単発レッスン、ボイトレの単発レッスンを、どんなときに、どうつかうとよいのかをまとめます。料金や回数は教室によって大きくちがうので、この記事では書きません。気になる教室があれば、それぞれの案内をたしかめてください。
単発レッスンとは?
1回ずつ申しこむレッスン
単発レッスンは、入会をしなくても、1回だけ受けられるレッスンです。教室によって、次のような形があります。
- 入会しなくても、だれでも1回ずつ申しこめる
- 体験レッスンのあとに、何回か単発で受けられる
- ふだんは月ぎめだが、追加で1回ずつ受けられる
- オンラインで、1回ずつ予約できる
どの形があるかは、教室によってちがいます。「単発はやっていない」という教室もあるので、先にたしかめておくと安心です。
体験レッスンとのちがい
体験レッスンは、教室のふんいきや先生との相性を知るための、ためしのレッスンです。説明の時間が多く、ゆったりすすむことが多いです。
いっぽう単発レッスンは、ふつうのレッスンと同じように、歌の中身にしっかり向き合う時間です。「この曲のここを見てほしい」という目的をもって受けると、時間をむだなく使えます。体験レッスンで見ておきたいことは、こちらの記事にまとめています。歌の体験レッスンで見るべき5つのこと。聞いておきたい質問リストつき
単発レッスンが役立つ場面
本番前のしあげに
コンクールや発表会の前に、ふだんの先生とはちがう人に聞いてもらうと、新しい気づきが生まれることがあります。
- 客席から聞いて、ことばが伝わっているか
- 曲のはじめと終わりの印象はどうか
- 息つぎの場所に、むりがないか
- 緊張しても歌いきれる速さか
ただ、本番の直前に歌い方を大きく変えると、かえって迷ってしまうことがあります。単発レッスンは、本番の2〜3週間くらい前までに受けて、そのあとふだんの先生とととのえていく流れにすると、落ち着いて本番をむかえやすくなります。
先生をさがすときに
「続けて通う先生を見つけたい」というときにも、単発レッスンは役立ちます。体験レッスンだけではわからない、ふだんの教え方を知ることができるからです。
- 説明が自分にとってわかりやすいか
- 声の出し方を、むりなくすすめてくれるか
- 歌いたいジャンルにくわしいか
- 質問しやすいふんいきか
2〜3回、単発で受けてみてから入会を決める、という考え方もあります。教室をさがすときは、こちらのページもつかってみてください。歌の教室さがし
なやみを1つ相談したいときに
「高い音になると、のどがしめつけられる」「息が続かない」など、気になっていることが1つあるときにも、単発レッスンは向いています。なやみをしぼって伝えると、先生も練習のしかたを提案しやすくなります。
いそがしい時期の「つなぎ」に
仕事や学校の行事でいそがしく、しばらく決まった日に通えない時期もあると思います。そんなときに、行ける日だけ単発で受けて、歌から長くはなれないようにする、というつかい方もあります。
大人がひさしぶりに歌うときに
むかし歌を習っていた大人の方が、ひさしぶりに歌をはじめるときにも、単発レッスンはよいきっかけになります。まずは1回受けて、いまの声の状態を知ってから、続けるかどうかを考えてもだいじょうぶです。
受ける前に用意しておきたいこと
見てほしいことを1つか2つにしぼる
単発レッスンは、時間がかぎられています。あれもこれもと思うと、どれも中途半端になりやすいです。
- この曲の、さびの高い音をらくに出したい
- イタリア語の発音を見てほしい
- 本番と同じように通して歌い、全体の感想がほしい
このように、1つか2つにしぼっておくと、時間を上手に使えます。申しこむときに、メールや予約フォームで先に伝えておけると、さらにスムーズです。
楽譜と音源
歌う曲の楽譜は、先生の分もふくめて用意しておくと親切です。コピーをつかうときは、レッスンでの使用のきまりを守りましょう。ピアノ伴奏がない教室や、オンラインのときは、伴奏音源があると歌いやすくなります。
- 楽譜(小節番号が見えるもの)
- 伴奏音源(スマホなどで流せるもの)
- 鉛筆とメモ
- 水やお茶
いまの状態を伝えるメモ
はじめて会う先生には、自分のことを知ってもらう必要があります。短いメモにしておくと、さいしょの説明が早くすみます。
- 歌を習ってどのくらいか
- ふだんどんな曲を歌っているか
- 近い予定(本番の日、曲名など)
- 気になっていること
ふだんの先生への伝え方
決まった先生がいる方は、ほかの先生の単発レッスンを受けることを、ひとこと伝えておくと気持ちよくすすめられます。「本番前に、ちがう耳でも聞いてもらいたくて」と、目的をそのまま話せば、多くの先生はわかってくれると思います。教室によっては、ほかの先生のレッスンについて考え方があることもあるので、気になるときはたしかめておきましょう。
当日の時間の使い方
はじめの数分で目的を伝える
あいさつのあと、まず「今日はこれを見てほしい」と伝えます。先生がそれに合わせて、発声の練習から入るか、すぐに曲を歌うかを決めてくれることが多いです。
一度、通して歌ってみる
目的が曲のしあげなら、まず一度通して歌って、先生に全体を聞いてもらいましょう。とちゅうで止まっても気にしなくてだいじょうぶです。いまの歌を聞いてもらうことで、先生は何から手をつけるかを考えやすくなります。
録音のおねがい
言われたことを、あとで思い出すのはむずかしいものです。録音してよいかを、はじめに聞いておきましょう。だめなときは、言われたことを短いことばでメモしておきます。
さいごに「家でやること」を聞く
レッスンの終わりに、「家では何を練習したらいいですか」と聞いておくと、そのあとの練習につながります。1回のレッスンで、すべてが変わることはありません。持ち帰った1つのことを、家でこつこつ続けることが大切です。
単発レッスンで気をつけたいこと
いろいろな先生の意見で迷ったら
先生によって、ことばや教え方がちがうのは、よくあることです。正反対のことを言われたように感じることもあるかもしれません。そんなときは、どちらがまちがいというより、同じことを別の言い方で伝えていることも多いです。迷ったら、ふだんの先生に相談して、いまの自分に合うものから試してみましょう。
単発ばかりにならないように
単発レッスンは便利ですが、毎回ちがう先生だと、声の育ち方を長く見てもらうことはむずかしくなります。基本は、続けて見てもらえる先生や教室を土台にして、単発は「ときどき使うもの」と考えると、バランスがとりやすいです。
のどの調子がよくない日は
単発レッスンは、予約した日をのがしたくない気持ちになりやすいものです。でも、かぜぎみの日や、のどが痛い日に、むりに大きな声を出すのはやめましょう。キャンセルのきまりは教室によってちがうので、予約するときに見ておくと安心です。痛みやかすれが続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
お子様が受けるとき
お子様が単発レッスンを受けるときは、知らない先生に緊張することもあります。お父様・お母様が、どんな目的のレッスンなのかを先に話しておくと、お子様も安心しやすくなります。レッスン中の見学のしかたは、教室のきまりに合わせましょう。
まとめ
- 単発レッスンは、入会しなくても1回ずつ受けられるレッスン
- 本番前のしあげ、先生さがし、なやみの相談などに向いている
- 本番直前より、2〜3週間前までに受けると落ち着いてととのえやすい
- 見てほしいことは1つか2つにしぼり、楽譜と音源、自分のメモを用意する
- 録音のおねがいと、「家でやること」の確認をわすれずに
- 基本はふだんの先生を土台にして、単発はときどき使うものと考える
- のどの調子がよくない日は、むりをしない
単発レッスンは、歌の練習に新しい風を入れてくれる方法の1つです。単発で受けられる教室や、続けて通える教室をさがすときは、こちらのページをつかってみてください。歌の教室さがし練習の成果をだれかに聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリもおすすめです。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、つぎの練習の目標を見つけるきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ