ボイトレの体験レッスンで何を歌う?曲のえらび方と、持っていくもの
「ボイトレの体験レッスンに申しこんだけれど、何を歌えばいいのかわからない」 「上手に歌える曲がないから、体験に行くのが少し不安」
歌の教室の体験レッスンを前に、こんなふうに思う方は、とても多いと思います。体験のお知らせに「好きな曲を一曲ご用意ください」と書いてあると、それだけで手が止まってしまうこともありますよね。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、ボイトレや歌の体験レッスンで歌う曲のえらび方にしぼって、お話しします。体験で何を歌うか、どんな曲が向いているか、お子様の場合はどうするか、そして、曲といっしょに何を持っていけばいいかをまとめました。体験レッスンの流れや、教室を見るときのポイントは、べつの記事でくわしく書いています。
先に、いちばん大切なことをお伝えします。体験レッスンで歌う曲は、「上手に聞こえる曲」でなくても、まったくかまいません。
体験レッスンで「何を歌う?」と聞かれるのはなぜ
先生は、いまの声を知りたい
体験レッスンで曲を歌ってもらうのは、テストのためではありません。先生は、あなたやお子様の「いまの声」を知りたいのです。
- どのくらいの高さが、らくに出るか
- 息のつかい方に、どんなくせがあるか
- ことばが、はっきり聞こえるか
- 歌っているときの体の力の入り方
こうしたことを、ほんの少し歌を聞くだけで、先生はたくさん感じとってくれます。だからこそ、むりをしない、いつもどおりの声で歌える曲がいちばんです。
曲から、好きなことや目標が伝わる
もう一つ、曲には「その人が何を歌いたいのか」が出ます。ポップスが好きなのか、合唱をしてみたいのか、声楽にきょうみがあるのか。曲を聞くことで、先生はレッスンのすすめ方を考えやすくなります。
ボイトレ体験で歌う曲をえらぶときの考え方
よく知っている曲にする
体験で歌う曲は、ふだんからよく聞いていて、歌詞もメロディーもだいたい頭に入っている曲がおすすめです。
はじめての場所で、はじめての先生の前で歌うと、思っている以上に緊張します。うろおぼえの曲だと、歌詞を思い出すことに気持ちがとられて、声のことまで気がまわらなくなってしまいます。
高さに、むりのない曲にする
いちばん高いところで声がひっくり返ってしまう曲や、ひくいところで声が出なくなる曲は、体験ではさけたほうが安心です。
「サビの高いところだけが少しきつい」くらいなら、だいじょうぶです。むしろ、どこがきついのかを先生に見てもらえるので、いい材料になります。ただ、さいごまでずっと苦しい曲だと、のどに力が入ったまま歌うことになってしまいます。
カラオケで歌うときに、キーを下げている曲なら、そのことを先生に伝えておくとよいです。
長い曲なら、一部分だけでよい
体験レッスンの時間はかぎられています。長い曲を、さいしょからさいごまで歌う時間がないことも多いです。
- 一番だけ
- サビだけ
- 自分が好きなところだけ
こんなふうに、「ここを歌います」と決めておくと、当日あわてずにすみます。どこまで歌うかは、先生から言われることもあるので、そのときは合わせてください。
「好き」という気持ちを大切にする
いちばん大事なのは、その曲が好きかどうかです。好きな曲を歌うと、表情がやわらかくなり、声も自然に出やすくなります。
「この曲が歌えるようになりたい」という曲でもかまいません。いまはむずかしくても、「これを目標にしたい」と伝えれば、先生がこれからのレッスンを考えるヒントになります。
ジャンルごとのえらび方
ポップスやアニメの歌
ボイトレの体験では、ポップスやアニメの歌をえらぶ方が多いです。リズムが速い曲や、ことばがつまっている曲は、緊張するとくずれやすいので、少しゆったりめの曲のほうが、声の様子が伝わりやすいかもしれません。
童謡や唱歌
大人の方でも、童謡や唱歌をえらんでかまいません。メロディーがシンプルなので、声のひびきや音程が先生に伝わりやすいという、よさがあります。「好きな曲がとくに思いつかない」というときにも、えらびやすいジャンルです。
合唱で歌ったことのある曲
学校や地域の合唱で歌った曲を、ひとりで歌ってみるのもよい方法です。ただ、合唱ではアルトやテノールなど、メロディー以外のパートを歌っていた方は、メロディーを歌えるかどうか、先にたしかめておきましょう。
声楽やミュージカルの曲
声楽やミュージカルを習いたい方は、そのジャンルの曲を持っていくと、先生も目標をつかみやすくなります。むずかしい曲をむりにえらぶ必要はありません。習ったことのない方なら、ふだん歌っている曲でもだいじょうぶです。「声楽を習ってみたいけれど、まだ歌ったことがない」と、そのまま伝えてください。
お子様の体験レッスンで歌う曲
お子様がいつも歌っている曲でいい
お子様の体験レッスンでは、ふだん家や園、学校でよく歌っている曲がいちばんです。お父様・お母様が「こっちのほうが上手に聞こえるかな」と思う曲より、お子様が楽しく歌える曲をえらんであげてください。
お子様といっしょに決める
曲は、できればお子様といっしょに決めましょう。
- どの歌がいちばん好き?
- 先生の前で歌うなら、どれにする?
- ぜんぶ歌う? 好きなところだけにする?
自分でえらんだ曲だと、当日も「わたしの歌」という気持ちで歌いやすくなります。
歌えなくても、だいじょうぶ
小さなお子様は、はじめての場所で、まったく声が出ないこともあります。それは、ごく自然なことです。先生もなれていることが多いので、むりに歌わせようとしなくてだいじょうぶです。曲を用意しておくのは、「歌いたくなったときに歌えるように」くらいの気持ちで十分です。
曲が決まらないときは
候補をいくつか持っていく
どうしても一つにしぼれないときは、候補をいくつか持っていってもかまいません。「この中から、どれがいいでしょうか」と先生に聞くと、声に合いそうな曲をえらんでくれることもあります。
先に教室に聞いてみる
体験の前に、教室に「曲はどんなものがいいですか」と聞いてみるのも、よい方法です。教室によっては、体験用の曲を用意していたり、発声の練習だけで終わったりすることもあります。どうするかは教室によってちがうので、心配なら先にたしかめておきましょう。
「好きな曲がない」も、そのまま伝えてよい
ふだんあまり歌を聞かない方や、歌うのがひさしぶりの方もいると思います。そんなときは、「とくに歌える曲がないのですが」と、正直に伝えてだいじょうぶです。先生がいっしょに曲をさがしてくれたり、かんたんな発声から見てくれたりします。
曲といっしょに持っていくもの
歌詞
緊張すると、よく知っている曲でも歌詞がとぶことがあります。歌詞を紙に書いたものや、スマホで見られるようにしたものを用意しておくと安心です。
楽譜
楽譜がある曲なら、持っていくとよいです。先生がピアノで伴奏してくれる場合は、楽譜があるとすぐに合わせられます。楽譜がなくても、だいじょうぶな教室も多いです。
伴奏の音源
ポップスなどで、伴奏の音源(カラオケ音源)を使いたいときは、スマホなどに入れて持っていきましょう。教室で音を流せるかどうかは、先に聞いておくと安心です。
そのほか
- 水やお茶
- メモ帳やスマホ(先生に言われたことを書くため)
- お子様の場合は、すきなタオルやハンカチなど、安心できるもの
当日、曲について先生に伝えたいこと
歌う前に、少しだけ先生に話しておくと、体験がよりみのりあるものになります。
- この曲をえらんだ理由
- 歌いやすいところ、むずかしいと感じるところ
- いつもはキーを上げたり下げたりしているか
- これから歌えるようになりたい曲やジャンル
たとえば「サビの高いところで、いつものどがしまる感じがします」とひとこと伝えるだけで、先生はそこに気をつけて聞いてくれます。
よくある心配
うまく歌えなかったらどうしよう
体験レッスンで、うまく歌えなくても、まったく問題ありません。先生は、いまの声を知ったうえで、これからどうすすめるかを考えてくれます。むしろ、むりに上手に見せようとするより、いつもの声を聞いてもらうほうが、あなたに合ったアドバイスがもらえます。
とちゅうで止められたら
歌っているとちゅうで、先生が止めることがあります。それは、だめだったからではなく、「ここを見てみましょう」という合図であることがほとんどです。こわがらなくてだいじょうぶです。
のどの調子がよくない日
かぜぎみの日や、のどがかすれている日は、むりに歌わず、教室に相談しましょう。日にちをかえてもらえることもあります。痛みやかすれがしばらく続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
体験レッスンで見ておきたいことや、先生に聞いておきたい質問は、こちらの記事にまとめています。歌の体験レッスンで見るべき5つのこと。聞いておきたい質問リストつき
まとめ
- 体験で歌う曲は、先生が「いまの声」を知るためのもの。上手に聞こえる曲でなくてよい
- よく知っている曲、高さにむりのない曲、好きな曲をえらぶ
- 長い曲は、一番だけ、サビだけなど、歌うところを決めておく
- お子様は、いつも歌っている曲を、お子様といっしょにえらぶ
- 決まらないときは、候補をいくつか持っていくか、教室に聞いてみる
- 歌詞、楽譜、伴奏の音源、水、メモを用意しておくと安心
- のどの調子がよくないときは、むりをしない
曲が決まったら、あとは気楽に体験に行ってみるだけです。まだ教室をさがしている方は、こちらのページから近くの教室やオンラインの教室を見てみてください。歌の教室さがし習いはじめて、練習した歌をだれかに聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリものぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、いまの歌のよいところを知るきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ