子供の発表会で親が緊張してしまうとき。お父様・お母様の気持ちのととのえ方
「子供の発表会なのに、わたしのほうがドキドキしてしまう」 「客席にすわっているだけで、手に汗をかいてしまう」
お子様の歌の発表会やコンクールの日、こんなふうに、お父様・お母様のほうが緊張してしまうことはありませんか。自分が歌うわけではないのに、心臓がドキドキして、朝ごはんがのどを通らない、という方もいると思います。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
親が緊張してしまうのは、それだけお子様のことを大切に思っているからです。けっして、わるいことではありません。ただ、親の緊張は、ことばや表情を通して、お子様にも伝わりやすいものです。
この記事では、子供の発表会で親が緊張してしまうときに、お父様・お母様自身の気持ちをどうととのえるかにしぼって、お話しします。お子様への声かけについては、べつの記事にまとめていますので、ここでは「親の心」のほうを見ていきます。
子供の発表会で、親が緊張するのはなぜ?
自分ではどうにもできないから
自分が歌うときは、練習したり、深呼吸したりと、自分でできることがあります。でも、お子様の本番では、親は客席で見ていることしかできません。「自分ではどうにもできない」という気持ちが、緊張を大きくすることがあります。
お子様のがんばりを知っているから
毎日の練習や、うまくいかなくて泣いた日、それでもがんばってきた姿を、いちばん近くで見てきたのがお父様・お母様です。だからこそ、「うまくいってほしい」という思いが強くなります。
まわりの目が気になるから
ほかのお子様や、そのお父様・お母様が近くにいると、「うちの子は、どう見えるかな」と気になることもあります。くらべるつもりはなくても、つい気になってしまうのは、自然なことです。
自分の昔の思い出がよみがえるから
子どものころ、自分が人前で発表したときの緊張や、うまくいかなかった思い出がよみがえる方もいます。お子様の姿に、昔の自分をかさねてしまうと、よけいにドキドキすることがあります。
親の緊張は、お子様に伝わりやすい
表情や声のトーンに出る
お父様・お母様が緊張していると、表情がかたくなったり、声が早口になったり、いつもより口数が多くなったりします。お子様は、親のこうした変化を、思っている以上によく見ています。
「だいじょうぶ?」を言いすぎてしまう
心配な気持ちから、「だいじょうぶ?」「緊張してない?」と何度も聞いてしまうことがあります。でも、何度も聞かれると、お子様のほうが「緊張しなきゃいけないのかな」と感じてしまうこともあります。
だからこそ、まずは親自身の気持ちをととのえることが、お子様の安心にもつながります。お子様へのことばのかけ方は、こちらの記事を参考にしてみてください。本番で緊張する子へのことば。歌のコンクール前に親ができること
前の日にできること
準備は前の日にすませておく
当日の朝にあわてると、緊張はさらに大きくなります。持ち物、衣装、くつ、楽譜、会場までの道のりなどは、前の日のうちにたしかめておきましょう。
- 持ち物をひとつのバッグにまとめておく
- 衣装をハンガーにかけておく
- 会場までの行き方と、かかる時間を調べておく
- 家を出る時間を決めておく
「準備はできている」と思えるだけで、心がかなり落ちつきます。
「できること」と「できないこと」を分ける
前の日の夜、親として「できること」と「できないこと」を分けて考えてみるのもおすすめです。
- できること:準備、体調を気づかう、笑顔で送り出す、しっかり見る
- できないこと:お子様のかわりに歌う、結果を決める
できないことを考えつづけても、心はつかれるだけです。できることだけに目をむけると、気持ちが少しかるくなります。
親もいつもどおりにねる
お子様だけでなく、お父様・お母様も早めにねるようにしましょう。ねむれないときは、むりにねようとせず、横になって目をとじているだけでも、体は休まります。
当日の朝にできること
いつもどおりの朝をすごす
本番の朝は、できるだけいつもどおりにすごすのがおすすめです。とくべつなことをしようとすると、親もお子様も、かえって緊張しやすくなります。
時間にゆとりをもって家を出る
電車のおくれや道のこみぐあいで、ぎりぎりになると、親の心がいっぱいになってしまいます。少し早めに家を出て、会場の近くでゆっくりする時間をつくっておくと安心です。
深呼吸を、親子でいっしょに
ゆっくり息をはいて、すうことを、何回かくりかえしてみましょう。親が深呼吸すると、体の力がぬけて、表情もやわらかくなります。お子様をさそって、ゲームのようにいっしょにやるのもよいと思います。
客席での落ちつき方
お子様の出番までのすごし方
出番を待っているあいだが、いちばんドキドキする、という方も多いです。
- ほかのお子様の歌を、楽しんで聞く
- プログラムをゆっくり読む
- 肩をまわしたり、手をにぎったりひらいたりして、体をほぐす
- 水やお茶を少しのむ
ほかのお子様の歌に耳をかたむけていると、自然と気持ちがほかにむいて、緊張がやわらぐことがあります。
「見守る」と決めておく
お子様の出番になったら、「うまく歌えるかな」と心配するのではなく、「しっかり見守る」と決めておきましょう。手をにぎりしめて見るより、ゆったりすわって、お子様の姿を目にやきつけるつもりで見るほうが、親の心も落ちつきます。
録画やさつえいは、ほどほどに
記念に録画したい気持ちもあると思います。ただ、さつえいに夢中になると、「うまくとれているかな」と、べつの緊張がうまれることがあります。会場のきまりをまもったうえで、家族のだれかにおねがいするなど、自分は見ることに集中する方法もあります。
もし、とちゅうで止まってしまっても
「歌詞をわすれたらどうしよう」「声が出なかったらどうしよう」と、もしものことを考えて、ドキドキがふくらむ方もいると思います。
前もって、「もし止まっても、さいごまで笑顔で見る」と、自分の中で決めておきましょう。舞台の上のお子様は、客席の親の顔を、思っている以上によく見ています。親がおだやかな顔で見ていると、お子様も気持ちを立てなおしやすくなります。
どんな歌になっても、お子様が舞台に立ったこと自体が、りっぱなちょうせんです。そう思って見ていると、親の心も少しずつほどけていきます。
本番を見に行くときの家族のマナーは、こちらの記事にもまとめています。お子様の歌の本番を見に行くときの、家族のマナーと応援のしかた
本番のあとの気持ちの切りかえ方
まずは「おつかれさま」
お子様が歌いおわったら、結果や出来ばえより先に、「おつかれさま」「がんばったね」と伝えましょう。親がほっとした顔を見せると、お子様も安心します。
親の反省は、あとでひとりで
「もっとこうすればよかった」と、親として反省したくなることもあると思います。その気持ちは、お子様の前ではなく、あとでひとりで、または家族とゆっくり話すようにしましょう。
親もごほうびの時間を
本番の日は、お父様・お母様もとてもつかれています。帰りにおいしいものを食べる、ゆっくりお茶をのむなど、親子でほっとできる時間をつくってみてください。
緊張しやすい親のための、ふだんからの工夫
本番の「練習」をしておく
家族の前でお子様が歌う、おうち発表会をひらいておくと、親も「本番を見る」ことになれていきます。何回か見ているうちに、本番の日も、少し落ちついて見られるようになることがあります。
結果より、歌うことを大切にする家族のことば
ふだんから「楽しく歌えたね」「声がよくひびいていたね」と、結果ではなく歌うことそのものをほめていると、親自身も結果に心をうばわれにくくなります。
家族で役わりを分けておく
当日、親がひとりですべてをしようとすると、心にゆとりがなくなります。お父様が荷物と道あんない、お母様がお子様のつきそい、のように、家族で役わりを分けておくと、それぞれが落ちついてすごしやすくなります。
自分の気持ちを、だれかに話す
本番の前にドキドキするときは、パートナーや家族、友だちに「緊張してるんだ」と話してみましょう。ことばにするだけで、気持ちが少しかるくなることがあります。
まとめ
- 子供の発表会で親が緊張するのは、それだけお子様を大切に思っているから
- 親の緊張は、表情や声を通して、お子様に伝わりやすい
- 前の日に準備をすませ、「できること」と「できないこと」を分けておく
- 当日の朝はいつもどおりにすごし、時間にゆとりをもって家を出る
- 客席では、ほかのお子様の歌を楽しみ、「見守る」と決めておく
- 本番のあとは、まず「おつかれさま」。親の反省は、あとでひとりで
お父様・お母様が落ちついて見守ることは、お子様にとって大きな安心になります。会場に行かずに、おうちでとった動画で出られる場をさがしているときは、こどもの歌声グランプリものぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、親子でゆっくり歌をふりかえるきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ