大人が「歌ってみた」をはじめるとき。始め方と、録音・公開で注意したいこと
「好きな曲を歌って、動画にしてみたい」 「歌ってみたって、大人がはじめてもいいのかな」
いまは、スマホ1台あれば、だれでも歌を録音して、動画として公開できる時代です。仕事や家のことのあいまに、自分の歌を形にのこしてみたい。そう思う大人の方も、きっと多いと思います。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、大人の方が「歌ってみた」をはじめるときの始め方と、録音・公開で注意したいことをまとめます。子どもの歌の動画を公開するときの注意は、別の記事でお話ししているので、ここでは大人の方にしぼってお話しします。
「歌ってみた」とは?
「歌ってみた」とは、すでにある曲を、自分の声で歌って録音し、動画などにして公開することです。もとの曲を歌うので、オリジナル曲をつくらなくても始められるのが特徴です。
大人がはじめる理由も、人それぞれです。
- 好きな曲を歌った記録をのこしたい
- 自分の歌を、だれかに聞いてもらいたい
- 練習の目標がほしい
- 同じ曲が好きな人とつながりたい
「上手な人だけがやるもの」と思わなくてだいじょうぶです。何歳からでも、自分のペースで始められます。
歌ってみたの始め方。まずはここから
1. 目的を決める
はじめに、「なぜ歌ってみたをやりたいのか」を考えてみましょう。
- 記録として、自分だけで楽しみたい
- 家族や友だちだけに見てもらいたい
- たくさんの人に聞いてもらいたい
目的によって、公開のしかたや、準備の手間がかわります。いきなり全体に公開しなくても、まずは自分だけで見られる形で録音してみるところから始めても、じゅうぶんです。
2. 曲をえらぶ
最初の1曲は、こんな曲がおすすめです。
- 何度も聞いていて、メロディをよく知っている曲
- 自分の声に合う高さの曲
- 長すぎない曲
高さが合わないときは、キーを変えて歌うのもひとつの方法です。むりに高い声を出し続けると、のどがつかれてしまいます。
3. 練習する
録音の前に、何度か歌って練習しましょう。いきなり本番の録音をするより、何回か歌ってから録るほうが、声も気持ちも落ち着きます。
練習のときに、スマホで録音して聞いてみると、「ここで息が苦しくなる」「ここのことばが聞きとりにくい」など、気づくことがたくさんあります。
録音の準備
静かな場所をえらぶ
録音でいちばん大切なのは、まわりの音が少ないことです。
- 車の音や、外の声が入りにくい部屋
- エアコンや換気扇の音を止められる時間
- カーテンや布の多い部屋(声がひびきすぎない)
家族がいる家なら、「この時間だけ録音したい」と伝えておくと、協力してもらいやすくなります。
道具はスマホからで十分
歌ってみたは、スマホだけでも始められます。もっと音にこだわりたくなったら、外づけのマイクやヘッドホンをそろえていくのもよいと思います。
録音の道具については、こちらの記事でくわしく紹介しています。家で歌を録音・録画する道具のえらび方。スマホ・マイク・アプリ、何をそろえればいい?
伴奏の音を用意する
歌ってみたでは、伴奏の音(オケ)を流しながら歌うことが多いです。伴奏は、ヘッドホンで聞きながら歌い、声だけを録音すると、あとで音のバランスをととのえやすくなります。
ただし、伴奏の音源には、使い方のきまりがあります。これは、あとの「公開する前にたしかめたいこと」でくわしくお話しします。
きれいに録音するコツ
スマホやマイクとの距離
口とマイクの距離が近すぎると、息の音が入ったり、声がわれたりします。遠すぎると、声が小さく、部屋のひびきが多くなります。何回か距離を変えて録音し、聞きくらべてみてください。
声の大きさを一定にしすぎない
録音を意識すると、声が小さくなりがちです。でも、ふだんどおりの気持ちで歌ったほうが、聞いている人にも伝わる歌になります。強く歌うところ、やさしく歌うところを、自然に歌い分けてみましょう。
何回か録って、いちばんよいものをえらぶ
1回でうまく録れなくても、だいじょうぶです。何回か録音して、いちばん気に入ったものをえらびましょう。ただし、何十回も続けて歌うと、のどがつかれてしまいます。休けいをとりながら進めてください。
動画もつけるなら
顔を出さずに、歌詞や写真だけの動画にする人もいます。自分がうつる場合は、明るい場所で、カメラを固定してとると見やすくなります。動画のとり方は、こちらの記事も参考にしてみてください。歌の動画をきれいにとるコツ。スマホ・マイク・部屋の音と、安心して公開するための注意点
公開する前にたしかめたいこと
音源の使い方のきまりをたしかめる
歌ってみたは、すでにある曲を使うため、曲や音源の使い方のきまりを守ることがとても大切です。
- 公開するサービスの、音楽の使い方についてのきまりを読む
- 伴奏の音源を使うときは、その音源をつくった人や会社が決めている使い方のきまりをたしかめる
- 市販のCDの音や、ほかの人の動画の音を、そのまま使わない
- 歌詞を画面に出すときのきまりも、たしかめておく
きまりは、サービスや音源によってちがい、変わることもあります。わからないときは、むりに公開せず、公式の説明をたしかめてからにしましょう。
顔や名前、住んでいる場所に気をつける
大人の方でも、ネットに公開したものは、たくさんの人が見られる状態になります。
- 本名を出すかどうか、先に決めておく
- 部屋の窓から外の景色がうつっていないか
- 郵便物や書類など、名前や住所がわかるものがうつっていないか
- 職場や家が特定されるような話をしない
一度公開したものは、消してもだれかに保存されていることがあります。公開する前に、もう一度動画を見直すくせをつけておくと安心です。
家族や同居している人への配慮
家族がうつりこんでいたり、声が入っていたりしないかも見ておきましょう。家族のことを話題にするときも、本人がいやがらないか、先に聞いておくとよいと思います。
公開の範囲をえらぶ
多くの動画サービスでは、だれでも見られる公開のほかに、リンクを知っている人だけが見られる形や、自分だけが見られる形をえらべることがあります。
はじめは、家族や親しい友だちだけに見てもらえる形で公開してみるのもおすすめです。感想を聞いてみて、「もっとたくさんの人に聞いてもらいたい」と思えたら、そのときに広く公開すればだいじょうぶです。
公開のあとで、「やっぱりこの部分は消したい」と思うこともあります。小さな範囲から始めておくと、あとから見直しやすく、気持ちも楽になります。
コメントとのつきあい方
公開すると、コメントをもらうことがあります。うれしいことばも多いですが、ときには、きびしいことばが書かれることもあるかもしれません。
- すべてのコメントに返事をしなくてもいい
- いやなことばは、読まずに消してもいい
- コメントを受けつけない設定にするのもひとつの方法
- 数字(再生回数やいいねの数)だけで、自分の歌の価値を決めない
歌ってみたは、まずは自分が楽しむためのものです。数字に一喜一憂しすぎると、歌うこと自体がつらくなってしまいます。
のどを守りながら続けるために
録音に夢中になると、つい長い時間歌い続けてしまいます。
- 録音の前に、体ほぐしや軽い発声をする
- 30分くらい歌ったら、少し休む
- 水やお茶をこまめに飲む
- 声がかすれてきたら、その日は終わりにする
痛みやかすれが何日も続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
先生にみてもらうのもおすすめ
歌ってみたを続けていると、「もっと高い声を出したい」「声の出し方を見直したい」と思う時期が来るかもしれません。そんなときは、歌の教室で先生にみてもらうのもよい方法です。録音した自分の歌を持っていくと、先生にもいまの声が伝わりやすくなります。
まとめ
- 歌ってみたは、大人でも何歳からでも始められる
- まずは目的を決め、歌いなれた曲から始める
- 録音は静かな場所で、スマホからでも十分
- 公開する前に、音源の使い方のきまりを、サービスや音源ごとにたしかめる
- 顔・名前・住所がわかるものがうつっていないか、見直してから公開する
- コメントや数字にふりまわされず、自分のペースで楽しむ
- のどの痛みやかすれが続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談する
歌ってみたで録音になれてきたら、その歌を、講評のある場に出してみるのもひとつです。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、自分の歌のよいところを知るきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ声をもっとみがきたくなったら、近くの歌の教室もさがしてみてください。歌の教室さがし