大人の発表会・コンクールのステージマナー。おじぎ・入退場・伴奏者への合図
「大人の発表会に出ることになったけれど、ステージでのマナーがわからない」 「声楽のおじぎは、どのくらい深くすればいいのだろう」
歌の練習はしてきても、ステージに出てから歌いはじめるまで、そして歌い終わってから退場するまでのふるまいは、意外と習う機会が少ないものです。大人になってからはじめて人前で歌う方は、「歌より、入ってくるところのほうが緊張する」と感じることもあるようです。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。歌いはじめる前のおちついたふるまいは、会場のふんいきをととのえるものだと感じています。
この記事では、大人の発表会やコンクールでのステージマナーにしぼって、入退場、おじぎ、伴奏者への合図などをまとめます。お子様のステージマナーについては、こちらの記事に書いています。ステージでのおじぎ・入場・退場のマナー。子どものはじめての本番に
ステージマナーは「聞く人への気くばり」
きまりよりも、ていねいさが大切
ステージマナーというと、むずかしい決まりがあるように感じるかもしれません。でも、もとになっているのは、聞きに来てくださった方への「ありがとう」と、いっしょに演奏する伴奏者への「よろしくお願いします」の気持ちです。
細かいやり方は、会や教室によって少しずつちがいます。わからないことは、先生や主催の方に、前もって聞いておくと安心です。
大人だからこそ、おちつきが伝わる
大人のステージでは、ゆっくりした動きや、ていねいなおじぎが、そのまま歌の印象につながります。いそがずに、ひとつひとつの動きを、気持ちをこめてすることを意識してみましょう。
ステージに出る前にしておくこと
出る順番と、出入りする場所をたしかめる
リハーサルや会場の下見ができるときは、つぎのことをたしかめておきましょう。
- どちらのそでから出て、どちらへもどるのか
- 立つ位置はどこか(床に目じるしがあるか)
- ピアノの位置と、伴奏者が見える角度
- 出番の前に、どこで待つのか
下見ができないときは、前の方のステージをそでから見て、歩くはばや立ち位置を目でたしかめておくと安心です。
楽譜をどうするか決めておく
声楽の発表会やコンクールでは、楽譜を見ずに歌う(暗譜で歌う)ことが多いです。楽譜を持って歌ってよい会もあるので、前もって確認しておきましょう。持つ場合は、黒など目立たない色のファイルに入れておくと、見た目がすっきりします。
服そうと、くつ
服そうは、会のふんいきに合わせます。声楽の発表会では、女性はドレスやワンピース、男性はスーツや、上着にネクタイなどが多いようです。どちらも、ステージの段や階段をのぼりおりしやすい、歩きなれたくつをえらぶと安心です。
入場のしかた
そでで、ひと呼吸する
名前がよばれたり、前の方の拍手が終わったりしたら、そでで一度ゆっくり息をはきましょう。肩の力をぬいてから、歩きはじめます。
背すじをのばして、ゆっくり歩く
ステージの上は、思っているより広く感じます。はや歩きにならないよう、いつもより少しゆっくり歩くくらいで、ちょうどよく見えます。
- 目線は、まっすぐ前か、少し客席のほうへ
- 手は、体の横に自然におろす
- ドレスのすそは、段をのぼるときだけ軽く持つ
伴奏者といっしょに出るとき
伴奏者といっしょに入場するときは、歌う人が先に出て、伴奏者があとにつづくことが多いです。どちらが先かは会によってちがうので、伴奏者と前もって話しておきましょう。
声楽のおじぎのしかた
立ち位置についてから、おじぎ
立つ位置についたら、客席のほうを向いて、一度止まります。そこから、ゆっくりおじぎをします。歩きながらおじぎをしないことが、きれいに見えるポイントです。
おじぎの深さとはやさ
声楽のおじぎは、こしから上をまっすぐにたおす形が一般的です。
- 足をそろえて立つ
- 背すじをのばしたまま、こしから前にたおす
- 目線は、自然に床のほうへ
- 下で一度止まってから、ゆっくり体をおこす
深さは、30度から45度くらいが目安といわれることが多いです。首だけ下げると、軽く見えてしまうので気をつけましょう。下げるときより、おこすときをゆっくりにすると、おちついた印象になります。
手の位置
手は、体の横におろしたままでも、前で軽く重ねてもかまいません。教室や先生によって、すすめる形がちがうこともあるので、本番の前にいちど見てもらうと安心です。
伴奏者への合図
歌いはじめの合図は、目と息で
おじぎをしたら、体をピアノのほうへ少しだけ向け、伴奏者と目を合わせます。準備ができたら、軽くうなずいたり、息をすう動きを見せたりして、「おねがいします」と伝えます。
大きく手をあげるような合図は、あまり使いません。目と小さなうなずきで伝わるように、伴奏合わせのときから同じ合図で練習しておくと、本番もあわてずにすみます。伴奏者との合わせ方は、こちらの記事でもくわしく書いています。ピアノ伴奏者との合わせ方|はじめての伴奏合わせで気をつけることと、当日までの準備
前奏のあいだのすごし方
前奏がはじまったら、歌の世界に気持ちを入れていきます。そわそわと体をゆらしたり、髪や服をさわったりしないように、しずかに立って待ちます。目線は、客席の少し上のほう、遠くを見るようにするとおちつきます。
歌っているあいだのふるまい
手の位置と動き
声楽では、歌っているあいだ、手は体の横に自然におろすか、前で軽く重ねておくことが多いです。気持ちが高まるところで、少し手が動くのはかまいません。ただ、同じ動きをくりかえしたり、指先をずっと動かしたりすると、聞く人の目がそちらへ行ってしまいます。
目線と表情
目線は、客席のうしろの方や、少し上を見るようにすると、顔が自然に上がり、声もとどきやすくなります。審査員の方や知っている人の顔をじっと見つめるより、会場ぜんたいに歌をとどけるような気持ちでいると、おちついて歌えます。曲の気持ちに合わせた表情も、ステージの大切な一部です。
歌い終わったあと
後奏が終わるまで、気持ちをたもつ
最後の音を歌いきっても、ピアノの後奏が残っているときは、まだ曲のとちゅうです。後奏が終わり、音が消えるまで、そのままの気持ちで立っていましょう。
おじぎと、伴奏者への手まねき
音が消えて拍手がおこったら、客席にむかっておじぎをします。そのあと、伴奏者のほうに手をさしのべるようにして、いっしょに拍手を受けることもよくあります。伴奏者が立ち上がったら、いっしょにもう一度おじぎをすることもあります。このあたりは会によってちがうので、伴奏者と前もって決めておきましょう。
退場もゆっくりと
おじぎが終わったら、入ってきたときと同じように、ゆっくり歩いてそでへもどります。そでに入るまでがステージです。ほっとして、とちゅうで小走りになったり、表情がくずれたりしないよう気をつけましょう。
まちがえたときのふるまい
顔に出さずに、歌いつづける
歌詞が一瞬出てこなかったり、入るところをまちがえたりすることは、だれにでもあります。そんなときも、表情をかえずに歌いつづけることが大切です。伴奏者は、歌い手に合わせてくれることが多いので、おちついて次のフレーズに入りましょう。
止まってしまったら
どうしても止まってしまったときは、伴奏者に目でたのみ、ちょうどよいところから歌いなおしてかまいません。発表会であれば、聞いている方もあたたかく見守ってくれます。歌い終わったら、いつもどおりていねいにおじぎをして退場しましょう。
出番の前と後、客席でのマナー
- ほかの方が歌っているあいだは、席を立たない
- 出入りは、曲と曲のあいだの拍手のときにする
- スマホの音を消し、画面の明かりにも気をつける
- 録画や写真は、会の決まりにしたがう
- 自分の出番が終わっても、できるだけほかの方の歌も聞く
花束や差し入れのわたし方など、会場でのマナーはほかにもあります。会によって決まりがちがうので、案内をよく読んでおきましょう。
まとめ
- ステージマナーのもとは、聞く人と伴奏者への気くばり
- 出入りする場所や立ち位置は、リハーサルや下見でたしかめる
- 入場はゆっくり、立ち位置で止まってからおじぎ
- 声楽のおじぎは、背すじをのばしてこしからたおし、ゆっくりおこす
- 伴奏者への合図は、目と小さなうなずき、息で伝える
- 後奏が終わるまで気持ちをたもち、そでに入るまでがステージ
- まちがえても顔に出さず、おちついて歌いつづける
ステージのふるまいは、いちど身につけると、どの舞台でも自信につながります。発表会がある教室をさがしたい方は、歌の教室さがしページものぞいてみてください。歌の教室さがし人前で歌う前に、まず動画で歌を聞いてもらいたい方には、こどもの歌声グランプリもあります。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、ステージにむけた練習のひとつとして、つかってみてください。こどもの歌声グランプリ