屋外で歌うときのコツ。お祭り・イベント・野外ステージでの注意
「夏祭りのステージで、歌うことになりました」 「地域のイベントで、野外ステージに立つけれど、外で歌うのははじめて」
お祭りやイベント、学校や地域の行事など、屋外で歌う機会は意外と多いものです。ところが、いざ外で歌ってみると、室内とはまったくちがう感じにとまどう方が少なくありません。
わたしは、息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。歌う場所がかわると、声の聞こえ方も、体のコンディションも大きくかわります。とくに屋外は、天気や気温、まわりの音など、自分ではどうにもできないことがたくさんあります。
この記事では、屋外で歌うコツを、音の聞こえ方、暑さと寒さ、のどの乾燥、服そうと持ち物、マイクの使い方に分けてお話しします。はじめて野外ステージに立つお子様のお父様・お母様にも、大人の方にも、役立ててもらえたらうれしいです。
屋外で歌うと、何がちがう?
声がひびかない
室内では、かべや天井に声がはねかえって、ひびきが生まれます。屋外にはかべも天井もないので、声はそのまま空に広がっていきます。そのため、自分の声がとても小さく、うすく聞こえることが多いです。
まわりの音が多い
お祭りやイベントでは、人の話し声、屋台の音、車の音、風の音など、いろいろな音があります。伴奏や自分の声が聞きとりにくくなることもあります。
天気や気温の影響を受けやすい
暑さ、寒さ、風、日ざし、ときには雨など、天気によって体のコンディションが大きくかわります。のどがかわきやすかったり、体がひえて声が出にくくなったりすることもあります。
こうしたちがいを、あらかじめ知っておくだけで、当日のとまどいがずいぶんへります。
音の聞こえ方とのつきあい方
「声が小さく聞こえる」のはふつうのこと
屋外では、自分の声が返ってこないので、どうしても声が小さく感じます。でも、これは屋外で歌う多くの人が感じることです。聞こえないからといって、のどに力を入れて大声を出すと、のどをいためる原因になります。
ふだんどおりの声で、ひびきと息の流れを大切にして歌うことを意識しましょう。
伴奏をよく聞く
まわりの音が多いと、伴奏が聞きとりにくくなります。リハーサルや音の確認ができるときは、伴奏がどのくらい聞こえるかを、かならずたしかめておきましょう。聞こえにくいときは、スタッフの方に「伴奏をもう少し聞こえるようにしてもらえますか」と相談してもよいと思います。
体でリズムをとる
伴奏が聞こえにくいときに、たよりになるのが体の中のリズムです。ふだんの練習から、曲のテンポを体でおぼえておくと、屋外でもあわてにくくなります。ひざを軽くゆらしたり、心の中で拍をかぞえたりするのも1つの方法です。
風の向きに気をつける
風が強い日は、声が風に流されたり、マイクに風の音が入ったりします。立つ位置を少しかえられるときは、風が真正面から吹きつけない向きを選ぶと、歌いやすくなることがあります。
暑い日に歌うときの注意
水分をこまめにとる
夏の屋外では、立っているだけでも汗をかき、体の水分が少なくなります。のども乾燥しやすくなります。本番の前だけでなく、朝からこまめに水やお茶をのんでおきましょう。冷たすぎる飲みものより、常温に近いものが、のどにはやさしいことが多いです。
日かげで待つ
出番を待つあいだは、できるだけ日かげやテントの中ですごしましょう。帽子や日がさを用意しておくと安心です。お子様は、夢中になると暑さに気づきにくいので、お父様・お母様が「お水のもうね」「すずしいところにいようね」と声をかけてあげてください。
体調がおかしいと感じたら無理をしない
頭が痛い、気分が悪い、ふらふらするなど、いつもとちがう感じがあるときは、無理をして歌わないことがいちばん大切です。すぐにすずしいところで休み、スタッフの方に伝えましょう。具合がよくならないときは、お医者さんにみてもらってください。
寒い日に歌うときの注意
体をひやさない
秋や冬のイベントでは、体がひえて、声が出にくくなることがあります。出番の直前まで、上着やひざかけで体をあたためておきましょう。首まわりをマフラーなどでつつんでおくのもおすすめです。
声を少しずつ起こす
寒いと、体もかたくなりやすいです。本番の前に、肩や首をゆっくり回したり、軽く足ぶみしたりして、体をあたためましょう。そのあと、ハミングなど小さな声から、少しずつ声を出していくと、のどにやさしいです。
手先もあたためる
手がつめたいと、体全体がかたくなりやすいです。カイロなどで手をあたためておくと、気持ちもほっとして、リラックスしやすくなります。
のどの乾燥をふせぐ工夫
外の空気はのどをかわかしやすい
屋外では、風や日ざしで、のどが乾燥しやすくなります。とくに、ほこりの多い場所や、風の強い日は注意が必要です。
マスクをつかう
出番を待つあいだは、マスクをしておくと、のどの乾燥をふせぎやすくなります。
鼻から息をすう時間をつくる
待ち時間には、口をとじて、鼻からゆっくり息をすうようにすると、のどがかわきにくくなります。おしゃべりをしすぎないことも、のどを守るためには大切です。
歌ったあとものどをいたわる
本番のあとは、水をのんで、のどを休めましょう。屋外で歌ったあとに、のどの痛みやかすれが何日も続くときは、無理をせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。子どものどの守り方は、こちらの記事にもまとめています。子どもののどを守るためにできること。歌をがんばる子の毎日のケア
服そうと持ち物
天気に合わせて調節できる服を
屋外のイベントでは、時間によって気温が大きくかわることがあります。脱いだり着たりして調節できる服そうがおすすめです。衣装が決まっているときも、出番の前後に羽織れる上着を用意しておきましょう。
足もとは安全なものを
野外ステージは、地面がでこぼこしていたり、すべりやすかったりすることがあります。歩きやすく、すべりにくいくつを選びましょう。
あると安心な持ち物
- 水やお茶(常温に近いもの)
- タオルやハンカチ
- 帽子や日がさ(暑い日)
- 上着やカイロ(寒い日)
- マスク
- 雨具(天気がかわりやすい日)
- 歌詞や楽譜(ぬれないようにファイルに入れて)
お子様の場合は、着がえを1組持っていくと、汗をかいたときや、よごれたときにも安心です。
マイクを使うときのコツ
マイクとの距離を一定に
屋外では、マイクを使うことが多いです。マイクと口の距離がかわると、声の大きさが大きくかわってしまいます。歌っているあいだは、マイクとの距離をできるだけ一定にたもちましょう。
大声を出さなくてだいじょうぶ
マイクがあるときは、自分の声が小さく聞こえても、マイクが声を運んでくれます。無理に声をはりあげず、ふだんどおりの声で歌うことを心がけましょう。マイクの持ち方や距離については、こちらの記事でもくわしくお話ししています。大人のマイクの使い方。歌うときの持ち方と口との距離、ハウリングをふせぐコツ
スピーカーの前に立たない
スピーカーの前にマイクを向けると、「キーン」という音が出ることがあります。立つ位置は、スタッフの方の案内にしたがいましょう。
屋外ステージならではの楽しみ方
お客様との距離が近い
屋外のイベントでは、お客様が通りがかりに足を止めて聞いてくれることもあります。ホールのコンサートとはちがう、気軽で楽しいふんいきがあるのも、屋外ステージのよさです。
完ぺきをめざしすぎない
屋外は、音の聞こえ方も天気も、思いどおりにならないことがたくさんあります。少しくらい音がずれたり、声がうまく出なかったりしても、気にしすぎなくてだいじょうぶです。お客様といっしょに、その場を楽しむ気持ちを大切にしてください。
笑顔で、目線は前へ
まわりの音が多いと、つい下を向いて、伴奏を聞こうとしてしまいます。でも、目線を前に向けて、笑顔で歌うと、声も前に出やすく、お客様にも気持ちが伝わりやすくなります。
まとめ
- 屋外では声がひびかず、まわりの音も多いので、声が小さく聞こえやすい
- 大声を出さず、ふだんどおりの声で、ひびきと息の流れを大切にする
- 伴奏の聞こえ方はリハーサルでたしかめ、体でもリズムをとる
- 暑い日は水分と日かげ、寒い日は体をあたためることを忘れずに
- 待ち時間はマスクや鼻からの呼吸で、のどの乾燥をふせぐ
- 体調がおかしいときは無理をせず、のどの痛みやかすれが続くときはお医者さんに相談する
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