大人のマイクの使い方。歌うときの持ち方と口との距離、ハウリングをふせぐコツ
「マイクを持つと、どこを持てばいいのか、急にわからなくなる」 「歌うときのマイクの距離が、近すぎるのか遠すぎるのか、よくわからない」
カラオケではなんとなくマイクを使っていても、発表会やライブなど人前で歌うとなると、マイクの持ち方や距離が気になる方は多いと思います。録音を聞いたら、声がこもっていたり、とつぜん大きくなったりして、おどろいたという声もよく聞きます。
わたしは、息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールに出てきました。会場によってマイクのあるなしもさまざまで、マイクの使い方ひとつで、歌の聞こえ方が大きくかわることを感じてきました。
この記事では、大人の方が歌うときのマイクの使い方をまとめます。マイクの持ち方、口との距離、声の大きさに合わせた動かし方、そしてハウリング(キーンという音)をふせぐコツまで、発表会・ライブ・カラオケのどれでも役に立つ内容です。
お子様がマイクで歌うときのコツは、別の記事にまとめています。子どもがマイクで歌うときのコツ|持ち方・口との距離・はじめての発表会で気をつけること
まず知っておきたい、マイクのきほん
マイクは「声をひろう道具」
マイクは、口から出た声をひろって、スピーカーから大きくして流す道具です。マイクが声を上手にしてくれるわけではありません。ふだんの歌い方がそのまま大きくなる、と考えておくとよいと思います。
そのため、マイクを使うときこそ、むりのない、らくな声で歌うことが大切です。
歌でよく使われるのは、先がまるいマイク
カラオケや発表会で手に持って使うマイクは、先がまるい形をしているものが多いです。こうしたマイクの多くは、先のまるい部分の正面の声を、よくひろうようにつくられています。
つまり、マイクの先を口のほうにまっすぐ向けることが、いちばんのポイントです。
会場によって、マイクの感じはちがう
同じように歌っても、会場やお店、スピーカーによって、声の聞こえ方はちがいます。本番の前に、少しでも声を出してためせる時間があれば、マイクの感じをたしかめておくと安心です。
歌うときのマイクの持ち方
にぎるのは、マイクのまんなかあたり
マイクは、持つところ(柄の部分)のまんなかあたりを、やさしくにぎりましょう。
- 先のまるい部分(あみの部分)は、手でつつまない
- にぎる力は、えんぴつを持つより少しつよいくらい
- ひじは、体からこぶし1つ分くらいはなす
先のあみの部分を手でつつむように持つと、声がこもったり、ハウリングがおきやすくなったりすることがあります。かっこよく見えるからと、先をにぎりこむ持ち方はひかえたほうが安心です。
マイクの向きは「口にまっすぐ」
マイクの先が、口のほうをまっすぐ向くように持ちます。マイクが下を向いていたり、ななめになっていたりすると、声をひろいにくくなります。
鏡の前で、マイクのかわりにペンやヘアブラシを持ってみて、向きをたしかめてみてください。
肩やうでに力を入れない
マイクを持つと、うでや肩に力が入りやすくなります。力が入ると、体がかたくなり、声も出にくくなります。歌う前に肩を回したり、軽くゆすったりして、力をぬいておきましょう。
あいている手の置き場所
マイクを持っていないほうの手は、体の横に自然におろしておけばだいじょうぶです。曲に合わせて少し動かしてもかまいません。手の置き場所にこまるときは、おなかのあたりに軽くそえておくと、落ちつきやすいという方もいます。
口との距離のめやす
ふつうの声のときは、こぶし1つ分くらい
歌うときのマイクと口の距離は、ふつうの大きさの声なら、こぶし1つ分くらいがひとつのめやすです。指2本から3本分くらい、という言い方をすることもあります。
ただ、ちょうどよい距離は、マイクや会場、声の大きさによってちがいます。まずはこのくらいからはじめて、聞こえ方をたしかめながら調整していきましょう。
近すぎると、どうなる?
口にマイクをつけるくらい近づけると、こんなことがおきやすくなります。
- 声がこもって、ことばが聞きとりにくくなる
- 「パ」「ブ」などの音で、ボフッという風のような音が入る
- 息の音が大きく聞こえる
遠すぎると、どうなる?
反対に、マイクが遠すぎると、声が小さく、うすく聞こえます。音量を上げてもらうと、こんどはハウリングがおきやすくなることもあります。
声の大きさに合わせて、距離をかえる
歌が上手に聞こえる方は、声の大きさに合わせて、マイクとの距離を少しずつかえていることが多いです。
- 小さな声、やさしく歌うところは、少し近づける
- 大きな声、高い音で強く歌うところは、少しはなす
- 息を大きくすうときは、マイクを少し口からずらす
いっぺんに大きく動かすのではなく、こぶし半分くらいの、小さな動きでかまいません。この動かし方ができると、歌ぜんたいの音の大きさがそろって、聞きやすくなります。
ことばの「パ行」「バ行」に気をつける
「パ」「ピ」「プ」や「バ」「ブ」などの音は、口から強い息が出やすい音です。マイクに息が直接あたると、ボフッという音が入ることがあります。こうした音が多いところでは、マイクを口の正面から少しだけ下にずらすと、やわらぎやすくなります。
ハウリングをふせぐコツ
ハウリングとは?
ハウリングは、スピーカーから出た音を、マイクがもう一度ひろってしまうことでおきる、キーンやボーという大きな音です。とつぜん鳴るとびっくりしますし、聞いている人にとっても、耳がつらい音です。
スピーカーの前に立たない
ハウリングをふせぐために、いちばん大切なのは立ち位置です。
- スピーカーの正面や、すぐ近くに立たない
- スピーカーの前を、マイクを持ったまま横切らない
- マイクの先を、スピーカーのほうに向けない
ステージに上がったら、まずスピーカーがどこにあるかを見ておきましょう。
マイクの先を手でつつまない
さきほどもお話ししたように、マイクの先のあみの部分を手でつつむと、ハウリングがおきやすくなることがあります。持つところをにぎる、という基本を守るだけでも、ちがってきます。
歌っていないときのマイクの向き
前奏や間奏など、歌っていないときに、マイクを下に向けてスピーカーのほうへ向けてしまうことがあります。歌っていないときは、マイクを胸のあたりで持ち、先を自分のほうか、上のほうに向けておくと安心です。
ハウリングがおきたら、あわてずはなれる
もしハウリングがおきても、あわてなくてだいじょうぶです。スピーカーから少しはなれる、マイクの向きをかえる、マイクを口から少しはなす、などをためしてみてください。発表会やライブでは、音の係の方が調整してくれることも多いので、気になったら伝えましょう。
場面ごとのマイクの使い方
発表会・ライブのとき
発表会やライブでは、本番の前に音のチェック(リハーサル)があることが多いです。このときに、ふだんの声の大きさで歌ってみて、聞こえ方をたしかめておきましょう。
- 本番と同じ声の大きさで歌う
- いちばん大きな声を出すところも、ためしておく
- 返しのスピーカー(足もとのスピーカー)の音が聞こえるか、たしかめる
大人の発表会の準備や当日の流れは、こちらの記事にもまとめています。大人の発表会・ライブにはじめて出るとき。準備、衣装、緊張とのつきあい方
スタンドにマイクを立てて歌うとき
マイクスタンドを使うときは、歌いはじめる前に、マイクの高さと向きを口に合わせておきます。立った姿勢をくずさずに歌える高さにしておくと、のどにむりがかかりにくくなります。歌いながらのぞきこむような姿勢にならないよう、気をつけましょう。
カラオケのとき
カラオケでは、マイクの音量やエコーを自分で調整できることが多いです。音量を上げすぎると、ハウリングがおきやすくなるうえ、自分の声が大きく聞こえるため、つい声をおさえすぎてしまうこともあります。まずは、ふつうの話し声がちょうどよく聞こえるくらいの音量にしておくのがおすすめです。
マイクの練習は、家でもできる
ペンやヘアブラシで練習する
本物のマイクがなくても、ペンやヘアブラシをマイクに見立てて練習できます。鏡の前で、持ち方、向き、口との距離をたしかめながら歌ってみましょう。声の大きさに合わせて少し動かす練習も、家でできます。
録音して聞いてみる
スマホで歌を録音して、聞いてみるのもよい方法です。スマホをマイクに見立てて、口との距離をかえながら録音すると、近すぎたとき、遠すぎたときの聞こえ方のちがいがわかりやすくなります。
のどを大切にしながら歌う
マイクがあると、大きな声を出さなくても、声がとどきます。むりに声をはりあげず、らくな声で歌うことを心がけましょう。歌ったあとにのどが痛い、声がかすれるといったことが続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
まとめ
- マイクは声をひろう道具。ふだんの歌い方がそのまま大きくなる
- 持つところのまんなかをやさしくにぎり、先は口にまっすぐ向ける
- 口との距離は、こぶし1つ分くらいからはじめて調整する
- 小さな声は少し近く、大きな声は少しはなして、音の大きさをそろえる
- スピーカーの前に立たない、先を手でつつまないことでハウリングをふせぐ
- 発表会やライブでは、音のチェックで聞こえ方をたしかめる
- ペンやスマホをつかって、家でも練習できる
マイクの使い方になれてくると、人前で歌うことが、ぐっと楽しくなります。もっとしっかり歌い方を習いたいと思ったら、近くの教室やオンラインのレッスンもさがしてみてください。歌の教室さがし練習した歌をだれかに聞いてもらいたくなったときは、こどもの歌声グランプリもあります。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、自分の歌を見つめなおすきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ