発表会や本番で泣いてしまう子供へ。歌のステージがこわい気持ちとのつきあい方
「発表会の前になると、泣いてしまって、ステージに出られない」 「本番の途中で泣いてしまい、最後まで歌えなかった」
歌の発表会やコンクールで、お子様が泣いてしまうことは、けっしてめずらしいことではありません。とくに小さなお子様や、はじめてステージに立つお子様には、よくあることです。
それでも、目の前でお子様が泣いていると、お父様・お母様もあわててしまいますよね。「どう声をかけたらいいの」「このまま歌をやめてしまうのでは」と、心配になる方も多いと思います。
わたしは、息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。泣いてしまうことは、その子がだめだということではなく、それだけ真剣に向き合っているしるしでもあると、わたしは思っています。
この記事では、発表会や本番で泣いてしまうお子様に、お父様・お母様ができることをまとめました。緊張している子へのことばかけについては、別の記事でくわしくお話ししているので、ここでは「泣いてしまうとき」にしぼってお話しします。
本番で泣いてしまうのは、なぜ?
こわい気持ちが大きくなる
大きな会場、たくさんのお客様、まぶしいライトなど、ステージにはふだんとちがうことがたくさんあります。大人でもどきどきする場所なので、お子様がこわいと感じるのは、とても自然なことです。
「うまくやらなきゃ」という気持ち
がんばって練習してきたお子様ほど、「まちがえたらどうしよう」「うまく歌えなかったらどうしよう」という気持ちが強くなることがあります。その気持ちがいっぱいになって、なみだになってしまうこともあります。
つかれや、いつもとちがう1日
発表会の日は、朝が早かったり、待ち時間が長かったり、着なれない衣装を着ていたりと、お子様にとって、いつもとちがうことばかりです。つかれやおなかのすき具合も、気持ちに大きく影響します。
お父様・お母様とはなれる不安
小さなお子様の場合、舞台そでや控え室で、お父様・お母様とはなれることがこわくて泣いてしまうこともあります。
泣いてしまうことを、だめなことにしない
泣くのは、気持ちを出しているだけ
お子様が泣いていると、つい「泣かないの」「がんばって」と言いたくなります。でも、泣くことは、こわい気持ちや不安な気持ちを外に出しているだけです。まずは、「こわいんだね」「どきどきするよね」と、気持ちを受けとめてあげることが大切です。
お父様・お母様があわてない
お子様は、お父様・お母様の表情をよく見ています。お父様・お母様があわてたり、こまった顔をしたりすると、お子様の不安も大きくなりやすいです。むずかしいかもしれませんが、深呼吸をして、ゆったりした声で話しかけてみてください。
まわりとくらべない
ほかのお子様がにこにこ歌っているのを見ると、「どうしてうちの子だけ」と思ってしまうこともあるかもしれません。でも、ステージへの向き合い方は、ひとりひとりちがいます。くらべずに、いまのお子様を見てあげてください。
本番の前にできること
どんなことが起きるか、前もって話しておく
知らないことは、こわいものです。「受付をして、お着がえをして、順番を待って、名前をよばれたらステージに行くよ」と、当日の流れを前もって話しておくと、お子様の不安が小さくなることがあります。
できれば、会場の写真を見せたり、ステージに出て礼をするところまで、おうちで練習してみたりするのもよい方法です。
「泣いてもいいよ」と伝えておく
意外に思われるかもしれませんが、「もし泣いちゃっても、だいじょうぶだよ」と前もって伝えておくと、お子様の気持ちが軽くなることがあります。「泣いてはいけない」と思うほど、なみだが出やすくなることもあるからです。
当日は、時間にゆとりをもつ
あわただしい朝は、お子様の気持ちもざわざわしやすくなります。会場には早めにつき、トイレや着がえをすませて、ゆっくりすごせる時間をつくりましょう。おなかがすきすぎないように、軽く食べられるものを用意しておくのもおすすめです。
安心できるものを持っていく
お気に入りの小さなぬいぐるみやハンカチなど、お子様が安心できるものを、待ち時間に持たせてあげるのもよいと思います。教室や会場のきまりに合わせて、ステージには持っていかないなど、使い方を決めておきましょう。
舞台そでや待ち時間に泣いてしまったら
まずは、そばにいる
泣いているお子様には、たくさんのことばより、そばにいてあげることが大きな安心になります。手をにぎったり、背中をそっとさすったりしながら、落ち着くまで待ってあげてください。
ゆっくり息をする
なみだが出ているときは、息が浅く、早くなっていることが多いです。「いっしょに、ふーってしようか」と声をかけて、ゆっくり息をはく練習をしてみましょう。息がゆっくりになると、気持ちも少しずつ落ち着いてきます。
先生やスタッフに相談する
順番をかえてもらえるか、少し時間をもらえるかなど、教室の先生や会場のスタッフの方に相談してみましょう。できること、できないことは会場によってちがいますが、先生は、こうした場面になれていることが多いです。ひとりでかかえこまずに、早めに伝えることが大切です。
「出ない」という選択もある
どうしても気持ちが落ち着かないときは、無理にステージに立たせないことも、1つの選択です。こわい気持ちのまま無理をすると、歌そのものがいやになってしまうこともあります。「今日はここまでがんばったね」と、そこまでの努力をみとめてあげてください。
ステージの上で泣いてしまったら
客席から、笑顔で見守る
ステージの上でなみだが出てしまったら、客席にいるお父様・お母様は、どうか笑顔で見守ってあげてください。お子様が客席を見たときに、やさしい顔が見えると、それだけで安心することがあります。
歌いきっても、とちゅうでおわっても
泣きながらでも最後まで歌えたら、それはとても大きながんばりです。とちゅうで歌えなくなってしまっても、ステージに立ったこと自体が、りっぱなチャレンジです。どちらの場合も、お子様のがんばりに変わりはありません。
終わったあとの声かけ
結果より、がんばりをみとめる
ステージがおわったら、まずは「よくがんばったね」「ステージに立てたね」と、がんばりをみとめてあげましょう。うまく歌えたかどうか、泣いたかどうかより、その日までに練習してきたことや、ステージに向かった勇気を伝えてあげてください。
その日のうちに反省会をしない
お父様・お母様としては、「つぎはどうしようか」と話したくなるかもしれません。でも、その日は、お子様もつかれています。反省や、つぎの話は、何日かたって、お子様の気持ちが落ち着いてからにしましょう。
お子様の気持ちを聞いてみる
気持ちが落ち着いたら、「ステージ、どんな感じだった?」と、やさしく聞いてみてください。「こわかった」「ライトがまぶしかった」など、お子様のことばで話してもらうと、つぎの準備のヒントが見つかることがあります。
結果が思うようにいかなかったときの声かけは、こちらの記事にもまとめています。コンクールで思うような結果が出なかったとき。親子でのふりかえり方
つぎのステージにつなげるために
小さなステージからなれていく
いきなり大きな会場で歌うのではなく、おうちでの小さな発表会や、おじいさま・おばあさまの前で歌うなど、小さなステージから少しずつなれていく方法もあります。人前で歌う回数がふえると、ステージへのこわさが少しずつ小さくなることが多いです。
動画で参加できる場をつかう
会場に行くことに強い不安があるお子様には、おうちで撮った動画で参加できる発表の場をつかうのも1つの方法です。なれた場所で、なれた人の前で歌えるので、安心して力を出しやすくなります。
お子様のペースを大切に
ステージがこわいと感じる時期は、成長とともにかわっていくことが多いです。「もう一度出たい」と思えるまで、お子様のペースを待ってあげてください。歌が好きという気持ちを守ることが、いちばん大切です。
本番の前の緊張そのものへのことばかけは、こちらでくわしくお話ししています。本番で緊張する子へのことば。歌のコンクール前に親ができること
まとめ
- 本番で泣いてしまうのは、めずらしいことではない
- 泣くのは気持ちを出しているだけ。まずは受けとめてあげる
- 本番前に当日の流れを話し、「泣いてもいいよ」と伝えておく
- 待ち時間に泣いたら、そばにいて、ゆっくり息をする。先生やスタッフにも相談する
- どうしてもむずかしいときは、出ないという選択もある
- 終わったあとは、結果よりがんばりをみとめ、反省会は日をあらためて
- 小さなステージや動画での発表から、お子様のペースでなれていく
ステージがこわいお子様でも、なれた場所でなら、のびのびと歌えることがあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られるので、おうちで撮った動画で参加できます。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、お子様の自信につながるきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ