歌を友だちにからかわれた子へ。お父様・お母様ができる声かけ
「歌っていたら、友だちに笑われた」 「声がへんって、からかわれたから、もう歌いたくない」
お子様からこんなことばを聞いたら、お父様・お母様の心も、きゅっといたくなりますよね。歌が好きな子ほど、からかわれたときのショックは大きいものです。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、お子様が歌を友だちにからかわれたり、笑われたりしたときに、お父様・お母様ができる声かけについてお話しします。まず話を聞くこと、かけたいことば、さけたいことば、そして歌をきらいにならないための工夫までをまとめました。からかわれたことは、つらいできごとです。でも、おうちの方の受けとめ方しだいで、お子様の気持ちは少しずつ軽くなっていきます。
子供が歌をからかわれるのは、どんなとき?
よくある場面
歌をからかわれたり、笑われたりする場面は、いろいろあります。
- 音楽の授業や、歌のテストで歌ったとき
- 休み時間に、口ずさんでいたとき
- 合唱で、声が目立ったとき
- 声の高さや、声の感じを言われたとき
- 一生けんめい歌う姿を、まねされたとき
からかう側に、深い意味がないことも
子どもどうしのからかいは、相手を深く傷つけようとしているのではなく、なんとなく、おもしろがって言っていることも多いです。ふだんとちがう声や、本気で歌う姿が、めずらしく見えただけということもあります。
ただ、言った側に深い意味がなくても、言われた側がつらいことにかわりはありません。「そんなの気にしなくていいよ」とすぐに流すのではなく、まずはお子様の気持ちに目をむけてあげたいですね。
まずは、話を聞くことから
話してくれたことを、受けとめる
お子様が「笑われた」と話してくれたら、それは、おうちの方を信じて話してくれたということです。まずは、さいごまで話を聞きましょう。
- 手を止めて、お子様の顔を見て聞く
- 話をさえぎらない
- 「それで、どう思ったの?」と、気持ちを聞く
- 「話してくれてありがとう」と伝える
すぐにアドバイスをしない
おうちの方は、つい「こうしたらいいよ」とアドバイスをしたくなります。でも、お子様がまず求めているのは、「つらかったね」と分かってもらうことかもしれません。アドバイスは、気持ちが落ち着いてからでも、おそくありません。
話したがらないときは
自分から話さない子もいます。そんなときは、むりに聞き出さなくても大丈夫です。「何かあったら、いつでも聞くからね」と伝えて、そっと見守りましょう。おふろやねる前など、ゆったりした時間に、ぽつりと話してくれることもあります。
かけたいことば
気持ちに寄りそうことば
- 「それは、いやだったね」
- 「はずかしかったね。くやしかったね」
- 「話してくれて、うれしいよ」
まずは、お子様が感じた気持ちを、そのままことばにしてあげます。「いやだと思っていいんだよ」と伝わるだけで、お子様は少し安心できます。
歌のよさを伝えることば
- 「あなたの歌、大好きだよ」
- 「一生けんめい歌っている姿、すてきだと思う」
- 「声がのびのびしていて、聞いていて気持ちいいよ」
からかわれたことで、お子様は「自分の歌はへんなんだ」と思いこんでいるかもしれません。おうちの方が、具体的に歌のよいところを伝えてあげると、自信をとりもどすきっかけになります。ほめ方のコツは、こちらの記事にもまとめています。歌で子どもの自信を育てる。ほめ方とことばかけ
「声はひとりひとりちがう」と伝える
声は、顔と同じように、ひとりひとりちがいます。高い声、低い声、やわらかい声、元気な声。どれも、その子だけの声です。「ちがうのは、へんなことじゃないよ」と伝えてあげてください。
さけたいことば
気持ちを軽く流すことば
- 「そんなこと、気にしなくていいの」
- 「よくあることだよ」
- 「そのくらいで泣かないの」
はげますつもりでも、お子様には「分かってもらえなかった」と感じられることがあります。
お子様に原因があるように聞こえることば
- 「大きな声で歌うからだよ」
- 「歌い方がへんだったんじゃない?」
- 「もっと上手に歌えばいいのに」
からかわれた理由を、お子様の歌い方のせいにしてしまうと、お子様はますます歌うことがこわくなってしまいます。
相手をわるく言いすぎることば
相手の子をきつくわるく言うと、お子様が学校で気まずくなってしまうこともあります。「そういうことを言うのは、よくないね」くらいにとどめておくのがよいと思います。
歌をきらいにならないための工夫
しばらくは、歌うことをすすめすぎない
からかわれたすぐあとは、歌うことがいやになっているかもしれません。そんなときは、「歌ってみて」とすすめすぎず、そっとしておきましょう。好きな歌を、いっしょに聞くだけでも十分です。
おうちを、安心して歌える場所に
外で笑われても、おうちでは、のびのび歌っていい。そう思える場所があることは、お子様にとって大きな支えになります。
- お子様が歌っていたら、笑顔で聞く
- 歌について、からかうような冗談は言わない
- おうちの方もいっしょに、楽しく歌う
おうちの方が歌に自信がなくても大丈夫です。いっしょに楽しむ気持ちが、いちばん大切です。親が歌が苦手でも、子供の歌は応援できる。音痴でもだいじょうぶな関わり方
小さな「できた」をいっしょによろこぶ
元気が出てきたら、好きな歌を1曲歌えた、家族の前で歌えた、といった小さな「できた」を、いっしょによろこびましょう。少しずつ、また歌うことを楽しめるようになっていきます。
お子様が決めた形を大切に
「学校では小さな声で歌いたい」「みんなの前では歌いたくない」という時期があっても、それはお子様が自分を守るための工夫です。むりに変えようとせず、お子様の気持ちを大切にしてあげてください。
また言われたときの「こたえ方」をいっしょに考える
言い返さなくてもいい
お子様が少し落ち着いてきたら、また同じことを言われたときにどうするかを、いっしょに考えておくのもよいと思います。かならず言い返さなければいけない、ということはありません。
- 聞こえないふりをして、その場をはなれる
- 「やめて」と、短くはっきり言う
- 仲のよい友だちのそばにいる
- 先生に「こまっている」と伝える
おうちで、ことばを練習してみる
いざというときに、ことばが出てこない子も多いです。おうちで、お父様・お母様が相手役になって、「やめて」と言う練習をしてみるのもひとつの方法です。あそびのように、明るいふんいきでやってみてください。言えるかどうかよりも、「こまったときにできることがある」と知っておくことが、お子様の安心につながります。
どれをえらぶかは、お子様にまかせる
どのこたえ方がよいかは、お子様の性格や、相手との関係によってちがいます。おうちの方が決めてしまわずに、「あなたは、どれならできそう?」と聞いて、お子様がえらんだ方法を応援してあげましょう。
おうちの中でも、気をつけたいこと
きょうだいの間のからかい
歌のからかいは、学校だけでなく、おうちの中で起こることもあります。きょうだいが、ふざけて歌をまねしたり、笑ったりすることもあるかもしれません。おうちの中では、「人の歌を笑わない」というやくそくを、家族みんなで大切にしたいですね。
大人の何気ないひとことにも
大人がじょうだんのつもりで言った「声が大きいね」「その歌い方、おもしろいね」ということばが、お子様には気になっていることもあります。からかわれたあとの時期は、とくに、歌についてのことばえらびに気をつけてあげてください。
学校での歌の時間がいやなとき
先生に、そっと伝えておく
音楽の授業や歌のテストがつらくなっているときは、担任の先生や音楽の先生に、ようすを伝えておくのもひとつの方法です。お子様にどうしてほしいかを聞いてから、伝えるようにしましょう。
先生と相談するときのポイント
- 何があったのかを、落ち着いて伝える
- 相手の子をせめるより、お子様のようすを中心に話す
- 学校でのようすを、見てもらえるようにお願いする
つらい状態が続くときは
からかいは、時間がたつと落ち着いていくこともあります。でも、次のようなようすが続くときは、ひとりでかかえこまず、相談してください。
- 学校に行きたがらない日が続く
- ねむれない、食欲がないなど、体の調子がかわる
- からかいが何度もくり返されている
- 笑顔がへって、元気がない日が続く
まずは学校の先生に相談しましょう。学校のスクールカウンセラーや、地域の子どもの相談窓口に話を聞いてもらうこともできます。おうちの方だけでなやまず、まわりの力をかりてください。
まとめ
- 子供が歌をからかわれたり笑われたりしたら、まず、さいごまで話を聞く
- 「いやだったね」と気持ちに寄りそい、歌のよいところを具体的に伝える
- 「気にしないの」「歌い方のせい」といったことばは、さける
- おうちを、安心して歌える場所にしてあげる
- 学校での歌の時間がつらいときは、先生にそっと伝える
- つらい状態が続くときは、学校や相談窓口に相談する
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