子どものミュージカル・劇団の歌のレッスンとは?声楽やボイトレとのちがいと、はじめ方
「ミュージカルを見てから、うちの子が毎日まねをして歌っている」 「劇団やミュージカルスクールに興味があるけれど、歌の教室とは何がちがうの?」
歌うことが大好きなお子様のなかには、ミュージカルの舞台にあこがれる子もいます。歌いながらおどったり、役になりきってお芝居をしたりする姿は、見ているだけでわくわくしますよね。
わたしは息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールに出てきました。会場では、声楽を習っているお子様、ボイトレに通っているお子様、ミュージカルや劇団で歌っているお子様など、いろいろな習い方をしているお子様に出会ってきました。同じ「歌」でも、習ってきた場所によって、歌い方や表現の仕方に、それぞれのよさがあると感じています。
この記事では、お父様・お母様に向けて、子どものミュージカル・劇団の歌のレッスンがどんなものか、声楽やボイトレとのちがい、はじめ方や教室えらびのポイントをまとめます。
ミュージカル・劇団の歌のレッスンって、どんなもの?
歌・おどり・お芝居を、まとめて学ぶ
ミュージカルは、歌とおどりとお芝居で物語をつたえる舞台です。そのため、子ども向けのミュージカルスクールや劇団では、歌だけでなく、次のようなことを学ぶことが多いです。
- 歌(ミュージカルの歌、合唱など)
- おどり(ダンス、バレエの基礎など)
- お芝居(せりふの言い方、役の気持ちの考え方など)
- 体づくり(ストレッチ、体のつかい方など)
どれをどのくらいの時間学ぶかは、教室や劇団によってちがいます。歌に力を入れているところもあれば、おどりやお芝居が中心のところもあります。
歌のレッスンでは、何をするの?
歌のレッスンでは、たとえば次のようなことをすることが多いです。
- みんなでの発声練習
- ミュージカルの歌を、みんなで、またはひとりずつ歌う
- 歌詞の意味や、場面の気持ちを考える
- 歌いながら、うごいたり、表情をつけたりする
グループで行うレッスンが多いのも特徴のひとつです。仲間といっしょに歌うなかで、声を合わせることや、まわりの声を聞くことも、自然に身についていきます。
発表会や公演がある
ミュージカルスクールや劇団の多くは、発表会や公演をめざして練習します。役をもらって舞台に立つ経験は、お子様にとって大きな思い出になります。発表会や公演の回数、かかる費用、出演のしかたは、教室や劇団によって大きくちがうので、入る前に確認しておきましょう。
声楽やボイトレとのちがい
声楽は「声そのものをみがく」
声楽は、クラシックの歌い方をもとに、マイクをつかわずに、ひびきのある声で歌うことを学ぶレッスンです。子どもの声楽教室では、童謡や日本の歌、外国の歌曲などを歌うことが多いです。
- 姿勢や呼吸、声のひびかせ方を、ていねいに学ぶ
- 個人レッスンが多い
- 1曲をじっくりしあげていく
子どもの声楽教室のえらび方は、こちらの記事でくわしく書いています。子どもの声楽教室のえらび方。先生えらびで後悔しないための7つのポイント
ボイトレは「好きな歌を歌うための声づくり」
ボイトレは、声の出し方を練習するレッスンです。ポップスやアニメの歌など、いろいろなジャンルの歌をつかうことが多く、「好きな歌をもっと上手に歌いたい」というお子様に入りやすい習い事です。
- 発声や音程、リズムを練習する
- マンツーマンのレッスンも、グループのレッスンもある
- マイクをつかって歌うこともある
ミュージカルは「物語をつたえるための歌」
ミュージカルの歌は、物語の中で、役の気持ちをつたえるための歌です。そのため、声のきれいさだけでなく、
- ことばがはっきり聞こえること
- 役の気持ちが声や表情に出ていること
- うごきながらでも歌えること
が大切にされることが多いです。
くらべてみると
| 声楽 | ボイトレ | ミュージカル・劇団 | |
|---|---|---|---|
| 中心になること | 声のひびき、歌い方の基礎 | 声の出し方、好きな歌を歌う力 | 歌・おどり・お芝居で物語をつたえる |
| レッスンの形 | 個人が多い | 個人もグループもある | グループが多い |
| 歌うジャンル | 童謡、日本の歌、外国の歌曲など | ポップス、アニメの歌など | ミュージカルの歌など |
| 発表の場 | 発表会、コンクールなど | 発表会、ライブなど | 発表会、公演など |
これはあくまでも、よくある形です。教室によっては、ミュージカルの歌をあつかう声楽の先生や、ミュージカルのコースがあるボイトレ教室もあります。
ミュージカル・劇団の歌のレッスンが合うお子様
こんなお子様に向いていることが多い
- 歌うだけでなく、おどったり、うごいたりするのも好き
- ごっこあそびや、お話をつくるのが好き
- 友だちといっしょに何かをするのが好き
- 舞台やミュージカルを見るのが好き
- 人前で何かを表現してみたい
反対に、「歌だけをじっくり習いたい」「ひとりで先生とゆっくり練習したい」というお子様には、声楽やボイトレの個人レッスンのほうが合うこともあります。
はずかしがりやのお子様でも
「うちの子は、はずかしがりやだから、ミュージカルはむずかしいかも」と思うお父様・お母様もいらっしゃると思います。でも、役になりきることで、ふだんより大きな声が出せたり、表情がゆたかになったりするお子様もいます。体験レッスンで、お子様のようすを見てみるのがいちばんです。
はじめ方と、教室えらびのポイント
いくつかの習い方がある
- ミュージカルスクール(子ども向けのコースやクラスがあるところ)
- 子どもの劇団
- 音楽教室やボイトレ教室の、ミュージカルコース
- 地域の文化センターや、市民ミュージカルの子ども向けの活動
地域によって、通えるところは大きくちがいます。まずは、通える範囲にどんな教室があるかを調べてみましょう。
教室えらびで見ておきたいこと
- 歌、おどり、お芝居を、どのくらいの割合で学ぶか
- 歌のレッスンは、だれが教えているか(歌を専門にする先生がいるか)
- 1クラスの人数や、年齢の分け方
- 発表会や公演の回数、かかる費用、出演のしかた
- 練習の日や時間、公演前の練習がふえるかどうか
- 送りむかえがむりなくできるか
ミュージカルや劇団は、公演が近づくと練習の回数がふえることがあります。学校の行事や、ほかの習い事との両立ができるかどうかも、前もって考えておくと安心です。
オーディションがあるところも
教室や劇団によっては、入るときにオーディションがあったり、公演の役をオーディションで決めたりするところもあります。オーディションがあるかどうか、どんな内容かは、教室によってちがいます。お子様がプレッシャーに感じすぎないよう、「どんな結果でも、がんばったことがすてきだよ」とつたえてあげてください。
体験レッスン・見学に行く
気になる教室があったら、体験レッスンや見学に行ってみましょう。
- お子様が楽しそうに参加しているか
- 先生が、子どもに合わせたやさしい教え方をしているか
- 大きな声を、むりに出させていないか
- まわりのお子様のようすはどうか
- お父様・お母様が質問しやすいふんいきか
体験レッスンで見ておきたいことは、こちらの記事にまとめています。歌の体験レッスンで見るべき5つのこと。聞いておきたい質問リストつき
はじめる前に、おうちでできること
ミュージカルの映像や舞台を見る
まずは、家族でミュージカルの映像を見たり、子ども向けの舞台を見に行ったりするのもよいと思います。お子様が「こんなふうに歌ってみたい」と思えたら、それが大きな一歩です。
歌いながら、うごいてみる
好きな歌を歌いながら、歌詞に合わせて手をうごかしたり、歩いてみたりするあそびもおすすめです。「この歌の主人公は、どんな顔をしているかな?」と話しながら、表情をつけて歌ってみるのも楽しいですね。
声とのどを大切に
ミュージカルの練習では、歌いながらおどったり、大きな声でせりふを言ったりするので、のどがつかれやすいことがあります。
- 歌のあとや練習のあとは、水をのんでのどを休める
- 大きな声でさけぶように歌わない
- かぜのときや、声がかすれているときはむりをしない
声のかすれが何日もつづく、のどをいたがるなど、気になるようすがあるときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してみてください。
声楽やボイトレと、組みあわせることも
ミュージカルスクールや劇団に通いながら、歌の個人レッスンも受けているお子様もいます。グループのレッスンでは、ひとりひとりの声をじっくり見てもらう時間がかぎられることもあるので、「もっと歌をのばしたい」と思ったときに、個人レッスンをくわえる方法もあります。
どの習い方がよいかは、お子様の「やってみたい」気持ちと、ご家庭のつごうによってかわります。近くの歌の教室をさがすときは、こちらのページもつかってみてください。歌の教室さがし
まとめ
- ミュージカル・劇団のレッスンでは、歌・おどり・お芝居をまとめて学ぶことが多い
- 声楽は声のひびき、ボイトレは声の出し方、ミュージカルは物語をつたえる歌が中心
- グループのレッスンや、発表会・公演があることが多い
- うごくのが好き、表現するのが好きなお子様に向いていることが多い
- 教室えらびでは、歌の割合、先生、費用、公演前の練習のふえ方を確認する
- のどにむりをさせず、気になるときはお医者さんに相談する
ミュージカルや劇団で歌ってきた歌を、ひとりで歌ってみるのも、よい経験になります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られるコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由なので、ミュージカルの歌でも応募できます。出場した方には講評とデジタル賞状がとどくので、お子様の歌のよいところを知るきっかけに、よかったらのぞいてみてください。こどもの歌声グランプリ