コンクールの結果に納得いかないとき。モヤモヤした気持ちのととのえ方と、つぎにつなげる考え方
「どうして、あの順位なんだろう」 「あんなに上手に歌えたのに、名前がよばれなかった」 「コンクールの審査って、おかしいんじゃないかな」
歌のコンクールの結果を見て、こんなふうに納得いかない気持ちになることがあります。お子様の歌をいちばん近くで聞いてきたお父様・お母様なら、なおさらかもしれません。歌った本人が、くやしさをかかえることもあります。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、「結果が出なかった」ことそのものよりも、「結果に納得できない」というモヤモヤした気持ちに目を向けます。そのモヤモヤとどうつきあうか、気持ちをどうととのえるか、そして、つぎの歌にどうつなげていくかを、いっしょに考えていきます。
はじめにお伝えしたいのは、納得いかない気持ちになるのは、それだけ本気でとりくんできたからこそ、ということです。その気持ちを、むりにおさえこまなくてだいじょうぶです。
結果が思うように出なかったときの、親子でのふりかえり方については、こちらの記事にまとめています。コンクールで思うような結果が出なかったとき。親子でのふりかえり方
コンクールの結果に納得いかないのは、ふしぎなことではない
いっしょうけんめいだったからこそ、モヤモヤする
練習の日々を思い出すと、「あれだけがんばったのに」という気持ちがわいてくるのは、しぜんなことです。がんばりが大きいほど、結果とのあいだにずれを感じたとき、心がざわざわします。
それは、歌を大切に思っているしるしでもあります。どうでもいいことには、人はあまり心が動かないものです。
「自分の耳」と「審査の目」は、同じではない
お父様・お母様は、ふだんのお子様の歌を何度も聞いています。だからこそ、「いつもよりよく歌えた」「のびのびしていた」と、成長に気づくことができます。
いっぽう、審査員の先生は、その日、その場で歌われた歌だけを聞いて判断します。ふだんの練習のようすや、ここまでの成長は、審査員の先生にはわかりません。見ているところがちがえば、感じ方がちがうのは当たり前のことでもあります。
ほかの方の歌と、くらべてしまう
会場や動画で、ほかの方の歌を聞いていると、「うちの子のほうがよかったのでは」と思うこともあるかもしれません。でも、客席や画面ごしに聞こえる声と、審査席で聞こえる声は、ひびき方がちがうことがあります。
また、同じ歌を聞いても、何をよいと感じるかは、人によってちがいます。くらべることで、モヤモヤがかえって大きくなってしまうこともあります。
まずは、気持ちを落ちつける時間をもつ
その日のうちに、答えを出さない
結果が出た日は、気持ちがたかぶっていることがあります。そんなときに「もうこのコンクールには出ない」「審査がおかしい」と決めつけてしまうと、あとで気持ちが落ちついたときに、こまってしまうかもしれません。
まずは、その日はゆっくり休むことを大切にしてください。おいしいものを食べる、早めにねるなど、心とからだを休める時間をとりましょう。
気持ちをことばにして、外に出す
モヤモヤした気持ちは、心の中にためておくと、どんどん大きくなってしまうことがあります。
- 家族やパートナーに、気持ちを聞いてもらう
- ノートに、思っていることをそのまま書いてみる
- 「くやしかったね」と、親子で気持ちを言い合う
ことばにして外に出すだけで、少し気持ちが軽くなることもあります。
SNSや人前で、気持ちをぶつけない
納得いかない気持ちが強いときほど、SNSに書きこんだり、会場で口に出したりしたくなるかもしれません。でも、書いたことばは、あとから消しても、だれかの目にとまっていることがあります。
審査員の先生も、ほかの出場者の方も、それぞれの思いでその場にいます。気持ちを外に出すときは、信頼できる身近な人にとどめておくと、あとで自分がつらくならずにすみます。
審査のしくみを、あらためて見てみる
審査のきまりや、見るところをたしかめる
気持ちが少し落ちついたら、コンクールの募集要項(応募のきまり)や、審査について書かれているところを、あらためて読んでみてください。
- どんなところを大切にして審査するのか
- 曲えらびや演奏時間のきまりはどうだったか
- 部門の分け方や、年れいの区切りはどうなっていたか
読みかえしてみると、「ここを大切にするコンクールだったんだ」と気づくこともあります。審査員の先生がどんなところを見ているかについては、こちらの記事も参考にしてみてください。歌のコンクール、審査員はどこを見ている?点数につながる7つのポイント
審査には、先生ごとの感じ方がふくまれる
歌の審査は、テストの点数のように、答えがひとつに決まるものではありません。声のひびき、ことばの伝わり方、表現など、いろいろなところを見て、先生がそれぞれの耳で判断します。
だからこそ、同じ歌でも、コンクールや審査員がかわれば、受けとめられ方がかわることがあります。それは、どちらがまちがっているということではなく、歌というものの性質でもあります。
講評があれば、ゆっくり読んでみる
講評(審査員の先生からのことば)がとどくコンクールなら、気持ちが落ちついてから、ゆっくり読んでみてください。結果だけではわからなかった、先生の受けとめ方が見えてくることがあります。
すぐに読むのがつらいときは、しばらく時間をおいてからでもかまいません。講評の読み方とつぎの練習への生かし方は、こちらにまとめています。コンクールの講評の読み方と、つぎの練習への生かし方。お父様・お母様ができること
どうしても気になることは、ていねいに問い合わせる
きまりのうえで、どうしても気になることがあるときは、主催者に問い合わせることもできます。そのときは、審査の結果をかえてほしいという伝え方ではなく、「つぎに参加するときの参考にしたいので」という形で、ていねいにたずねてみてください。
ただし、審査の中身については、答えられないと決めているコンクールもあります。お返事がない場合や、くわしい説明がない場合も、そういうきまりなのだと受けとめることが大切です。
お子様の前で、気をつけたいこと
お子様の気持ちを先に聞く
お父様・お母様が納得いかない気持ちでいっぱいでも、お子様は、また別の気持ちでいるかもしれません。
- 「楽しかった」と思っている
- 「くやしい」と思っている
- 「もう気にしていない」と思っている
まずは、「今日はどうだった?」と、お子様の気持ちを聞いてみてください。親の気持ちを先に話すと、お子様が自分の本当の気持ちを言いにくくなることもあります。
審査員の先生を悪く言わない
お子様の前で「審査員の先生がわかっていない」「あのコンクールはおかしい」と話すと、お子様は、歌うことそのものや、先生という存在に、ふあんを感じてしまうかもしれません。
また、「結果は人のせい」と考えるくせがつくと、つぎに歌うときの前向きな気持ちが育ちにくくなることもあります。くやしい気持ちは、お父様・お母様どうしで話すようにして、お子様の前では、歌のよかったところに目を向けてあげてください。
「あなたの歌が好き」と伝える
結果がどうであっても、お子様の歌そのものの価値はかわりません。
- 「今日の歌、とてもすてきだったよ」
- 「ここまで練習してきたこと、ちゃんと見ていたよ」
- 「また聞かせてね」
こうしたことばは、お子様が「また歌いたい」と思える力になることがあります。結果のあとの声かけについては、こちらの記事でもくわしく紹介しています。コンクールの結果が出たあとの声かけ。入賞したとき・だめだったとき、親が伝えたいこと
納得いかない気持ちを、つぎの一歩につなげる
「自分たちで決められること」に目を向ける
審査の結果は、自分たちではかえられません。でも、つぎにどんな練習をするか、どんなコンクールをえらぶかは、自分たちで決めることができます。
モヤモヤした気持ちがおさまってきたら、「つぎは何をしてみたいか」を、親子で話してみてください。
コンクールとの相性を考えてみる
コンクールには、それぞれ大切にしていることがあります。ことばをていねいに伝える歌を大切にするところ、声のひびきを大切にするところ、のびのびした表現を大切にするところなど、さまざまです。
今回のコンクールが、お子様の歌のよさと合っていたかどうかを、ふりかえってみるのもひとつの方法です。先生に相談しながら、お子様に合いそうなコンクールをさがしてみてください。
録音や録画を、時間をおいて聞きなおす
本番の録音や録画があれば、しばらく時間をおいてから、もう一度聞いてみてください。その日は気づかなかったよいところや、つぎにのばしたいところが見えてくることがあります。
聞きなおすときは、「どこがだめだったか」をさがすより、「どこがよかったか」「つぎにためしたいことは何か」を見つけるつもりで聞くと、前向きな気持ちになりやすくなります。
先生と、気持ちを分かち合う
レッスンの先生がいる場合は、結果のことや、納得いかなかった気持ちを、正直に話してみてください。先生は、お子様の歌を、別の角度から見てくれていることがあります。
先生のことばを聞くことで、「そういう見方もあるんだ」と、気持ちが整理されることもあります。
まとめ
- コンクールの結果に納得いかないのは、本気でとりくんできたからこそ
- 自分の耳と審査の目は、見ているところがちがう
- その日のうちに答えを出さず、まずは気持ちを落ちつける
- SNSや人前で、気持ちをぶつけない
- 募集要項や講評を読みなおし、審査のしくみを知る
- 問い合わせるときは、つぎの参考にしたいという形で、ていねいに
- お子様の前では審査員の先生を悪く言わず、まずはお子様の気持ちを聞く
- 自分たちで決められることに目を向けて、つぎの一歩を考える
納得いかない気持ちがおさまったら、お子様の歌を、もう一度新しい場で聞いてもらうのもよいかもしれません。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ