練習・発声のコツ

小学生の歌う前の発声練習。楽しくできる声の練習メニュー

更新日:2026年11月7日 ・ 書いた人:うみ

「歌う前に発声練習をしたほうがいいと聞くけれど、小学生には何をさせればいいの?」 「声の練習をしようと言っても、すぐにあきてしまう」

歌が好きなお子様のお父様・お母様から、こんな声をよく聞きます。小学生のお子様にとって、「アー」と同じ音をのばすだけの練習は、たいくつに感じやすいものです。

わたしは、息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールに出てきました。歌う前に少しだけ声を出しておくと、そのあとの歌がのびのびしやすくなると感じています。

この記事では、小学生のお子様が歌う前にできる発声練習を、楽しくできるメニューにしてまとめました。どれも、家で5分ほどでできるものです。体をほぐす準備運動については、別の記事にまとめていますので、ここでは声の練習にしぼってお話しします。

小学生が歌う前に発声練習をするわけ

いきなり歌うより、声が出しやすくなる

朝おきてすぐや、学校から帰ってきてすぐは、声がまだ「ねむっている」ような状態です。いきなり大きな声で歌うと、声がかすれたり、高い音が出にくかったりすることがあります。

歌う前に、小さな声から少しずつ声を出していくと、のどや口のまわりがなれて、声が出しやすくなります。

のどにやさしい

小学生ののどは、まだ育っているとちゅうです。むりな声の出し方を続けると、のどがつかれやすくなります。発声練習で、やさしい声から出しはじめることは、のどを守ることにもつながります。

「これから歌うぞ」という気持ちになる

発声練習は、気持ちを切りかえる時間にもなります。毎回同じ流れで声を出すと、お子様の中で「これをやったら歌の時間」というスイッチになりやすいです。

楽しくできる発声練習メニュー

ここからは、小学生のお子様が楽しくできる発声練習を、順番にしょうかいします。全部やらなくても、だいじょうぶです。その日の気分で、2つか3つえらんでもよいと思います。

1 風船ふくらまし(息の練習)

まずは、息の練習からはじめます。

  1. おなかの中に、風船があるとイメージする
  2. 鼻からゆっくり息をすって、風船をふくらませる
  3. 「スー」と、口から細く長く息をはいて、風船をしぼませる

「何秒しぼませられるかな?」と、数をかぞえると、ゲームのようになります。肩が上がらないように、「肩はリラックスね」と声をかけてあげてください。

2 くちびるブルブル

くちびるを軽くとじて、息で「ブルルル…」とふるわせる練習です。車やバイクのエンジンの音のまねをするように、楽しくやってみましょう。

  • はじめは、声を出さずに息だけで
  • なれてきたら、「ブルル」に声をのせて
  • 声の高さを、上げたり下げたりしてみる

うまくふるえないときは、ほっぺたを指で軽くおさえると、やりやすくなることがあります。できなくても、まったく問題ありません。

3 ハミングでミツバチごっこ

口をとじて、「んー」と声を出すのがハミングです。「ミツバチになって、ブーンと飛んでみよう」と言うと、お子様もイメージしやすくなります。

鼻のあたりや、くちびるがむずむずする感じがあれば、声がよくひびいているしるしです。小さめの声で、やさしく出すのがコツです。

4 声のすべり台

高い声から低い声へ、すべり台をすべるように「ウ〜」「ホ〜」と声を出していきます。

  1. 少し高めの声から出しはじめる
  2. すべり台をすべるように、声をなめらかに下げていく
  3. さいごは、ふつうに話すくらいの低さでおわる

手をすべり台のように動かしながらやると、楽しく、声の高さもイメージしやすくなります。反対に、低いところから高いところへ「のぼる」練習もやってみましょう。高い声は、むりのないところまでで止めてください。

5 おばけの「ホー」

おばけのまねをして、「ホー」と、やわらかい声を出します。口の中を広くして、あくびをするときのような形にすると、声がまるく、ひびきやすくなります。

「やさしいおばけ」「こわいおばけ」など、気持ちをかえて声を出してみると、表現の練習にもなります。

6 ドレミの階段

「ドレミファソファミレド」と、階段をのぼっておりるように歌います。はじめは、お子様が出しやすい高さで歌ってください。

  • 「マ」「ナ」「ラ」など、いろいろな音で歌ってみる
  • 階段を1だんずつ上げて、少しずつ高くしていく
  • 苦しくなったら、そこでストップ

ピアノやキーボードがなくても、お父様・お母様が先に歌って、まねっこしてもらう形でだいじょうぶです。

7 あいうえおの顔あそび

「あ」「い」「う」「え」「お」を、大きな口の形で、はっきり言います。

  • 「あ」は、口を大きくあけて
  • 「い」は、口を横に広げて
  • 「う」は、くちびるをつき出して
  • 「え」は、口を横に少しあけて
  • 「お」は、口をまるくして

鏡を見ながら、「おもしろい顔になったね」と笑いながらやると、楽しく続けられます。

8 早口ことばチャレンジ

さいごは、ことばあそびです。「なまむぎ なまごめ なまたまご」「となりの きゃくは よく かき くう きゃくだ」など、知っている早口ことばを言ってみましょう。

速く言うことよりも、ひとつひとつの音を、はっきり言うことを大切にしてください。3回続けて言えたら、「合格!」など、楽しいルールを作るのもおすすめです。

5分でできる、おすすめの組み合わせ

時間がない日の3分メニュー

  1. 風船ふくらまし(息の練習)を2回
  2. ハミングでミツバチごっこを30秒
  3. 声のすべり台を3回

しっかりやりたい日の5分メニュー

  1. 風船ふくらまし
  2. くちびるブルブル
  3. ハミング
  4. 声のすべり台
  5. ドレミの階段
  6. あいうえおの顔あそび

この流れのあとに、練習している歌を歌ってみてください。おうちでできる発声練習の遊びは、こちらの記事でもしょうかいしています。おうちでできる子どもの発声練習。5分でできる遊びのような練習法

楽しく続けるためのコツ

お父様・お母様もいっしょにやる

お子様ひとりでやるより、家族でいっしょに声を出すほうが、ずっと楽しくなります。上手にできなくても、大人が楽しそうにやっていると、お子様も安心して声を出せます。

名前をつけて、カードにする

「ミツバチ」「すべり台」「おばけ」など、練習に名前をつけて、カードに書いておくのもおすすめです。お子様に、その日やるカードをえらんでもらうと、自分からやってみようという気持ちになりやすいです。

シールやカレンダーで記録する

発声練習ができた日に、カレンダーにシールをはるのも、続けるきっかけになります。「今月は10日できたね」と、いっしょにふりかえってみてください。

ほめるところを見つける

「今日の声、やわらかかったね」「すべり台がなめらかだったね」と、よかったところを、ひとつでも伝えてあげてください。お子様の自信につながります。

気をつけたいこと

大きな声を出しすぎない

発声練習は、大きな声を出すための練習ではありません。とくに練習のはじめは、ふだん話すくらいか、それより小さめの声で十分です。

むりに高い声を出さない

高い声は、出せるところまでで止めましょう。「もっと高く」とがんばりすぎると、のどに力が入ってしまいます。

のどの調子を見る

  • 声がかすれているときは、練習をお休みする
  • かぜをひいているときは、むりに声を出さない
  • 練習のあいだに、水を少しずつのむ
  • 痛みやかすれが何日も続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談する

体の準備運動とあわせると、さらに声が出しやすい

発声練習の前に、首や肩をまわしたり、顔をほぐしたりする準備運動をしておくと、声がさらに出しやすくなります。体の準備運動については、こちらの記事にまとめています。歌う前の準備運動。体と顔をほぐす、やさしいストレッチ

まとめ

  • 小学生が歌う前の発声練習は、声を出しやすくし、のどを守ることにつながる
  • 息の練習、くちびるブルブル、ハミング、声のすべり台など、遊びのようなメニューがおすすめ
  • 時間がない日は3分、しっかりやる日は5分くらいでじゅうぶん
  • 家族でいっしょにやる、カードやシールをつかうなどの工夫で、楽しく続けられる
  • 大きな声や高い声を、むりに出さない
  • のどの痛みやかすれが続くときは、お医者さんに相談する

発声練習で声をととのえてから歌うと、お子様の歌声がのびのびしてくることがあります。練習してきた歌を、だれかに聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリに出てみるのもよい目標になります。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、お子様のがんばりを形にのこすきっかけにしてみてください。こどもの歌声グランプリ

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