小学生の歌う前の発声練習。楽しくできる声の練習メニュー
「歌う前に発声練習をしたほうがいいと聞くけれど、小学生には何をさせればいいの?」 「声の練習をしようと言っても、すぐにあきてしまう」
歌が好きなお子様のお父様・お母様から、こんな声をよく聞きます。小学生のお子様にとって、「アー」と同じ音をのばすだけの練習は、たいくつに感じやすいものです。
わたしは、息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールに出てきました。歌う前に少しだけ声を出しておくと、そのあとの歌がのびのびしやすくなると感じています。
この記事では、小学生のお子様が歌う前にできる発声練習を、楽しくできるメニューにしてまとめました。どれも、家で5分ほどでできるものです。体をほぐす準備運動については、別の記事にまとめていますので、ここでは声の練習にしぼってお話しします。
小学生が歌う前に発声練習をするわけ
いきなり歌うより、声が出しやすくなる
朝おきてすぐや、学校から帰ってきてすぐは、声がまだ「ねむっている」ような状態です。いきなり大きな声で歌うと、声がかすれたり、高い音が出にくかったりすることがあります。
歌う前に、小さな声から少しずつ声を出していくと、のどや口のまわりがなれて、声が出しやすくなります。
のどにやさしい
小学生ののどは、まだ育っているとちゅうです。むりな声の出し方を続けると、のどがつかれやすくなります。発声練習で、やさしい声から出しはじめることは、のどを守ることにもつながります。
「これから歌うぞ」という気持ちになる
発声練習は、気持ちを切りかえる時間にもなります。毎回同じ流れで声を出すと、お子様の中で「これをやったら歌の時間」というスイッチになりやすいです。
楽しくできる発声練習メニュー
ここからは、小学生のお子様が楽しくできる発声練習を、順番にしょうかいします。全部やらなくても、だいじょうぶです。その日の気分で、2つか3つえらんでもよいと思います。
1 風船ふくらまし(息の練習)
まずは、息の練習からはじめます。
- おなかの中に、風船があるとイメージする
- 鼻からゆっくり息をすって、風船をふくらませる
- 「スー」と、口から細く長く息をはいて、風船をしぼませる
「何秒しぼませられるかな?」と、数をかぞえると、ゲームのようになります。肩が上がらないように、「肩はリラックスね」と声をかけてあげてください。
2 くちびるブルブル
くちびるを軽くとじて、息で「ブルルル…」とふるわせる練習です。車やバイクのエンジンの音のまねをするように、楽しくやってみましょう。
- はじめは、声を出さずに息だけで
- なれてきたら、「ブルル」に声をのせて
- 声の高さを、上げたり下げたりしてみる
うまくふるえないときは、ほっぺたを指で軽くおさえると、やりやすくなることがあります。できなくても、まったく問題ありません。
3 ハミングでミツバチごっこ
口をとじて、「んー」と声を出すのがハミングです。「ミツバチになって、ブーンと飛んでみよう」と言うと、お子様もイメージしやすくなります。
鼻のあたりや、くちびるがむずむずする感じがあれば、声がよくひびいているしるしです。小さめの声で、やさしく出すのがコツです。
4 声のすべり台
高い声から低い声へ、すべり台をすべるように「ウ〜」「ホ〜」と声を出していきます。
- 少し高めの声から出しはじめる
- すべり台をすべるように、声をなめらかに下げていく
- さいごは、ふつうに話すくらいの低さでおわる
手をすべり台のように動かしながらやると、楽しく、声の高さもイメージしやすくなります。反対に、低いところから高いところへ「のぼる」練習もやってみましょう。高い声は、むりのないところまでで止めてください。
5 おばけの「ホー」
おばけのまねをして、「ホー」と、やわらかい声を出します。口の中を広くして、あくびをするときのような形にすると、声がまるく、ひびきやすくなります。
「やさしいおばけ」「こわいおばけ」など、気持ちをかえて声を出してみると、表現の練習にもなります。
6 ドレミの階段
「ドレミファソファミレド」と、階段をのぼっておりるように歌います。はじめは、お子様が出しやすい高さで歌ってください。
- 「マ」「ナ」「ラ」など、いろいろな音で歌ってみる
- 階段を1だんずつ上げて、少しずつ高くしていく
- 苦しくなったら、そこでストップ
ピアノやキーボードがなくても、お父様・お母様が先に歌って、まねっこしてもらう形でだいじょうぶです。
7 あいうえおの顔あそび
「あ」「い」「う」「え」「お」を、大きな口の形で、はっきり言います。
- 「あ」は、口を大きくあけて
- 「い」は、口を横に広げて
- 「う」は、くちびるをつき出して
- 「え」は、口を横に少しあけて
- 「お」は、口をまるくして
鏡を見ながら、「おもしろい顔になったね」と笑いながらやると、楽しく続けられます。
8 早口ことばチャレンジ
さいごは、ことばあそびです。「なまむぎ なまごめ なまたまご」「となりの きゃくは よく かき くう きゃくだ」など、知っている早口ことばを言ってみましょう。
速く言うことよりも、ひとつひとつの音を、はっきり言うことを大切にしてください。3回続けて言えたら、「合格!」など、楽しいルールを作るのもおすすめです。
5分でできる、おすすめの組み合わせ
時間がない日の3分メニュー
- 風船ふくらまし(息の練習)を2回
- ハミングでミツバチごっこを30秒
- 声のすべり台を3回
しっかりやりたい日の5分メニュー
- 風船ふくらまし
- くちびるブルブル
- ハミング
- 声のすべり台
- ドレミの階段
- あいうえおの顔あそび
この流れのあとに、練習している歌を歌ってみてください。おうちでできる発声練習の遊びは、こちらの記事でもしょうかいしています。おうちでできる子どもの発声練習。5分でできる遊びのような練習法
楽しく続けるためのコツ
お父様・お母様もいっしょにやる
お子様ひとりでやるより、家族でいっしょに声を出すほうが、ずっと楽しくなります。上手にできなくても、大人が楽しそうにやっていると、お子様も安心して声を出せます。
名前をつけて、カードにする
「ミツバチ」「すべり台」「おばけ」など、練習に名前をつけて、カードに書いておくのもおすすめです。お子様に、その日やるカードをえらんでもらうと、自分からやってみようという気持ちになりやすいです。
シールやカレンダーで記録する
発声練習ができた日に、カレンダーにシールをはるのも、続けるきっかけになります。「今月は10日できたね」と、いっしょにふりかえってみてください。
ほめるところを見つける
「今日の声、やわらかかったね」「すべり台がなめらかだったね」と、よかったところを、ひとつでも伝えてあげてください。お子様の自信につながります。
気をつけたいこと
大きな声を出しすぎない
発声練習は、大きな声を出すための練習ではありません。とくに練習のはじめは、ふだん話すくらいか、それより小さめの声で十分です。
むりに高い声を出さない
高い声は、出せるところまでで止めましょう。「もっと高く」とがんばりすぎると、のどに力が入ってしまいます。
のどの調子を見る
- 声がかすれているときは、練習をお休みする
- かぜをひいているときは、むりに声を出さない
- 練習のあいだに、水を少しずつのむ
- 痛みやかすれが何日も続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談する
体の準備運動とあわせると、さらに声が出しやすい
発声練習の前に、首や肩をまわしたり、顔をほぐしたりする準備運動をしておくと、声がさらに出しやすくなります。体の準備運動については、こちらの記事にまとめています。歌う前の準備運動。体と顔をほぐす、やさしいストレッチ
まとめ
- 小学生が歌う前の発声練習は、声を出しやすくし、のどを守ることにつながる
- 息の練習、くちびるブルブル、ハミング、声のすべり台など、遊びのようなメニューがおすすめ
- 時間がない日は3分、しっかりやる日は5分くらいでじゅうぶん
- 家族でいっしょにやる、カードやシールをつかうなどの工夫で、楽しく続けられる
- 大きな声や高い声を、むりに出さない
- のどの痛みやかすれが続くときは、お医者さんに相談する
発声練習で声をととのえてから歌うと、お子様の歌声がのびのびしてくることがあります。練習してきた歌を、だれかに聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリに出てみるのもよい目標になります。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、お子様のがんばりを形にのこすきっかけにしてみてください。こどもの歌声グランプリ