歌のコンクールに出つづけるか迷うとき。お子様と話し合うための考え方
「つぎのコンクールにも申しこむか、迷っている」 「習い事はつづけたいけれど、コンクールはやめてもいいのかな」 「子どもは本当に、コンクールに出たいと思っているんだろう」
歌の習い事をつづけていると、コンクールに出つづけるかどうか、迷う時期がくることがあります。結果のこと、練習の負担、費用や予定のこと、お子様の気持ちなど、考えることがいくつもあって、なかなか答えが出ないかもしれません。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、歌の教室をやめるかどうかではなく、「コンクールに出るかどうか」にしぼって考えます。迷う理由の整理のしかた、お子様との話し合い方、出つづける・お休みする、それぞれの道の考え方をまとめました。
はじめにお伝えしたいのは、コンクールに出つづけることも、お休みすることも、どちらも正解になりうる、ということです。大切なのは、お子様とご家族が、納得して決められることです。
コンクールに出つづけるか迷うのは、ふしぎなことではない
迷うのは、お子様のことを考えているから
コンクールに出るかどうか迷うのは、お子様にとって何がいちばんよいかを、真剣に考えているからこそです。迷いがあるのは、悪いことではありません。
迷いのきっかけは、いろいろある
迷いはじめるきっかけは、ご家庭によってさまざまです。
- 結果が出ない時期がつづいている
- 練習がたいへんそうで、お子様がつかれて見える
- 学校の勉強や、ほかの習い事がいそがしくなった
- 参加費や移動など、家族の負担が気になる
- お子様が、前ほど楽しそうに見えない
ひとつだけでなく、いくつかの理由がかさなっていることもあります。
習い事をやめることと、コンクールをやめることは別
「コンクールに出ない」ことは、「歌の習い事をやめる」ことと同じではありません。レッスンはつづけながら、コンクールだけお休みするという道もあります。
ここを分けて考えるだけで、迷いが少し整理されることがあります。歌の教室そのものをやめたい・かえたいときの考え方は、こちらの記事にまとめています。歌の教室をやめたい・かえたいと思ったとき。考えることと、先生への伝え方
まずは、迷っている理由を整理する
「だれの迷い」なのかを考える
迷っているのは、お子様でしょうか。それとも、お父様・お母様でしょうか。
- お子様が「もう出たくない」と言っている
- お子様は出たいと言っているが、親が負担を感じている
- お子様の気持ちがわからず、親が迷っている
だれが、どんなことで迷っているのかによって、話し合いのすすめ方もかわってきます。
迷いの理由を、紙に書き出してみる
頭の中だけで考えていると、気持ちがぐるぐるしてしまうことがあります。迷いの理由を、紙に書き出してみてください。
- 出つづけたい理由
- お休みしたい理由
- 気になっていること、不安なこと
書いてみると、「本当に気になっているのは、ここだったんだ」と気づくことがあります。
親の気持ちと、お子様の気持ちを分けておく
「ここまでがんばってきたのだから、もったいない」「せっかく入賞が見えてきたのに」という気持ちは、お父様・お母様にとって、とても大切な気持ちです。
ただ、それがお子様の気持ちと同じとはかぎりません。親の気持ちと、お子様の気持ちを、いったん分けて考えてみることが大切です。お子様が本当に歌が好きなのか迷うときの考え方は、こちらの記事も参考にしてみてください。子どもは本当に歌が好き?親がやらせているのか迷うときの考え方
お子様と話し合うときの考え方
落ちついた時間に、話をする
話し合いは、コンクールの結果が出た直後や、練習でぶつかったあとではなく、おたがいに気持ちが落ちついている時間をえらびましょう。おやつの時間や、おさんぽの途中など、リラックスできる場面のほうが、お子様も本音を話しやすくなることがあります。
「出る?出ない?」だけで聞かない
いきなり「つぎのコンクール、出る?出ない?」と聞くと、お子様はどちらかを選ばなければと、こまってしまうかもしれません。まずは、こんなふうに、気持ちを聞いてみてください。
- 「コンクールで歌うのは、どんな気持ち?」
- 「楽しいところと、たいへんなところはどこ?」
- 「歌で、いまやってみたいことはある?」
お子様のことばの中に、答えのヒントがかくれていることがあります。
お子様のことばを、さえぎらずに聞く
お子様が話しはじめたら、とちゅうで意見を言わずに、さいごまで聞いてあげてください。「そうなんだね」「そう思っていたんだね」と、うなずきながら聞くだけで、お子様は「わかってもらえた」と感じやすくなります。
小さなお子様の場合は、うまくことばにできないこともあります。表情やようす、ふだんの歌い方にも、目を向けてみてください。
親の気持ちも、正直に伝える
お子様の気持ちを聞いたら、お父様・お母様の気持ちも、やさしく伝えてみてください。
- 「あなたの歌が好きだから、また聞きたいと思っているよ」
- 「最近いそがしそうだから、むりしていないか心配だったよ」
親の気持ちを伝えるときは、お子様を説得するためではなく、「いっしょに考えたい」という気持ちで話すことが大切です。
その場で決めなくてもいい
話し合いをしても、すぐに答えが出ないこともあります。「少し考えてみようね」と、時間をおいてもかまいません。何回か話をするうちに、お子様の気持ちがはっきりしてくることもあります。
出つづける・お休みする、それぞれの考え方
出つづけるときは、出かたを見なおす
コンクールに出つづけると決めたときも、これまでと同じ出かたでなくてかまいません。
- 出るコンクールの数をへらす
- 会場に行くコンクールと、動画で出られるコンクールを組み合わせる
- 結果より、「この曲を楽しく歌う」などの目標にする
出かたを見なおすだけで、お子様やご家族の負担が軽くなることがあります。
お休みするときは、「やめる」より「ひと休み」
コンクールをお休みすると決めたときも、「もう出ない」と決めつけなくてもだいじょうぶです。「しばらくひと休みしようね」という形にしておくと、お子様が「また出たい」と思ったときに、もどりやすくなります。
お休みのあいだも、レッスンやおうちでの歌を楽しみながら、歌とのつながりをたもっていけるとよいですね。
コンクールのほかにも、歌を発表できる場はある
コンクールに出ない時期でも、歌を人に聞いてもらう場は、いろいろあります。教室の発表会、地域のイベント、おうちでの小さな発表会なども、お子様にとって大切な経験になります。コンクールのほかに歌を発表できる場所については、こちらの記事にまとめています。子どもが歌を発表できる場所。コンクールのほかに、地域やおうちでできること
迷っているときに、気をつけたいこと
ほかのご家庭とくらべない
同じ教室のお友だちが、つぎのコンクールに申しこんだと聞くと、「うちも出たほうがいいのかな」と、心がゆれることがあります。でも、どのくらいコンクールに出るかは、ご家庭ごとにちがっていてかまいません。
お子様のペースや、ご家族の生活に合っているかどうかを、いちばんに考えてみてください。ほかの子とくらべてあせってしまうときの考え方は、こちらの記事にまとめています。ほかの子とくらべてあせるお父様・お母様へ。歌の習い事で「うちの子のペース」を大切にする考え方
結果だけで決めない
結果がよかったから出る、結果が出なかったからやめる、というように、結果だけで決めてしまうと、お子様が「結果がすべて」と感じてしまうこともあります。
結果のことは、迷う理由のひとつとして考えながら、お子様が歌を楽しめているか、つぎの目標をもてそうかなど、ほかのことにも目を向けてみてください。
お子様に決めさせすぎない
お子様の気持ちを大切にすることと、すべてをお子様ひとりに決めさせることは、少しちがいます。費用や予定など、お子様には見えにくいこともあります。さいごは、ご家族で話し合って決めるという形にしておくと、お子様も気持ちが楽になることがあります。
まわりの力もかりる
先生にも相談してみる
レッスンの先生は、お子様の歌を、ご家族とは別の角度から見ています。迷っていることを正直に相談すると、お子様の成長のようすや、いまの時期に合った目標について、ヒントをもらえることがあります。
まとめ
- コンクールに出つづけるか迷うのは、お子様のことを真剣に考えているから
- 習い事をやめることと、コンクールをやめることは別に考える
- だれが、どんな理由で迷っているのかを整理する
- 親の気持ちと、お子様の気持ちを分けて考える
- 落ちついた時間に、「出る?出ない?」だけでなく気持ちを聞く
- その場で決めず、何回か話をしてもいい
- 出つづけるなら出かたを見なおし、お休みするなら「ひと休み」と考える
どちらの道をえらんでも、お子様が歌を好きでいられることを、大切にしていけたらすてきですね。歌を見てくれる教室をさがすときは、こちらも使ってみてください。歌の教室さがし
コンクールとのつきあい方を見なおすときの、ひとつの選択肢として、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ