文化祭で歌うときの準備。クラスやバンドでステージに立つコツ
「文化祭で、クラスのみんなと歌うことになった」 「友だちとバンドを組んで、文化祭のステージに出たい」
文化祭は、学校生活の中でも、とくに思い出にのこる行事のひとつです。ステージで歌うのは、わくわくする反面、「何から準備すればいいの?」「本番で声が出なかったらどうしよう」と、不安になることもありますよね。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、文化祭で歌うときの準備にしぼってお話しします。クラスやバンド、有志のグループでステージに立つときに、本番までにやっておきたいことと、当日のステージのコツをまとめました。中学生・高校生のみなさんはもちろん、応援するお父様・お母様にも読んでいただけたらうれしいです。
文化祭のステージは、ほかの本番とどうちがう?
「聞いてもらう」より「いっしょに楽しむ」場
コンクールや発表会では、歌をしっかり聞いてもらうことが中心になります。いっぽう、文化祭のステージは、見ている人といっしょに盛り上がる、楽しい場であることが多いです。
上手に歌うことも大切ですが、「見ている人が楽しめるか」「自分たちも楽しめるか」を大切にすると、準備の方向が決めやすくなります。
会場や音響が、学校によってさまざま
文化祭のステージは、体育館、教室、中庭、講堂など、学校によっていろいろです。マイクやスピーカーの数、音の聞こえ方もちがいます。ふだんの練習場所とはちがう環境で歌うことになるので、早めに会場のようすを知っておくことが大切です。
準備の時間がかぎられている
文化祭の準備は、授業や部活、ほかの出し物の準備と重なることがよくあります。かぎられた時間の中で、むだなく準備を進める工夫が必要です。
まずは、曲と役わりを決める
曲を選ぶときのポイント
文化祭で歌う曲を選ぶときは、こんなことを考えてみましょう。
- メンバーみんなが、むりなく歌える高さか
- 見ている人が知っている、または楽しめる曲か
- 決められた時間に、おさまる長さか
- 練習できる期間で、仕上げられそうか
みんなで歌うときは、いちばん声が出にくい人に合わせて高さを考えると、全員が歌いやすくなります。どうしても歌いたい曲が高すぎるときは、高さを下げられないか、伴奏をする人や音源をつくる人と相談してみてください。
持ち時間をたしかめる
文化祭では、ひとつのグループの持ち時間が決められていることがほとんどです。準備や片づけの時間をふくめて何分なのか、実行委員会などに早めにたしかめておきましょう。曲を何曲にするか、あいだにトークを入れるかも、持ち時間から考えます。
役わりを分ける
クラスやグループで歌うときは、役わりを分けておくと、準備がスムーズに進みます。
- 全体をまとめるリーダー
- 練習の予定を立てる係
- 音源や伴奏を用意する係
- マイクや音響の担当
- 衣装や小道具の係
- はじめのあいさつや、曲紹介をする人
ひとりにまかせきりにならないように、できることを少しずつ分け合うのがコツです。
本番までの練習の進め方
練習の予定を、さかのぼって立てる
本番の日から逆に数えて、練習の予定を立ててみましょう。たとえば、本番まで4週間ある場合は、こんな流れがめやすです。
- 1週目 曲をよく聞いて、歌詞とメロディをおぼえる
- 2週目 パートや歌う場所を決めて、少しずつ合わせる
- 3週目 通しで歌って、立ち位置や動きもつける
- 4週目 本番と同じ形でリハーサルをする
準備の期間が短いときも、「おぼえる」「合わせる」「通す」の順番を意識すると、あわてずに進められます。
ひとりで練習する時間もつくる
みんなで集まれる時間はかぎられています。家や移動の時間に曲を聞いたり、小さな声で口ずさんだりして、ひとりでも練習を進めておきましょう。全員が歌詞とメロディをおぼえてから集まると、合わせる練習に時間を使えます。
録音して、聞き返す
みんなで合わせたら、スマホで録音して聞き返してみましょう。歌っているときにはわからなかった、声の大きさのバランスや、テンポのずれに気づきやすくなります。
のどをいたわりながら練習する
文化祭の前は、ほかの準備で声を出す場面も多くなります。練習で大声を出しつづけたり、長い時間歌いつづけたりすると、のどをいためてしまうことがあります。
- 練習の前に、ハミングなどでかるく声を出す
- こまめに水をのむ
- のどがつかれたら、休む
本番の直前に声がかれてしまわないように、むりのない練習を心がけましょう。痛みやかすれが続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
バンドで歌うときに気をつけたいこと
楽器の音に、声がうもれないように
バンドで歌うときは、楽器の音が大きくて、歌が聞こえにくくなることがあります。練習のときから、ボーカルの声がしっかり聞こえるか、メンバーどうしでたしかめておきましょう。楽器の音量を少し下げてもらうだけで、ぐっと聞きやすくなることもあります。
曲のはじまりと終わりを決めておく
だれの合図で曲をはじめるのか、どこで曲を終えるのかを、はっきり決めておきましょう。本番で、はじまりや終わりがそろうと、それだけでステージがひきしまって見えます。
自分の声が聞こえる場所をたしかめる
ステージでは、自分の声が聞こえにくくなることがあります。リハーサルで、どこに立つと自分の声や楽器の音が聞こえやすいかを、たしかめておくと安心です。
マイクと音響の確認
マイクの持ち方と、口との距離
マイクは、口から少しはなして、まっすぐ口に向けて持つのがきほんです。近づけすぎると音がわれたり、はなしすぎると声がひろわれにくくなったりします。練習のときから、マイクを持って歌っておくと、本番でもあわてません。
マイクの数と、受けわたしの順番
クラスで歌う場合、マイクの数が人数より少ないこともあります。だれがどのマイクを使うのか、ソロのときにどうやって受けわたすのかを、事前に決めておきましょう。
リハーサルで、音の大きさを合わせる
できれば本番前に、会場でリハーサルをさせてもらいましょう。音源の音量、マイクの音量、楽器とのバランスを、会場で聞いてたしかめておくと安心です。リハーサルの時間がとれない場合は、音響担当の人に「歌が聞こえるように」とお願いしておくだけでもちがいます。
屋外のステージで歌う場合は、声がひろがりやすく、風の音なども入ります。外で歌うときのコツは、こちらの記事でまとめています。屋外で歌うときのコツ。お祭り・イベント・野外ステージでの注意
ステージでのコツ
入場からおじぎまでを練習しておく
歌そのものだけでなく、ステージに出るところから、おじぎをして下がるところまでを、通しで練習しておきましょう。立ち位置や、出る順番、下がる順番が決まっていると、本番でまよわずにすみます。
目線は、会場のおくのほうへ
歌っているときに、足もとや歌詞のメモばかり見ていると、声が下に向かって、とどきにくくなります。目線は、会場のおくのほうや、少し上のあたりにおくと、声がまっすぐとどきやすくなります。見ている人のほうに顔を向けるだけでも、ステージの印象がかわります。
表情も、歌の一部
文化祭のステージでは、表情もとても大切です。明るい曲ならえがおで、しっとりした曲なら、歌詞の気持ちに合った表情で歌ってみましょう。メンバーどうしで目を合わせたり、うなずき合ったりすると、楽しいふんいきが見ている人にも伝わります。
失敗しても、止まらない
歌詞をまちがえたり、音がずれたりしても、そのまま歌いつづけましょう。見ている人は、思っているほど小さなまちがいに気づいていないことが多いです。止まらずに最後まで歌いきることが、いちばん大切です。
緊張とのつきあい方
緊張するのは、あたりまえ
大勢の前で歌うとき、緊張するのはだれでも同じです。緊張しているのは、それだけ本番を大切に思っているしるしです。
本番前にできること
- ゆっくり息をはいてから、すう
- 肩を上げて、すとんと落とす
- メンバーどうしで声をかけ合う
- 「楽しもう」と、ことばにして言ってみる
声がふるえてしまうときの、体と息の工夫は、こちらの記事でくわしくお話ししています。歌うと声が震えるときの対処法。歌のテストや本番で緊張したときの体と息の工夫
お父様・お母様ができる応援
お子様が文化祭で歌うときは、おうちでの応援も大きな力になります。練習のようすを聞いて「楽しそうだね」と声をかけたり、本番前日は早めに休めるように気をくばったりするだけでも、お子様は安心できます。学校によっては、撮影のきまりがあることもあるので、見に行くときはたしかめておきましょう。
まとめ
- 文化祭のステージは、見ている人といっしょに楽しむ場
- 曲は、全員が歌いやすい高さと、持ち時間に合う長さで選ぶ
- 役わりを分けて、本番からさかのぼって練習の予定を立てる
- 録音して聞き返すと、バランスやテンポのずれに気づきやすい
- マイクの持ち方や受けわたし、音のバランスをリハーサルでたしかめる
- 目線と表情も大切に。まちがえても止まらずに歌いきる
- のどの痛みやかすれが続くときは、お医者さんに相談する
文化祭で歌う楽しさを知ったら、次は自分の歌声を、もっといろいろな人に聞いてもらうのもすてきです。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、自分の歌のよいところや、これからのびるところを知るきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ