歌の習い事・教室えらび

声楽とポップスの歌い方のちがい。どちらをならうか迷ったときの考え方

更新日:2026年11月7日 ・ 書いた人:うみ

「歌を習いたいけれど、声楽とポップス、どちらがいいのかな」 「子どもに声楽をすすめられたけれど、本人はアニメの歌が好きみたい」

歌の教室をさがしはじめると、「声楽コース」「ボーカルコース」「ポップス」など、いろいろな名前が出てきて、まようことがあると思います。同じ「歌」でも、声楽とポップスでは、歌い方や練習のしかたがちがうところがあります。

わたしは、息子といっしょにたくさんの歌のコンクールに出てきました。会場では、クラシックの歌曲を歌う子も、ポップスや童謡を歌う子もいて、それぞれのよさを感じてきました。

この記事では、声楽とポップスの歌い方のちがいを、できるだけかんたんなことばでまとめます。そのうえで、どちらを習うか迷ったときの考え方もお話しします。どちらがすぐれている、というお話ではありません。自分やお子様に合うほうを見つけるための参考にしてください。

声楽とポップス、それぞれどんな歌?

声楽とは

声楽は、クラシック音楽の歌い方を学ぶものです。オペラのアリア、外国の歌曲、日本の歌曲などを歌います。子ども向けの声楽教室では、童謡や日本の歌からはじめることも多いです。

もともと、マイクをつかわずに、ホールのすみずみまで声をとどけるための歌い方として、そだってきました。

ポップスとは

ポップスは、ふだんテレビやラジオ、動画などで聞く、身近な歌のことです。アニメの歌、J-POP、ミュージカルの歌、洋楽など、とても広いジャンルをふくみます。

ポップスは、マイクをつかって歌うことがほとんどです。そのため、マイクに合った声の出し方が大切になります。

歌い方のちがい

声のひびかせ方

声楽では、体全体をつかって、声を大きく、まるくひびかせることを大切にします。口の中を広くあけ、のどをひらいて歌うように習うことが多いです。

ポップスでは、話し声に近い、自然な声で歌うことが多いです。曲によって、息まじりのやわらかい声、力強い声など、いろいろな声をつかいわけます。

マイクのあるなし

いちばん大きなちがいは、マイクかもしれません。

  • 声楽:マイクなしで、遠くまで声をとどける
  • ポップス:マイクで声をひろうので、小さな声や息の音も表現になる

ポップスでは、マイクと口のきょりを調整したり、小さな声でささやくように歌ったりすることも、歌い方のひとつです。

ことばの伝え方

声楽では、ことばをはっきり、ひびきをのせて発音します。外国語の歌も多く、その国のことばの発音も学びます。

ポップスでは、話しことばに近いリズムで歌うことが多く、ことばのニュアンスや、語りかけるような歌い方が大切にされます。

声の高さとつかい方

声楽では、声の高さに合わせて、ソプラノ、アルトなどの声の種類を考えることがあります。高い声も、ひびきをたもったまま出せるように練習します。

ポップスでは、地声とうら声をなめらかにつなぐ歌い方や、曲のキーを自分に合わせてかえることも、よくあります。

リズムとノリ

ポップスでは、ドラムやベースなどのリズムに乗って歌うことが多く、リズム感やノリがとても大切です。声楽でもリズムは大切ですが、曲によっては、ピアノと息を合わせながら、テンポをゆらして表現することもあります。

練習やレッスンのちがい

声楽のレッスンでよくあること

  • 姿勢や呼吸を、じっくり練習する
  • 母音をひびかせる発声練習をする
  • 楽譜を見て歌うことが多い
  • ピアノ伴奏に合わせて歌う
  • 外国語の歌の発音を学ぶ

ポップスのレッスンでよくあること

  • 好きな曲をつかって練習する
  • マイクをつかって歌う
  • リズムに合わせる練習をする
  • 自分に合うキーをさがす
  • 表現の幅をひろげる練習をする

もちろん、教室や先生によって、すすめ方はちがいます。ポップスの教室でも、呼吸や発声の基礎をていねいに練習するところはたくさんあります。

共通している大切なこと

声楽とポップスは、ちがうところもありますが、共通しているところもたくさんあります。

  • よい姿勢で歌う
  • 息を上手につかう
  • のどに力を入れすぎない
  • 歌詞の気持ちを伝える
  • 自分の声を大切にする

どちらを習っても、こうした基礎は、歌のいろいろな場面で役に立ちます。声楽を習った人がポップスを歌ったり、ポップスから声楽に興味をもったりすることもあります。

どちらを習うか迷ったときの考え方

「何を歌いたいか」から考える

いちばんわかりやすいのは、「歌いたい曲」から考えることです。

  • オペラや歌曲、合唱曲をきれいに歌いたい → 声楽
  • 好きなアーティストの歌を歌いたい → ポップス
  • ミュージカルが好き → 両方の要素があるので、先生に相談
  • 童謡や日本の歌を歌いたい → どちらの教室でもあつかうことがある

歌いたい曲がはっきりしているほど、教室もえらびやすくなります。

お子様の場合

お子様の場合は、本人の「好き」を大切にしてあげることが、長くつづけるためのいちばんの近道だと思います。

  • アニメの歌が好きなら、ポップスから入る
  • クラシックの音楽や、きれいな高い声にあこがれているなら、声楽をためす
  • まだはっきりしないなら、両方の体験レッスンを受けてみる

小さなお子様の声は、まだそだっているとちゅうです。どちらを習う場合も、大きな声や高い声をむりに出させない先生かどうかを、見てあげてください。子どもの声楽教室のえらび方は、こちらの記事にくわしく書いています。子どもの声楽教室のえらび方。先生えらびで後悔しないための7つのポイント

大人の場合

大人の方は、目的によってえらぶとよいと思います。

  • カラオケを楽しみたい、好きな歌を気持ちよく歌いたい → ポップス
  • 合唱で歌っている、クラシックを本格的に学びたい → 声楽
  • 声の土台をしっかりつくりたい → どちらでも、基礎を大切にする先生をえらぶ

「若いころ合唱をしていて、また歌いたい」という方が声楽を、「家族とカラオケに行くのが楽しみ」という方がポップスをえらぶことも多いようです。

コンクールに出たい場合

コンクールによっては、声楽の部と、ポップスなどの部が分かれていたり、ジャンルを問わないものがあったりします。出てみたいコンクールがあるなら、どんな曲で出られるかを先に見ておくと、習うジャンルを決めやすくなります。

体験レッスンで聞いておきたいこと

どちらにするか決めきれないときは、体験レッスンで先生に聞いてみましょう。

  • この教室では、どんなジャンルの曲をあつかっているか
  • 発声の基礎は、どのくらい練習するか
  • 好きな曲を、レッスンでつかえるか
  • とちゅうでジャンルをかえることはできるか
  • マイクをつかう練習はあるか

声楽とポップスの両方を教えている先生もいます。「いまは決められない」と正直に話すと、いっしょに考えてくれることが多いです。

近くの教室をさがすときは、こちらのページもつかってみてください。歌の教室さがし

よくある思いこみ

声楽とポップスについては、こんなふうに思われていることがあります。

  • 「声楽を習うと、ポップスが歌いにくくなる」
  • 「ポップスは、基礎を習わなくても歌える」
  • 「声楽は、小さいころから習わないとむずかしい」

どれも、かならずそうだとはいえません。声楽を習いながら、ポップスを楽しんでいる人もいます。ポップスでも、基礎の練習はとても大切です。また、大人になってから声楽をはじめる方もたくさんいます。

気になることがあるときは、思いこみで決めずに、体験レッスンで先生に聞いてみるのがいちばんです。

とちゅうでかえてもだいじょうぶ

一度えらんだら、ずっと同じジャンルでなければいけない、ということはありません。声楽で基礎を学んでからポップスに進む人もいれば、ポップスを歌ううちに声楽に興味をもつ人もいます。

大切なのは、歌うことを楽しみながら、自分の声を大切にすることです。「なんだか合わないな」と感じたら、先生に相談したり、ほかのジャンルの体験を受けてみたりしてください。

まとめ

  • 声楽は、マイクなしで声を遠くまでひびかせる、クラシックの歌い方
  • ポップスは、マイクをつかい、話し声に近い自然な声で歌うことが多い
  • ひびかせ方、マイク、ことばの伝え方、リズムなどにちがいがある
  • 姿勢や呼吸、のどに力を入れすぎないことは、どちらにも共通する
  • 迷ったら「何を歌いたいか」から考え、両方の体験レッスンを受けてみる
  • とちゅうでジャンルをかえても、学んだ基礎はむだにならない

声楽でも、ポップスでも、練習してきた歌をだれかに聞いてもらうことは、大きなはげみになります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、自分の歌のよいところを知るきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ

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