路上ライブ・ストリートライブをはじめてするときに。許可のこと、マナー、安全のこと
「外で、通りがかりの人に歌を聞いてもらいたい」 「路上ライブをしてみたいけれど、許可はいるのかな。だれに聞けばいいのかな」
歌を続けていると、こんなふうに思うことがあるかもしれません。ストリートライブは、お店やホールとはちがって、ふだん歌を聞かない人にも声がとどく、すてきな場です。そのいっぽうで、場所のきまりや、まわりの人への気くばり、自分の安全など、先に知っておきたいことがたくさんあります。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、路上ライブを初めてしてみたい方にむけて、許可のたしかめ方、場所のえらび方、当日のマナー、そして安全のことを、順番にお話しします。むずかしい話はなるべくさけて、まず何をすればいいのかが分かるようにまとめました。
路上ライブ・ストリートライブとは
外で、だれでも聞ける場所で歌うこと
路上ライブは、駅の近くや広場、公園などの外の場所で、歌ったり楽器をひいたりすることです。ストリートライブとも言います。ひとりで弾き語りをする人もいれば、友だちと2〜3人で歌う人もいます。
聞く人は、そこを通りかかった人たちです。足を止めてくれる人もいれば、そのまま通りすぎる人もいます。それが、路上ライブのふつうの姿です。
路上ライブのよいところ
- ふだん歌を聞かない人にも、声がとどく
- 人前で歌うことに、少しずつなれていける
- 自分の歌を、その場の空気の中で試せる
- 外の音の中で歌うので、声の出し方を考えるきっかけになる
気をつけたいところ
- 場所によって、きまりがちがう
- 音が、近くのお店や住んでいる人のめいわくになることがある
- 通る人のじゃまになることがある
- 夜や人の少ない場所では、安全に気をつける必要がある
楽しい場だからこそ、まわりの人といっしょに気持ちよくすごせるように、準備をしておきたいですね。
路上ライブに許可はいる?まずたしかめたいこと
場所によって、きまりがちがう
「路上ライブには許可がいるの?」というのは、初めての方がいちばん気になることだと思います。ただ、これは場所によってきまりがちがうので、ひとことで「いる」「いらない」とは言えません。
道路、駅前の広場、公園、ショッピングセンターの前、川べりなど、場所ごとに、使い方のきまりや、とりあつかう人がちがいます。同じ駅のまわりでも、道路と広場で、きまりがちがうこともあります。
だれにたしかめればいいのか
たしかめる先は、場所によってかわります。
- 道路や歩道:お近くの警察署
- 公園や公共の広場:市町村などの自治体(公園を管理している係)
- 駅や駅前の広場:駅や、その場所を管理している会社
- お店やビルの前の場所:そのお店やビルの管理者
どこに聞けばいいか分からないときは、まず市町村の窓口に電話をして、「この場所で歌いたいのですが、どこにたしかめればいいですか」と聞いてみるのもよい方法です。
「みんなやっているから」で決めない
ほかの人が歌っている場所だからといって、だれでも自由に歌ってよいとはかぎりません。きまりが変わっていることもあります。自分で、その場所のきまりをたしかめてから歌うようにしましょう。
路上ライブができる場所を用意しているところも
地域によっては、まちのにぎわいのために、外で演奏できる場所や日を用意しているところもあります。申しこみをして、決められた時間に歌うしくみです。初めての方には、こうした場所から始めるのも安心だと思います。くわしいことは、自治体やまちの案内などでたしかめてみてください。
場所えらびのポイント
通る人のじゃまにならないか
駅の出口のすぐ前や、せまい歩道は、人の流れのじゃまになりやすい場所です。足を止めて聞く人が集まると、さらに通りにくくなります。少しはなれた、広さのある場所をえらびましょう。
- 出入り口や階段の前はさける
- 点字ブロックの上や、その近くはさける
- 自転車や車いすの方が通れるはばを残す
- 聞く人が立ち止まれる広さがあるか見る
近くに住む人や、お店のことを考える
すぐそばに家やマンションがある場所、病院や学校の近くなどは、音がめいわくになりやすいです。お店の入り口の前も、お店の方がこまることがあります。
時間帯も大切
朝早くや夜おそくは、音がひびきやすく、まわりのめいわくになりやすい時間です。昼から夕方くらいの、人が多く、音もまぎれやすい時間のほうが、まわりにも受け入れてもらいやすいと思います。ただ、時間についても、場所ごとにきまりがあることがあるので、たしかめておきましょう。
音の大きさと機材のこと
生の声だけで歌うか、スピーカーを使うか
路上ライブでは、生の声だけで歌う人も、小さなスピーカーとマイクを使う人もいます。スピーカーを使うと声はとどきやすくなりますが、そのぶん、まわりにひびく音も大きくなります。場所によっては、スピーカーなどの機材を使ってはいけないところもあります。
音は「少し小さいかな」くらいに
外で歌うと、自分の声が聞こえにくく感じて、ついボリュームを上げたくなります。でも、少しはなれた場所では、思ったより大きく聞こえていることが多いです。
- 歌う前に、少しはなれた所で音を聞いてみる
- 友だちがいれば、聞こえ方をたしかめてもらう
- 近くの人がこまった顔をしていたら、すぐに下げる
マイクの持ち方や口との距離は、こちらの記事も参考にしてみてください。大人のマイクの使い方。歌うときの持ち方と口との距離、ハウリングをふせぐコツ
機材は、少なく軽く
初めてのときは、荷物を少なくするのがおすすめです。荷物が多いと、場所を広くとってしまいますし、片づけにも時間がかかります。電気のコードを道にのばすと、人がつまずくこともあるので気をつけましょう。
当日のマナー
始める前に、まわりを見る
歌い始める前に、まわりをぐるりと見てみましょう。近くでほかの人が演奏していないか、イベントなどをしていないかをたしかめます。ほかの人が歌っているすぐそばで始めると、音がまざって、どちらも聞きにくくなります。
注意を受けたら、すなおにやめる
警察の方や、場所の管理をしている方、近くのお店の方から「やめてください」と言われたら、言い返したりせず、すぐにやめて片づけましょう。きまりの理由を聞きたいときも、ていねいなことばで聞くようにします。
時間を決めて、長くなりすぎない
同じ場所で長い時間歌い続けると、近くの人は同じ音をずっと聞くことになります。はじめから「1時間だけ」などと時間を決めておくと、まわりにもやさしく、自分ののどにもやさしいです。
ゴミは持ち帰る
飲みもののボトルや、ちらしなどは、かならず持ち帰りましょう。来たときよりもきれいにして帰るくらいの気持ちでいると、その場所で歌い続けやすくなります。
投げ銭やCDの販売について
路上で、聞いた人からお金をもらったり、CDを売ったりすることについても、場所によってきまりがあります。お金のやりとりをするときは、とくに先によくたしかめておきましょう。
安全のこと
夜や人の少ない場所はさける
人が少ない場所や、暗い時間は、思わぬトラブルにまきこまれることもあります。とくに初めてのうちは、明るい時間に、人通りのある場所をえらびましょう。
ひとりで行かない
できれば、友だちや家族といっしょに行きましょう。荷物を見ていてもらえたり、まわりの様子を見てもらえたりします。
荷物と、お金の管理
歌っている間は、荷物から目がはなれやすくなります。さいふやスマホは、体からはなさないようにしましょう。
しつこく話しかけられたとき
聞いてくれた人と話すのは、路上ライブのうれしい時間です。でも、しつこく連絡先を聞かれたり、こわいと感じたりしたら、むりに相手をせず、その場をはなれましょう。こまったときは、近くの交番などにたすけを求めてください。
10代の方は、おうちの方と相談を
中学生や高校生の方が路上ライブをしてみたいときは、かならずお父様・お母様に相談してからにしましょう。場所や時間を伝えておく、いっしょに来てもらうなど、安全のための約束をしておくと安心です。
のどと体を守るために
外で歌うと、風や車の音にまけないように、つい力が入りがちです。のどに力を入れて大きな声を出し続けると、のどがつかれてしまいます。
- 歌う前に、体をほぐして声を出しておく
- 水をこまめに飲む
- 寒い日や風の強い日は、むりをしない
- 夏の暑い日は、日かげをえらび、熱中症に気をつける
歌ったあとに、のどの痛みやかすれが何日も続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
まとめ
- 路上ライブは、ふだん歌を聞かない人にも声がとどく場
- 許可がいるかどうかは場所によってちがうので、警察・自治体・管理者にたしかめる
- 通る人のじゃまにならない場所と、時間帯をえらぶ
- 音は「少し小さいかな」くらいにして、注意を受けたらすなおにやめる
- 明るい時間に、できればだれかといっしょに行く
- のどの痛みやかすれが続くときは、お医者さんに相談する
外で歌う前に、まずは教室で声の出し方を見てもらうと、外の音の中でも、のどにむりのない歌い方を身につけやすくなります。近くの教室をさがすときは、こちらのページを使ってみてください。歌の教室さがし外に出るのはまだ少し不安という方は、家でとった動画で出られるこどもの歌声グランプリもあります。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、自分の歌のよいところを知るきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ