レコーディングで歌を録るのが初めての方へ。スタジオ録音の準備と、当日の流れ
「はじめてスタジオで歌を録ることになったけれど、何を用意すればいいのかな」 「レコーディングって、どんな流れで進むの?ふつうの練習と何がちがうの?」
歌のレコーディングは、ふだんの練習やカラオケとは、少しようすがちがいます。はじめてのときは、わからないことが多くて、どきどきしますよね。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、はじめて歌をレコーディングする方に向けて、スタジオで録音する前の準備と、当日の流れをまとめます。大人の方はもちろん、お子様の歌を録るお父様・お母様にも読んでいただけるように書きました。
準備を少ししておくだけで、当日はぐっと落ちついて歌えます。むずかしく考えすぎず、ひとつずつたしかめていきましょう。
レコーディングとふだんの練習のちがい
音を「残す」ための時間
ふだんの練習は、上手になるための時間です。いっぽう、レコーディングは、いちばんよい歌を音として残すための時間です。
そのため、レコーディングの日は、新しいことを練習する日ではありません。それまでに練習してきた歌を、できるだけよい形で出す日だと考えると、気持ちがととのいやすくなります。
小さな音まで、よく聞こえる
スタジオのマイクは、とても小さな音までひろいます。息をすう音、口の中の小さな音、服がこすれる音なども、録音に入ることがあります。
これは、こわがることではありません。「よく聞こえるからこそ、ていねいに歌おう」と思えば、それでじゅうぶんです。
ヘッドホンで伴奏を聞きながら歌う
多くの場合、スタジオでは、ヘッドホンで伴奏や自分の声を聞きながら歌います。部屋にスピーカーで伴奏を流すと、その音もマイクに入ってしまうからです。
ヘッドホンで歌うのは、はじめてだと少しふしぎな感じがします。家での練習のときに、イヤホンやヘッドホンで伴奏を聞きながら歌ってみると、当日なれやすくなります。
予約の前に決めておくこと
何のための録音か
まずは、録音した歌を何につかうのかを考えておきましょう。
- 思い出として、家族で聞くため
- オーディションや審査に送るため
- 自分の歌のCDや音源を作るため
- 発表会の前に、いまの歌をたしかめるため
目的によって、どこまでこだわるか、何曲録るかがかわります。スタジオの方に相談するときも、目的を伝えるとはなしが早くすすみます。
何曲を、どのくらいの時間で録るか
はじめての方は、思っているより時間がかかることが多いです。マイクの準備、声出し、音量の調整、録り直し、聞きなおしなど、歌う時間のほかにもすることがあります。
1曲だけでも、ゆとりをもって時間をとっておくと安心です。どのくらいの時間が合うかは、スタジオや曲によってちがうので、予約のときに相談してみてください。
伴奏をどうするか
伴奏の用意のしかたは、いくつかあります。
- 伴奏の音源を自分で用意して持っていく
- ピアノの先生などに来てもらい、いっしょに録る
- 伴奏なしで歌う
音源を持っていくときは、どんな形のファイルで持っていけばよいか、先に聞いておきましょう。伴奏音源の用意のしかたは、こちらの記事でもまとめています。伴奏音源はどうする?歌のコンクールでカラオケが使えない理由と、5つの用意のしかた
歌の準備
歌詞と楽譜を、しっかり仕上げておく
レコーディングの日までに、歌詞は見なくても歌えるくらいにしておくのが理想です。当日、歌詞を見ながら歌うこともできますが、紙をめくる音が入らないように気をつけます。
楽譜や歌詞の紙には、息つぎの場所や、気をつけたいところを書きこんでおくと、当日のたすけになります。
家で一度、録音してみる
スタジオに行く前に、スマホなどで自分の歌を録音して聞いてみましょう。
- 音がゆれたり、はずれたりしやすいところ
- ことばが聞きとりにくいところ
- 息がくるしくなるところ
こうしたところを先に知っておくと、当日に気をつけるポイントがはっきりします。録音した自分の声がへんに聞こえることもありますが、それは多くの人が感じることです。録音した自分の声がへんに聞こえるのはなぜ?自分の声とのつきあい方
前の日は、のどを休める
前の日に、たくさん歌いすぎるのはおすすめしません。歌の流れを1回か2回たしかめたら、あとはのどを休めましょう。
- 早めにねる
- 大きな声で長く話さない
- 部屋がかわいていたら、加湿する
のどに痛みやかすれがあるときは、むりをしないでください。続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談しましょう。日にちをかえられるかどうかも、早めにスタジオに問い合わせておくと安心です。
持ち物と服そう
持っていくもの
- 水やお茶(常温のものがのみやすいです)
- 歌詞と楽譜
- 伴奏の音源(たのまれた形のファイルで)
- 自分で使いなれたイヤホンやヘッドホン(つかえるかどうかは、スタジオに聞いておく)
- メモ帳とペン
服そうで気をつけたいこと
スタジオでは、服の音も録音に入ることがあります。
- シャカシャカと音がする服はさける
- ひびく音が出るアクセサリーは外しておく
- おなかまわりがらくな服にする
見た目より、音が出にくく、体がらくな服をえらぶのがポイントです。
当日の流れ
スタジオによってちがいますが、多くの場合、こんな流れで進みます。
1 あいさつと打ち合わせ
まずは、エンジニアさん(録音の係の方)と、その日にすることをたしかめます。曲の数、目的、伴奏の形、気になっていることなどを伝えましょう。
「はじめてなので、わからないことがあったら聞いてもいいですか」と、さいしょにひとこと伝えておくと、気持ちがらくになります。
2 声出しとマイクの位置合わせ
軽く声を出しながら、マイクとの距離や高さを合わせてもらいます。マイクに近すぎても遠すぎても、聞こえ方がかわります。ここで決めた位置から、なるべく動かないように歌うことが大切です。
3 ヘッドホンの音のバランスを合わせる
伴奏の大きさと、自分の声の大きさを、聞きやすいように合わせてもらいます。「伴奏をもう少し大きく」「自分の声を少し小さく」など、えんりょせずに伝えてかまいません。歌いやすさが、そのまま録音のよさにつながります。
4 ためしに歌ってから、本番の録音
さいしょに一度ためしに歌って、音の大きさなどをたしかめます。そのあと、本番の録音に入ります。1回で決まることもあれば、何回か歌うこともあります。
5 聞きなおして、たしかめる
録音した歌を、その場で聞かせてもらいます。気になるところがあれば、録り直しをお願いできるか相談しましょう。
録り直しのしかたと、心がまえ
何回も歌うのは、ふつうのこと
レコーディングで何回も歌うのは、まったくめずらしいことではありません。1回でうまくいかなくても、気にしなくてだいじょうぶです。
ただ、何回も続けて歌うと、のどがつかれてきます。つかれを感じたら、水をのんで少し休みましょう。だんだん声が出にくくなってきたら、その日はそこまでにすることも大切です。
「完ぺき」をめざしすぎない
小さなまちがいを全部なくそうとすると、かえって歌がかたくなってしまうことがあります。音がぴったり合っていることも大切ですが、気持ちよく歌えているかどうかも、聞く人にはよく伝わります。
録り直しを何回かしたら、「この中でいちばん気持ちがこもっているのはどれか」という目で聞いてみるのもおすすめです。
お子様の歌を録るとき
お子様にとって、スタジオはなれない場所です。大人以上に、つかれやきんちょうに気をくばってあげましょう。
- 歌う時間を短めにして、休けいを多めにとる
- スタジオに入る前に、「どんなところか」をやさしく話しておく
- うまくいかなくても、せめるようなことばは言わない
- のどがつかれたようすなら、すぐに休ませる
お父様・お母様が落ちついていると、お子様も安心して歌えます。「楽しかったね」で終われることが、いちばん大切です。
終わったあとにすること
データの受けとり方をたしかめる
録音したデータを、どんな形で、いつ受けとれるのかをたしかめておきましょう。音の調整(ミックス)を別にたのむかどうかも、スタジオによってちがいます。
家でもう一度聞く
家に帰ってから、スマホのスピーカーやイヤホンなど、いろいろな方法で聞いてみましょう。スタジオで聞いたときと、ちがって聞こえることもあります。気になることがあれば、早めにスタジオに相談します。
公開するときは、使い方のきまりをたしかめる
録音した歌をインターネットで公開したり、CDにしたりするときは、曲の使い方のきまりをたしかめておきましょう。とくに、ほかの人が作った曲を歌ったときは注意が必要です。
まとめ
- レコーディングは、練習してきた歌をよい形で残す日
- 予約の前に、目的、曲の数、伴奏の形を決めておく
- 家で一度録音して、気をつけるところを知っておく
- 前の日はのどを休め、痛みやかすれが続くときはお医者さんに相談する
- 服は音が出にくく、らくなものをえらぶ
- 当日は、打ち合わせ、マイク合わせ、ヘッドホン調整、録音、聞きなおしの流れが多い
- 何回か歌うのはふつうのこと。つかれたら休む
スタジオで録った歌は、あとから何度でも聞きかえせる大切な記録になります。もっと歌をみがきたいと思ったら、近くの教室もさがしてみてください。歌の教室さがしまた、録った歌をだれかに聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリものぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、自分の歌のよいところを知るきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ