大人がコンクールで落ちたとき。思うような結果が出なくても、歌をつづける気持ちのたもち方
「せっかく挑戦したのに、コンクールに落ちてしまった」 「大人になってから、こんなに落ち込むとは思わなかった」 「声楽コンクールの結果を見てから、歌う気持ちになれない」
大人になってから歌のコンクールに出るのは、勇気のいることです。仕事や家のことのあいまに練習をかさねて、ようやく本番をむかえた方もいらっしゃると思います。だからこそ、思うような結果が出なかったとき、心が重くなってしまうのは、しぜんなことです。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、大人の方がコンクールで思うような結果を出せなかったときに、どう気持ちとつきあうか、そして、歌をつづける気持ちをどうたもっていくかを考えていきます。
はじめにお伝えしたいのは、結果がどうであっても、大人になってから挑戦したこと自体に、大きな意味があるということです。どうか、ご自分をせめすぎないでください。
大人がコンクールの結果で落ち込むのは、ふしぎなことではない
大人だからこそ、くやしさが大きいこともある
子どものころは、「つぎがあるよ」とまわりが声をかけてくれることがあります。でも大人になると、自分で自分をはげまさなければならない場面がふえます。
また、限られた時間の中で練習してきたぶん、「あの時間はなんだったんだろう」と感じてしまうこともあります。くやしさが大きいのは、それだけ真剣にとりくんできたからです。
「この年で、はずかしい」と思わなくていい
大人になってから落ち込む自分に、「いい大人なのに」と、はずかしさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。でも、何歳であっても、本気でとりくんだことがうまくいかなければ、くやしいものです。
その気持ちは、歌を大切に思っているしるしです。むりに笑ってごまかさなくてもだいじょうぶです。
まわりに話しにくい気持ちもある
家族や職場の人に、コンクールに出たことを話していない方もいらっしゃると思います。話していないぶん、結果のくやしさを、ひとりでかかえこんでしまうこともあります。
だれにも話せないときは、ノートに書く、歌の仲間にだけ話すなど、気持ちを外に出せる場所を、ひとつ見つけておくと楽になることがあります。
まずは、心とからだを休める
しばらく歌から少しはなれてもいい
結果を見たあと、歌う気持ちになれないときは、むりに練習しなくてもかまいません。しばらく歌から少しはなれて、好きなことをしたり、ゆっくり休んだりする時間をとってみてください。
はなれているあいだに、「やっぱり歌いたいな」という気持ちが、しぜんにもどってくることもあります。
生活のリズムをととのえる
落ち込んでいるときは、ねむりが浅くなったり、食事がおろそかになったりすることもあります。
- いつもと同じくらいの時間にねる
- 食事を、きちんととる
- 外に出て、少し散歩をする
- 好きな音楽を、聞く側として楽しむ
心とからだはつながっています。からだがととのうと、気持ちも少しずつ前を向きやすくなります。ねむれない日がつづく、気持ちの落ち込みが長くつづくなど、つらさが続くときは、ひとりでかかえずに、お医者さんや相談窓口に話してみてください。
結果を、自分の価値と結びつけない
コンクールの結果は、その日、その場での、ひとつの評価です。あなたの歌のすべてや、あなた自身の価値を決めるものではありません。
審査には、審査員の先生それぞれの感じ方がふくまれます。同じ歌でも、コンクールや審査員がかわれば、受けとめられ方がかわることもあります。
まわりのことばや、ほかの方の結果とのつきあい方
ほかの方の結果を、見すぎない
結果の発表を見ると、ほかの方の名前や順位が、どうしても目に入ります。SNSなどで、入賞した方の投稿を見て、さらに落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
気持ちがつらいときは、しばらくSNSを見ないようにするのもひとつの方法です。ほかの方の歩みと、自分の歩みは、くらべられるものではありません。
「なぐさめのことば」が重く感じるときも
家族や友人から「気にしないで」「つぎがあるよ」と声をかけられて、かえってつらくなることもあります。それは、相手の気持ちがありがたくないのではなく、まだ自分の心が追いついていないだけかもしれません。
そんなときは、「ありがとう。少し休んでから考えるね」と、やわらかく受けとめておくとよいでしょう。
自分を責めることばに、気づく
「やっぱり才能がない」「年をとってから始めても、むだだった」。落ち込んでいるときは、こうしたことばが、心の中にうかんでくることがあります。
そんなことばに気づいたら、「いま、自分にきびしくなっているな」と、そっと立ち止まってみてください。仲のよい友だちが同じことを言っていたら、あなたはどんなことばをかけるでしょうか。そのことばを、ご自分にもかけてあげてください。
自分の歌を、やさしく見つめなおす
挑戦したことを、まず自分でみとめる
ふりかえりのはじめは、「できなかったこと」ではなく、「できたこと」から見てみてください。
- 申しこみをして、本番の日をむかえた
- 仕事や家のことと両立して、練習をつづけた
- 人前で、さいごまで歌いきった
- 新しい曲に、ちょうせんした
大人になってからこうしたことにとりくむのは、かんたんなことではありません。まずは、ご自分をみとめてあげてください。
録音や講評は、気持ちが落ちついてから
本番の録音や録画、講評(審査員の先生からのことば)があれば、気持ちが落ちついてから、ゆっくり見なおしてみてください。すぐに見るのがつらいときは、しばらく時間をおいてもかまいません。
見なおすときは、「だめだったところさがし」にならないように、「よかったところ」と「つぎにためしたいこと」を、ひとつずつ見つけるつもりで聞いてみてください。
先生や仲間と、話してみる
レッスンに通っている方は、先生に結果のことを話してみてください。先生は、あなたの歌の成長を、ふだんから見てくれています。結果だけではわからない、あなたの歌のよさや、これからのばせるところを教えてくれることがあります。
いま先生についていない方は、これをきっかけに、レッスンを受けてみるのもひとつの方法です。大人の方が通える歌の教室は、こちらからさがすことができます。歌の教室さがし
歌をつづける気持ちをたもつために
「歌を始めた理由」を思い出す
コンクールのことでいっぱいになっていると、そもそもなぜ歌を始めたのかを、忘れてしまうことがあります。
- 歌うと気持ちが晴れるから
- 好きな曲を、自分の声で歌ってみたかったから
- 子どものころの夢を、かなえたかったから
始めたときの気持ちを思い出すと、コンクールの結果とは別に、歌が自分にとって大切なものだと、あらためて気づくことがあります。
コンクールだけを目標にしない
コンクールは、歌の目標のひとつですが、それだけがすべてではありません。
- 発表会で、家族や友人に聞いてもらう
- 合唱団に入って、仲間と歌う
- 新しいジャンルの曲に、ちょうせんする
- 録音して、自分の声の変化を楽しむ
いくつかの目標をもっておくと、ひとつのことがうまくいかなかったときにも、歌そのものを楽しみつづけやすくなります。大人が歌の趣味を長くつづけるコツは、こちらの記事にもまとめています。大人が歌の趣味を長くつづけるコツ。目標の立て方と仲間の見つけ方
つぎのコンクールは、あせらずえらぶ
「すぐにでもリベンジしたい」という気持ちもあれば、「しばらくはいいかな」という気持ちもあると思います。どちらも、まちがいではありません。
つぎに出るときは、自分の歌に合いそうなコンクールを、あせらずえらんでみてください。部門の分け方や、審査で大切にしていることは、コンクールによってちがいます。大人が出られる声楽コンクールについては、こちらの記事も参考にしてみてください。大人・アマチュアが出られる声楽コンクール。部門や審査の流れ、40代・50代・60代からの挑戦
「うまくいかない時期」も、歌の一部
歌をつづけていると、思うようにいかない時期がくることもあります。そんなときも、歌をやめてしまわずに、少し力をぬいてつきあっていくことで、また楽しく歌える日がやってくることがあります。
結果がよかった日も、そうでなかった日も、どちらもあなたの歌の歩みです。
まとめ
- 大人がコンクールの結果で落ち込むのは、真剣にとりくんできたからこそ
- 「いい大人なのに」と、自分をせめなくていい
- 歌う気持ちになれないときは、しばらく歌から少しはなれて休んでもいい
- 結果は、その日のひとつの評価。自分の価値と結びつけない
- ふりかえりは「できたこと」から。録音や講評は気持ちが落ちついてから
- 先生や仲間と話し、歌を始めた理由を思い出す
- コンクールだけを目標にせず、いくつかの楽しみをもつ
くやしさが少しやわらいだら、また歌える場を、ゆっくりさがしてみてください。あなたの歌を近くで見てくれる先生をさがすなら、うたごえナビの教室さがしも使ってみてください。歌の教室さがし
もう一度ちょうせんしてみたくなったときには、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ