大人がはじめて歌のコンクールに出るとき。えらび方と準備
「歌を習いはじめて少したったし、コンクールに出てみたい。でも、大人がいきなり出てもいいのかな」 「どんなコンクールをえらべばいいのか、何から準備すればいいのか、わからない」
歌を続けていると、「いつか、だれかに聞いてもらいたい」という気持ちが出てくることがあります。発表会とはまたちがう、コンクールという場に挑戦してみたいと思う大人の方も、きっと多いと思います。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。コンクールは、子どもだけのものではありません。大人が出られる部門や、年齢を問わないコンクールもあり、はじめての方でも挑戦しやすい場はふえてきています。
この記事では、大人がはじめて歌のコンクールに出るときの、えらび方と準備の進め方をまとめました。むずかしく考えすぎず、「一度出てみよう」という気持ちで読んでみてください。
まずは「なぜ出たいのか」を考える
目的によって、えらぶコンクールがかわる
コンクールに出る理由は、人それぞれです。
- 練習の目標がほしい
- 自分の歌を、専門の方に聞いてもらいたい
- 講評をもらって、これからの練習に生かしたい
- 人前で歌う経験をしてみたい
- 賞にチャレンジしてみたい
どれも、すてきな理由です。目的がはっきりしていると、どんなコンクールをえらぶとよいかが見えてきます。たとえば、「講評がほしい」なら、講評がもらえるコンクールを、「人前で歌う経験をしたい」なら、会場で歌うコンクールを、といった具合です。
結果だけを目標にしない
はじめてのコンクールでは、賞をとることだけを目標にすると、気持ちが苦しくなることもあります。「さいごまで歌いきる」「練習してきたことを出す」など、自分でできる目標も、あわせて持っておくと安心です。
コンクールのえらび方
ジャンルを見る
歌のコンクールには、いろいろなジャンルがあります。
- 声楽(クラシック)のコンクール
- 童謡や日本の歌のコンクール
- ポップスやカラオケのコンクール
- ジャンルを問わないコンクール
自分がふだん練習している歌に合ったコンクールをえらぶのが、いちばん歩きやすい道です。大人が出られる歌のコンクールについては、こちらの記事でもまとめています。大人が出られる歌のコンクール。会場で歌う大会と動画で応募する大会、自分に合うえらび方声楽を習っている方は、こちらの記事も参考にしてみてください。大人・アマチュアが出られる声楽コンクール。部門や審査の流れ、40代・50代・60代からの挑戦
部門や参加の条件を見る
コンクールによって、部門の分け方や、参加の条件はちがいます。
- 年齢で部門が分かれているか
- 経験の長さや、習っているかどうかで分かれているか
- アマチュアだけが出られるか、プロをめざす人向けか
はじめての方は、アマチュア向けの部門や、経験を問わない部門があるコンクールをえらぶと、気持ちの面でも挑戦しやすいと思います。
会場で歌うか、動画で応募するか
大きく分けて、会場で歌うコンクールと、動画を送って審査してもらうコンクールがあります。
- 会場で歌う:本番の空気を感じられる。ほかの人の歌も聞ける。一方で、移動や日程の調整が必要
- 動画で応募する:自分の都合のよい日に録画できる。遠くに住んでいても出られる。一方で、録画の準備が必要
仕事や家のことでいそがしい大人の方には、動画で応募できるコンクールも、はじめの一歩として選びやすいと思います。
講評や結果の知らせ方を見る
コンクールによって、講評がもらえるかどうか、結果の知らせ方などもちがいます。せっかく出るなら、講評がもらえるコンクールだと、次の練習に生かしやすくなります。
応募の前にたしかめること
募集要項をていねいに読む
コンクールに出ると決めたら、まず募集要項をよく読みましょう。
- 応募のしめきり
- 参加費
- 曲の決まり(自由曲か、課題曲があるか、時間の長さなど)
- 伴奏の決まり(ピアノ伴奏、音源、無伴奏など)
- 動画の場合は、とり方や送り方の決まり
とくに、曲の長さや伴奏の決まりは、コンクールによってかなりちがいます。あとで「決まりに合っていなかった」とならないよう、メモしておくと安心です。
予定をカレンダーに書き出す
しめきりや本番の日から、さかのぼって予定を立ててみましょう。
- 曲を決める日
- 伴奏の準備をする日
- 先生にみてもらう日
- 動画をとる日、または本番の日
大人は、仕事や家の用事で、思うように練習時間がとれないこともあります。少し余裕を持った予定にしておくと、あせらずにすみます。
曲えらびのポイント
いまの自分の声に合う曲を
はじめてのコンクールでは、むずかしい曲に挑戦するより、いまの自分の声で、むりなく歌える曲をえらぶのがおすすめです。
- 高い音や低い音が、むりなく出せる
- 息つぎの場所が、自分に合っている
- 歌詞や曲の気持ちに、共感できる
- 何度歌っても、あきない
「この曲が好き」という気持ちは、歌声にも表れます。好きな曲の中から、いまの声に合うものをえらんでみてください。
先生に相談する
教室に通っている方は、曲えらびを先生に相談してみましょう。いまの声に合っているか、コンクールの決まりに合っているかを、いっしょに見てもらえると心強いです。
まだ教室に通っていない方も、コンクールをきっかけに、短い期間だけレッスンを受けてみるという方法もあります。歌の教室さがし
本番までの練習の進め方
はじめのうちは、曲になれる
曲が決まったら、まずは曲になれることからはじめましょう。音源を何度も聞く、歌詞を声に出して読む、ゆっくり歌ってみる、など、曲の全体をつかむ時期です。
中ごろは、細かいところをととのえる
曲になれてきたら、音程があやしいところ、息つぎがくるしいところ、歌詞がはっきりしないところなどを、ひとつずつととのえていきます。
- 自分の歌を録音して、気になるところに印をつける
- 1回の練習で、直すところを1つか2つにしぼる
- 先生に、気になるところをみてもらう
本番が近づいたら、通して歌う
本番が近づいたら、曲をさいしょから最後まで、通して歌う練習をふやしましょう。とちゅうで止まらずに歌いきる力をつけることが大切です。
家族や友だちに聞いてもらう、動画をとって見なおすなど、「人に聞かれている」状態で歌う練習をしておくと、本番での緊張もやわらぎやすくなります。
のどを大切に
本番が近づくと、つい練習をしすぎてしまうことがあります。大人の方も、のどがつかれたと感じたら、声を休めましょう。痛みやかすれが続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
当日の心がまえ
会場で歌う場合
- 会場には時間に余裕を持って行く
- 受付の方法や、控え室の場所をたしかめる
- 本番前は、水を飲んで、体をかるくほぐす
- ほかの方が歌っているときは、静かに聞く
まわりの方が上手に聞こえても、気にしすぎなくてだいじょうぶです。自分が練習してきたことを、ていねいに出すことに集中しましょう。
動画で応募する場合
- 体調のよい日、時間をえらんでとる
- まわりの音が入りにくい場所をえらぶ
- 何回かとって、いちばんよいものを送る
- しめきりのぎりぎりではなく、早めに送る
何度もとりなおせるのは、動画ならではのよさです。ただ、完ぺきをめざしすぎると、つかれてしまうこともあります。「これがいまの自分の歌」と思える1本ができたら、思いきって送ってみてください。
結果のあとに
講評を次の練習に生かす
結果がどうであっても、コンクールに出たという経験は、それだけで大きな一歩です。講評がもらえた場合は、よかったところと、これからの課題を、メモにのこしておきましょう。
続けて挑戦するかを考える
1回出てみると、「また出てみたい」と思う方も、「次は発表会にしよう」と思う方もいると思います。どちらでもかまいません。自分のペースで、歌を楽しむことがいちばんです。
まとめ
- まずは「なぜ出たいのか」を考える。目的によって、えらぶコンクールがかわる
- ジャンル、部門、会場か動画か、講評があるかを見てえらぶ
- 募集要項をていねいに読み、しめきりや曲の決まりをたしかめる
- 曲は、いまの自分の声で、むりなく歌える好きな曲を
- 練習は「曲になれる」「細かいところをととのえる」「通して歌う」の流れで
- のどを大切に。痛みやかすれが続くときは、お医者さんに相談する
- 結果のあとは、講評を次の練習に生かす
はじめてのコンクールに挑戦してみたい大人の方には、こどもの歌声グランプリもおすすめです。名前に「こども」とありますが、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、大人の方も出られます。オンラインの動画審査だけで出られるので、仕事や家のことでいそがしい方でも、自分の都合のよい日に録画して応募できます。ジャンルは自由で、講評とデジタル賞状がとどきます。はじめの一歩として、ぜひのぞいてみてください。こどもの歌声グランプリ