歌の動画審査で気をつけたいポイント。落ちる理由になりやすいことと、出す前の見直しリスト
「一生けんめい練習して、動画もとったのに、うまくいかなかった」 「動画審査で落ちる理由って、歌のほかにもあるのかな」
オンラインで出られる歌のコンクールがふえて、おうちから動画を送ってチャレンジするお子様や大人の方が多くなりました。会場に行かなくてよいぶん、気軽に出られるのが動画審査のよいところです。
いっぽうで、動画審査には、会場の本番とはちがう気をつけたいポイントがあります。歌はとてもよかったのに、動画の出し方で思わぬ失敗をしてしまうこともあります。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、歌の動画審査で落ちる理由になりやすいことと、動画を出す前に見直しておきたいポイントにしぼってお話しします。とり方そのもののコツではなく、「とったあと、送る前」にたしかめたいことをまとめました。
さいしょにお伝えしておきたいのは、審査の基準はコンクールによってちがうということです。ここに書くのは、どのコンクールでも見直しておくと安心な、一般的なポイントです。かならず、出るコンクールの要項(きまりが書かれた案内)をいちばん大切にしてください。
動画審査で落ちる理由になりやすいこと
要項のきまりに合っていない
動画審査で、いちばん残念なのが、きまりに合っていないことです。歌がどんなに上手でも、きまりに合わない動画は、審査の対象にならないこともあります。
- 曲の長さが、きめられた時間をこえている
- 動画を切ったり、つないだりしてはいけないのに、編集している
- 顔や全身がうつっていない
- 伴奏のきまり(ピアノの生伴奏か、音源でもよいか)がちがう
- 曲名や名前を言うきまりがあるのに、言っていない
要項は、出す前にもう一度、さいごまで読み直してみましょう。「たしかこうだったはず」という思いこみが、いちばんの落とし穴になりやすいです。
声が聞きとりにくい
審査員の先生は、動画の音から歌を聞いています。声が小さく入っていたり、伴奏の音が大きすぎたりすると、歌のよさが伝わりにくくなります。
- 伴奏にかくれて、声がうもれている
- 声が大きすぎて、音がわれている
- エアコンや外の車の音など、まわりの音が入っている
- 部屋に音がひびいて、ことばがぼやけている
歌いはじめと歌いおわりが雑になっている
動画では、歌っている部分だけでなく、はじまる前とおわったあとの数秒もうつります。緊張がとけて、歌いおわってすぐに横を向いたり、カメラにかけよったりすると、せっかくの歌の印象がもったいないことになります。
曲がその人に合っていない
むずかしすぎる曲や、高さが合っていない曲をえらぶと、苦しそうに聞こえてしまうことがあります。審査員がどこを見ているかは、こちらの記事にもくわしくまとめています。歌のコンクール、審査員はどこを見ている?点数につながる7つのポイント
出す前に見直したいこと1 要項とのつき合わせ
要項をチェックリストにしてみる
要項を読みながら、きまりを1つずつ紙に書き出してみるのがおすすめです。そして、とった動画と見くらべて、1つずつ丸をつけていきます。
- 曲の長さ(何分以内か)
- 動画のファイルの形や大きさ
- 送り方(アップロード、URLを送る、など)
- 伴奏のきまり
- うつり方(全身、上半身、顔が見えるか)
- 名前や曲名を言うか、言わないか
- しめきりの日と時間
「動画の公開」のきまりもたしかめる
動画をインターネットにのせて、そのURLを送るコンクールもあります。その場合は、「だれでも見られる公開」なのか、「URLを知っている人だけが見られる限定公開」でよいのかなど、のせ方のきまりもたしかめておきましょう。お子様の動画のときは、名前や学校がわかるものがうつっていないかも、いっしょに見ておくと安心です。
出す前に見直したいこと2 動画の最初と最後
はじまりの数秒
動画がはじまってから、歌いはじめるまでの数秒は、審査員の先生にとっての「第一印象」になりやすいところです。
- 立ち位置についてから、少し落ち着いてはじめているか
- おじぎをするきまりのときは、ていねいにできているか
- カメラをさわる手や、とっている人の声が入っていないか
おわりの数秒
歌いおわったら、すぐに動かず、少しだけそのままの姿勢でいるときれいに見えます。そのあとにおじぎをして、ひと呼吸おいてから動画を止めるようにすると、落ち着いた印象になります。
もし、おわりにお父様・お母様の「やったね」という声が入ってしまっていたら、きまりで切ってよいかどうかをたしかめてから、とり直すか、おわりを切るかを考えましょう。
出す前に見直したいこと3 音のたしかめ方
イヤホンで聞いてみる
スマホのスピーカーだけで聞くと、気づかない音があります。送る前に、イヤホンやヘッドホンで、さいごまで通して聞いてみましょう。
- 声と伴奏のバランスはどうか
- 高い音のところで、音がわれていないか
- ことばがはっきり聞こえるか
- まわりの音や、ガサガサした音が入っていないか
ちがう機械でも聞いてみる
スマホ、パソコン、タブレットなど、ちがう機械で聞くと、聞こえ方がかわることがあります。どの機械で聞いても、声がしっかり聞こえるかをたしかめておくと安心です。
とり方や音の入れ方のくわしいコツは、こちらの記事にまとめています。歌の動画をきれいにとるコツ。スマホ・マイク・部屋の音と、安心して公開するための注意点
出す前に見直したいこと4 見た目とうつり方
顔と表情が見えるか
歌は、声だけでなく、表情からも気持ちが伝わります。部屋が暗くて顔がかげになっていないか、まどを背にして逆光になっていないかを見ておきましょう。
画面の中に気になるものがないか
うしろに、せんたくものやおもちゃ、カレンダーなどがうつっていると、見る人の目がそちらに向いてしまうことがあります。また、お子様の名前が書かれたものや、家の場所がわかるものがうつっていないかも、たしかめておきましょう。
服そうと立ち方
動画では、立ち方がまっすぐかどうかが、思った以上に目に入ります。足をそろえて立てているか、体がゆれすぎていないかを見ておきましょう。服そうのきまりがあるコンクールもあるので、要項もあわせて見ておくと安心です。
出す前に見直したいこと5 ファイルと送り方
ファイルの名前
ファイルの名前のつけ方がきまっているコンクールもあります。「名前と部門」「受付番号」など、きまりがあればそのとおりにつけましょう。
送る前に、もう一度ひらいてみる
送るファイルを、もう一度ひらいて、さいごまで再生できるかをたしかめましょう。とちゅうで止まる、音が出ない、別の動画を送ってしまう、ということがないようにするためです。
しめきりの前日までに送る
しめきりの日は、送る人が多くて、うまくいかないこともあります。インターネットのぐあいで、思ったより時間がかかることもあります。できれば、しめきりの前日までに送れるように、早めに準備しておきましょう。
送ったあとの記録をのこす
送ったあとに、受付のメールがとどくコンクールもあります。メールや画面を、すぐに見られるところにのこしておくと、あとで「ちゃんと送れたかな」と不安になったときに安心です。
何回とり直すか、どこで決めるか
「いちばんいいもの」を決めるコツ
何回もとっていると、どれがいちばんよいのか、わからなくなることがあります。そんなときは、次のような順番でえらんでみてください。
- まず、きまりに合っているものだけをのこす
- 次に、音程やリズムで大きな失敗がないものをえらぶ
- さいごに、表情や気持ちがいちばん伝わるものをえらぶ
小さな失敗がまったくない動画は、なかなかありません。それよりも、歌の気持ちが伝わる動画をえらぶほうが、そのお子様らしさが出やすいと思います。
とり直しは、のどと気持ちを休めながら
何回もくりかえしてとっていると、のどがつかれてしまいます。お子様の場合は、気持ちもつかれてしまいます。「今日は3回まで」など、先に回数を決めておくのもひとつの方法です。
のどの痛みやかすれが続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
お父様・お母様ができる、出す前のひとこと
お子様の動画をいっしょに見直すときは、できていないところばかりを言わないように気をつけたいですね。
- 「ここ、いい声だったね」
- 「おじぎがていねいだったね」
- 「どの動画がいちばん気に入った?」
お子様自身に「いちばん好きな動画」をえらんでもらうと、自分の歌を大切にする気持ちが育ちやすくなります。
まとめ
- 審査の基準はコンクールによってちがうので、要項をいちばん大切にする
- 落ちる理由になりやすいのは、きまりに合っていない、声が聞きとりにくい、最初と最後が雑、など
- 要項をチェックリストにして、動画と1つずつ見くらべる
- イヤホンやちがう機械で、音をたしかめる
- うしろにうつっているものや、名前がわかるものに気をつける
- ファイルの名前や送り方をたしかめ、しめきりの前日までに送る
- とり直しは回数を決めて、のどと気持ちを休めながら
動画審査は、出す前の見直しをていねいにするだけで、歌のよさがぐっと伝わりやすくなります。はじめての動画審査には、こどもの歌声グランプリもおすすめです。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、次の練習のヒントにもなると思います。こどもの歌声グランプリ