オーディションに送る歌の音源の録り方。デモ音源を家で録音するときの準備とコツ
「オーディションに応募したいけれど、歌の音源を送ってくださいと書いてある」 「デモ音源って、どうやって録音すればいいの?」
歌のオーディションや審査では、さいしょに音源を送るように言われることがあります。会場で歌う前に、まずは音だけで歌を聞いてもらうのです。はじめてのときは、どう録ればよいのかまよいますよね。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、オーディションや審査に送る歌の音源の録り方を、順番にまとめます。動画ではなく、音だけを録音するときのお話にしぼっています。お子様の応募を手伝うお父様・お母様にも、ご自分で応募する大人の方にも、参考にしていただけたらうれしいです。
デモ音源って何?
歌を知ってもらうための、さいしょの音
デモ音源とは、自分の歌を聞いてもらうために録音した音のことです。オーディションでは、まずこの音源を聞いて、次の審査に進む人を決めることがあります。
音だけで聞かれるので、見た目や動きは伝わりません。そのぶん、声そのものや、音程、リズム、ことばの聞きやすさが、まっすぐに伝わります。
プロのような音でなくてもよいことが多い
デモ音源は、スタジオで録った立派な音でなければいけない、というわけではないことが多いです。審査する方が知りたいのは、いまのあなたの歌です。
ただし、雑音が大きすぎたり、声がほとんど聞こえなかったりすると、歌のよさが伝わりません。「歌がはっきり聞こえること」を、いちばんの目標にしましょう。
録る前に、募集のきまりをたしかめる
録音をはじめる前に、募集のページや案内を、もう一度ていねいに読みましょう。オーディションによって、きまりはかなりちがいます。
たしかめておきたいこと
- 歌う曲は自由か、決められているか
- 曲の長さや、歌う部分の指定はあるか
- 伴奏ありか、伴奏なし(アカペラ)か
- ファイルの形や、大きさの決まり
- 音の加工(エコーなど)をしてよいか
- ファイルの名前のつけ方
- しめきりの日と時間
とくに、「加工はしないでください」と書かれているときは、エコーや音程を直す機能などはつかわないようにしましょう。決まりに合っていないと、それだけで聞いてもらえないこともあります。
録音する場所と道具
部屋のえらび方
音だけの録音では、部屋のひびきや、まわりの音がとても目立ちます。
- 外の車の音や、人の声が入りにくい部屋
- カーテンやじゅうたん、ソファなど、布が多い部屋
- 何もない広い部屋より、ものが多い部屋のほうが、ひびきすぎにくい
おふろ場のようによくひびく場所は、歌いやすく感じますが、声がぼやけて聞こえることがあります。審査用の音源には、あまり向いていないかもしれません。
録音の前に止めておきたい音
- エアコンや扇風機
- 換気扇
- テレビやラジオ
- スマホの通知音
冷蔵庫の音や時計の音も、思っているより録音に入ります。録る前に、部屋をしずかにして、少しのあいだ耳をすませてみましょう。
道具はスマホでもはじめられる
はじめは、スマホの録音アプリでもじゅうぶんなことが多いです。外づけのマイクがあれば、声をよりはっきり録りやすくなります。
どんな道具をつかうにしても、本番の前にためし録りをして、どのくらいの音で録れるかたしかめておくことが大切です。
マイクとの距離と、音の大きさ
近すぎず、遠すぎず
マイクやスマホとの距離は、音のよさを大きく左右します。
- 近すぎると、息の音や、強い声のときの音われが入りやすい
- 遠すぎると、部屋のひびきや雑音が大きくなり、声が小さく聞こえる
まずは、口からこぶし2つ分くらいはなれたところから、ためしてみてください。声が大きいところで音がわれないか、小さいところでも聞こえるかを、録って聞いてたしかめます。
正面より、少しずらす
マイクを口の真正面に置くと、「パ」や「ブ」などの音のときに、ボフッという息の音が入りやすくなります。少しだけななめにずらすと、やわらぎやすいです。
立つ位置に目じるしをつける
歌っているうちに、だんだんマイクに近づいたり、はなれたりしてしまうことがあります。床にテープなどで目じるしをつけておくと、いつも同じ位置で歌いやすくなります。
伴奏をつかうとき
伴奏と声のバランス
伴奏といっしょに録るときは、伴奏が大きすぎて声がうもれないように気をつけましょう。審査で聞きたいのは、あくまで歌です。
スピーカーで伴奏を流しながら録るときは、スピーカーを自分の後ろやななめうしろに置くと、声とのバランスがとりやすくなることがあります。ためし録りをして、歌がはっきり聞こえるかたしかめてください。
伴奏の用意のしかた
伴奏は、生のピアノ、伴奏の音源など、いろいろな用意のしかたがあります。どの方法がよいか、また、カラオケの音源がつかえるかどうかは、募集のきまりによってちがいます。伴奏音源の用意のしかたは、こちらの記事にまとめています。伴奏音源はどうする?歌のコンクールでカラオケが使えない理由と、5つの用意のしかた
録るときのコツ
声出しをしてから録る
いきなり本番を録ると、声がまだあたたまっていないことがあります。軽く体をほぐし、ハミングなどで声を出してから録りはじめましょう。
何回か録って、いちばんよいものをえらぶ
1回で完ぺきに録れなくても、だいじょうぶです。何回か録って、あとから聞きくらべてえらびましょう。ただし、何回も続けて歌うと、のどがつかれて、かえって声が出にくくなります。
- 何回か録ったら、休けいをはさむ
- のどがつかれたら、別の日に録りなおす
- 痛みやかすれが続くときは、むりをせず耳鼻科などのお医者さんに相談する
歌の前後の「しずかな時間」も大切
歌いはじめる前と、歌い終わったあとに、少しだけしずかな時間を入れておきましょう。歌のさいしょの音が切れてしまったり、さいごの音がとちゅうでとぎれたりするのをふせげます。
長さの指定があるとき
「1分以内」「サビだけ」など、長さや歌う部分が決められているときは、そのとおりに録りましょう。曲のとちゅうから歌うときは、さいしょの音を出しやすいように、伴奏を少し前から流したり、ピアノで音をたしかめてから歌ったりするとよいと思います。指定より長くなってしまうと、とちゅうで聞くのをやめられることもあるので、録ったあとに長さもたしかめておきましょう。
録ったあとの聞きなおし
いろいろな方法で聞いてみる
録音できたら、イヤホン、スマホのスピーカーなど、いくつかの方法で聞いてみましょう。審査する方が、どんな機械で聞くかはわからないからです。
チェックしたいこと
- 声がはっきり聞こえるか
- 音がわれていないか
- 雑音が大きくないか
- 伴奏と声のバランスはよいか
- 歌のはじまりと終わりが切れていないか
自分の声を聞くのは、はずかしく感じるかもしれません。でも、送る前に一度は通して聞くことが大切です。家族など、ほかの人にも聞いてもらうと、自分では気づかないことに気づける場合があります。
送る前の最終チェック
ファイルの名前と形
募集のきまりにしたがって、ファイルの名前をつけましょう。名前の指定がないときも、自分の名前と曲名がわかるようにしておくと、受けとった方がこまりません。
しめきりには、ゆとりをもつ
しめきりの直前は、送る人が多くて、うまく送れないことがあります。ファイルが大きすぎて送れない、ということもあるので、何日か前には送れるようにしておくと安心です。
お子様の応募のとき
お子様の音源を送るときは、お父様・お母様が、名前や年れいなどの記入にまちがいがないかもたしかめてあげましょう。また、何回も録りなおすと、お子様がつかれてしまいます。「今日はここまで」と決めて、楽しい気持ちで終われるようにしてあげてください。
子どもの歌のオーディションを受けるときの準備や心がまえは、こちらの記事でもまとめています。子供の歌手オーディションを受けるとき。えらび方・準備・気をつけたいこと
まとめ
- デモ音源は、歌を知ってもらうためのさいしょの音。歌がはっきり聞こえることがいちばん
- 録る前に、曲、長さ、伴奏、ファイルの形、加工のルールなど、募集のきまりをたしかめる
- 布の多い、しずかな部屋をえらび、エアコンなどの音は止めておく
- マイクとの距離は近すぎず遠すぎず。ためし録りでたしかめる
- 伴奏は大きすぎないように。声がうもれないバランスにする
- 何回か録ってえらぶ。つかれたら休み、痛みやかすれが続くときはお医者さんに相談する
- 送る前に通して聞き、しめきりにはゆとりをもつ
音源の準備は、自分の歌をていねいに聞きなおす、よい機会にもなります。歌をもっとみがきたいときは、近くの教室もさがしてみてください。歌の教室さがしこどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られるコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、オーディションの前に、自分の歌のよいところを知るきっかけにもなると思います。こどもの歌声グランプリ